2019年6月3日月曜日

予算委開かれず 衆院3カ月、参院2カ月

 予算委が最後に開かれたのは衆院が31日、参院が327で、以後衆院では約3カ月、参院では約2あまり経過しています。
 こんなに長期間開かれないのは、7月に参院選を控えた中で予算委で議論をすれば選挙に不利になると思っている」からです。前回、16年の参院選のときにも予算案が成立して以降は一度も開かれませんでした。2日、東京新聞が報じました。
 
 5月16日のしんぶん赤旗も、首相の最側近もが増税への不安や増税延期の可能性を口にする事態のもと、増税の影響や是非を議論し、しかるべき対応を政府にただすのは国会の重大かつ緊急な責務であるとして、ほかにも共通事業所の実質賃金、「下関北九州道路」をめぐる数々の疑惑、行き詰まっている日ロ領土交渉問題、日米共同声明の日本語訳に「TAG」という原文にない用語を捏造した問題、日米FTA交渉問題などなど、重要課題が山積していると報じています。
 それらを追及されたくないからとひたすら逃げ回るのは、卑怯というしかありません。
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予算委 開かれず 衆院3カ月、参院2カ月
東京新聞 2019年6月2日
 衆参両院の予算委員会が開かれない状況が続いている。衆院では最後に開催されてから約三カ月、参院では約二カ月が経過した。野党は閣僚らの失言や日米貿易交渉を巡り安倍晋三首相との論戦を求めている。与党は夏の参院選を前に野党に見せ場を与えることを嫌い、開催に応じていない。(木谷孝洋)
 
 立憲民主党の枝野幸男代表は五月三十一日の記者会見で、予算委での審議に消極的な与党について「議論をすれば選挙に不利になると思っているのは明々白々だ」と批判した。与党が党首討論の開催を調整する六月十九日には、予算委で首相出席の集中審議をすべきだと主張した。
 予算委が最後に開かれたのは衆院が三月一日、参院が三月二十七日。その後、閣僚らの失言による辞任や更迭が相次ぎ、十月に予定する消費税増税の延期論も浮上した。日米貿易交渉や北朝鮮問題を巡っても、トランプ米大統領や首相の新たな発言が続いた。いずれも国会論戦のテーマになり得る重要課題だ。
 
 これに対し、与党は「各委員会が一般質疑の時間を設けているので、そこで議論すればいい」(自民党の森山裕国対委員長)と拒否する構え。数時間の予算委審議に応じれば、野党に首相を追及する機会を提供することになるからだ。計四十五分間の党首討論なら論戦に応じている体裁を整えながら、しつこい質問をかわすことができる。
 
 過去にも、参院選の年は予算委の開催は少ない。予算案が成立して以降、衆参両院で予算委の集中審議が開かれたのは二〇一八年に八回、一七年は五回(閉会中審査含む)なのに対し、前回参院選があった一六年は一度も開かれなかった
 
 
国会の視点】 景気「悪化」判断 予算委開催から逃げるな
 しんぶん赤旗 2019年5月16日
 3月の景気動向指数に基づく内閣府の6年2カ月ぶりの景気「悪化」判断は、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の破綻を事実で示すものとなりました。「景気回復の暖かい風が全国津々浦々に届き始めている」との安倍晋三首相の主張が虚構にすぎないことを政府自身が認めたのです。
 消費税率の8%への引き上げ(2014年)以来の実質家計消費の低迷とともに、厚生労働省による毎月勤労統計での賃金偽装の発覚で「所得環境は着実に改善」したとの安倍首相の言い分が崩壊したのに加え、今回の景気悪化判断によって、10月の消費税増税の“根拠”は総崩れ。この非常事態のもとでの増税強行が、国民生活と日本経済を自滅に追い込むことは必至です。
 
 安倍首相の最側近でさえ増税への不安や増税延期の可能性を口にする事態のもと、増税の影響や是非を議論し、しかるべき対応を政府にただすのは国会の重大かつ緊急な責務です。ところが、国政の重要問題を審議する衆参両院の予算委員会の開催という野党の道理ある要求に、政府・与党はまったく応じていません。
 
重要課題が山積
 景気や消費税増税問題のほか、内政、外交の重要課題は山積しています。賃金偽装発覚後も政府が明らかにしない共通事業所の実質賃金、「森友」「加計」問題や「下関北九州道路」調査の国直轄化などをめぐる数々の疑惑、「2島先行返還」にかじを切って行き詰まる日ロ領土交渉問題、日米首脳会談の共同声明の日本語訳に「物品貿易協定」(TAG)なる原文にない用語をねつ造した日米自由貿易協定(FTA)交渉問題などなど、枚挙にいとまがありません。
 このような事態のもとで与党が首相出席の集中審議を拒否し続けるのは、追及を恐れる安倍首相が逃げ回っているからだとみられて当然です。
 
50日間開かれず
 安倍首相ら主要閣僚が出席する予算委が開かれたのは、今年度予算を採決した3月27日の参院予算委が最後です。以来約50日間、衆参両院の予算委が一切開かれないのは、異常事態だといわなければなりません。
 
 与党はもちろん、政権全体を指導する安倍首相本人が、自身の出席と十分な審議の場を国会に保障する責務があります。審議から逃げようとしても、国民の厳しい目から逃げ回ることはできません。(国会取材団)