2019年6月18日火曜日

安倍首相真っ青「年金返せデモ」でよぎる“12年前の大敗”

 16日に約2000人が参加して行われた「年金返せ・払えデモ」には若者の参加が多く、沿道の人たちが手を振って共感を示す姿が目立ちました。この先「年金返せ・払えデモ」は全国に広がっていく可能性があります
 
 第一次安倍内閣時代の12年前にも年金積立金の管理のデタラメさが明らかになり、国民は大いに怒り、結果的に自民党は参院選で大敗しました。「美しい日本」などというノー天気なポスターも反感を招いただけでした。
 それでもその時は、対象者が不明の積立金台帳が数千万件もあったのに対して、安倍首相(当時)は「最後の一人に至るまで明らかにする」と大口を叩いたのでした(勿論実行しませんでした)が、今回は、平均的な人たちが退職時に2000万円(実際には3600万円)不足するという事実をひたすら隠そうとするだけです。
 どうなろうとも知らない。「あとは野となれ山となれ」という訳です。それが「日本の明日を切り拓く」ことなのでしょうか。 
 このまま国民の怒りが広がれば12年前の参院選大敗が再現されることになります。
 
今ごろ、安倍官邸は、真っ青になっているに違いない。完全に対応を間違えた形だ」と日刊ゲンダイが報じました。
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安倍首相は真っ青「年金返せデモ」でよぎる“12年前の大敗”
日刊ゲンダイ 2019/06/17
 デタラメな「年金政策」を推し進める安倍政権への怒りが拡大している。ついに、16日、政府の年金政策に抗議する「年金返せ・払えデモ」が、東京の銀座で始まった。
 デモにはSNSの呼びかけに応じた数千人が参加。「年金返せ」「生活できる年金払え」などと声をあげて街を歩いた。若者の参加が多く、デモの先導も若者だった
 デモに共感したのか、沿道では手を振って応援する人が目立った。この先、「年金返せ・払えデモ」は、全国に広がっていく可能性がある
 
■対応が裏目
 今ごろ、安倍官邸は、真っ青になっているに違いない。完全に対応を間違えた形だ。<年金だけでは不十分><2000万円貯蓄しろ>という金融庁の報告書もヒドイが、麻生財務相が「報告書は受け取らない」と受け取りを拒否したため、どんどん話が大きくなった。慌てて“火消し”に走ったのだろうが、裏目に出た格好だ。
 しかも、自民党の二階幹事長が「我々選挙を控えておるわけですから」と、ホンネを漏らすなど、7月の参院選に響かないように“隠蔽”しようとしていることがミエミエだった。
国民が怒りを強めたのは、『安倍政権は年金問題に本気で向き合っていない』と感じたからでしょう。なにしろ、麻生大臣は『金融庁の報告書は読んでいない』と堂々と答弁し、自分が年金を受け取っているかも知らないと答えている。庶民の年金に関心がないのは明らかです。これでは、ただでさえ“年金不信”の強い若者がデモを行うのも当たり前です」(政治評論家・本澤二郎氏)
 
 安倍官邸は、参院選までには国民の関心を「年金」から「安倍外交」に移すつもりだ。しかし、年金が消えるかどうか。もし、参院選の争点が年金となったら自民党は惨敗する可能性がある小泉政権も、第1次安倍政権も、年金が争点となった参院選で敗北している
「いま、安倍シンパのメディアは『年金は政争の具にすべきではない』『与党も野党もない』などと必死になって選挙の争点から外そうとしています。参院選の行方は、有権者が安倍シンパの宣伝にだまされるかどうかでしょう。もし、だまされなかったら、12年前のように自民党は大敗し、あの時のように安倍首相は退陣に追い込まれる可能性がある。実際、あの時のムードに近づいています」(本澤二郎氏)
 デモが大きくなれば、参院選も大きく動くことになるのではないか。
 
 
年金不信と老後不安が浮き彫りに…安倍内閣“不支持”も急増
日刊ゲンダイ 2019/06/17
 最新の各マスコミの世論調査で、有権者の大多数が年金制度に不信感を抱き、老後に不安を抱えていることが、改めて浮き彫りに。安倍内閣の不支持率も急増だ。
 
 共同通信社の調査によると、95歳まで生きるには夫婦で2000万円の蓄えが必要と試算した金融庁金融審議会の報告書を巡り、麻生太郎金融担当相が受け取り拒否を表明したことについて「問題だ」が71.3%に上り、「問題ではない」の19.1%を大きく上回った。公的年金制度について「信頼できない」が63.8%で、「信頼できる」は28.2%にとどまった。「老後の生活に経済的な不安があるか」には「ある」が74.3%、「ない」は22.7%だった。
 安倍内閣の支持率は前回5月調査から2.9ポイント減の47.6%で、不支持率は1.9ポイント増の38・1%だった。
 
 毎日新聞の調査でも、麻生氏の報告書受け取り拒否について「納得できない」が68%に上っている。公的年金制度について「老後の生活の柱として頼りになると思うか」には「頼りになると思う」は31%にとどまり、「頼りになるとは思わない」は57%に達した。内閣支持率は前回5月調査より3ポイント減の40%、不支持率は6ポイント増の37%。支持・不支持が拮抗している。