2019年6月26日水曜日

米大統領が安保破棄に言及 共産党志位氏は「本当なら結構」と

 米紙ブルームバーグによれば、トランプ米大統領最近、日本との安全保障条約を破棄する可能性についての考えを側近に漏らしていたということです。事情に詳しい関係者3人が明らかにしまし
 トランプ氏は同条約について、日本が攻撃されれば米国が援助することを約束しているが、米国が攻撃された場合に日本の自衛隊が支援することは義務付けられていないことから、あまりにも一方的だと感じていると述べました。
 同時に沖縄における基地の移転についても「土地の収奪だと考えており、米軍移転について金銭的補償を求める考えも示したということです。
 
 ただ米政権当局者は、それらはトランプ氏の個人的な会話であるとして、実際にそうした措置を取ることはあり得ないとしています。
 
 米国は、かつて日本を対「ソ連」戦略上の「不沈空母」と位置づけて、日本占領時の体制を基本的に維持する日米地位協定を含む旧安保条約を結びました。
 それは戦争を放棄した日本国憲法と矛盾する事態であり、以後日本は事実上の「対米従属」を余儀なくされました。
 日本は現在、米軍駐留費のうち年額7000億円近くという、世界的に突出した額を負担していますが、有事の際に米軍が無条件で日本防衛に立ち上がる訳ではなく、その都度米議会の議決を要します。駐留米軍人たちのことは必死に守るでしょうが・・・
 
 いずれにしても日米安全保障条約を破棄して米軍が引き上げることで初めて日本の真の独立が達成されます。1960年の安保改定反対の国民的大闘争はそれを目指した人たちの闘いでした。
 
 共産党の志位委員長は25日の記者会見で、ブルームバーグ紙の報道について「本当にやめるなら結構だ。安保条約を廃止するという立場だから、痛痒に感じない」と述べるとともに、「そういうふうに言って、(日本から)いろいろ取ろうということではないか」と見方を示しました
 
 日本は米軍の撤退を歓迎こそすれ、これ以上の収奪に応じるべきではありません。
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志位氏「本当なら結構」 米大統領の安保破棄発言
共同通信 2019年6月25日 22時23分 
 共産党の志位和夫委員長は25日の記者会見で、トランプ米大統領が日米安全保障条約の破棄に言及したとの米ブルームバーグ通信の報道について「本当にやめるなら結構だ。安保条約を廃止するという立場だから、痛痒に感じない」と述べた。
 
 同時に「トランプ流の発言ではないか。そういうふうに言って、(日本から)いろいろ取ろうということではないか」と指摘。高い要求を突き付けて譲歩を引き出すトランプ氏独特の手法だとの見方を示した
 
 
トランプ大統領、日米安保破棄の考え側近に漏らしていた 関係者
Jennifer Jacobs ブルームバーグ 2019年6月25日 16:23
トランプ米大統領が最近、日本との安全保障条約を破棄する可能性についての考えを側近に漏らしていたことが分かった。事情に詳しい関係者3人が明らかにした。トランプ大統領は日米安保条約が米国にとって不公平だと考えている。
 関係者によれば、トランプ氏は同条約について、日本が攻撃されれば米国が援助することを約束しているが、米国が攻撃された場合に日本の自衛隊が支援することは義務付けられていないことから、あまりにも一方的だと感じている。旧条約から数えて60年余り前に調印された安保条約は、第二次世界大戦後の日米同盟の基盤となっている。
 
 大統領は条約破棄に向けて実際に措置を取ったわけではなく、政権当局者らもそのような動きは極めてありそうもないことだと話している。トランプ氏の個人的な会話の内容だとして関係者らはいずれも匿名を条件に語った。
 
 万が一条約破棄となればアジア太平洋地域の安全保障に役立ってきた日米同盟を危うくする。日本が中国および北朝鮮からの脅威に対して防衛するため別の方法を見つける必要が生じ、新たな核軍備競争につながるリスクもある。
 
 菅義偉官房長官は25日午後の会見で、「報道にあるような日米安保見直しといった話は全くない。米大統領府からも米政府の立場と相いれないものであるとの確認を得ている」と語った。その上で、「日米同盟はわが国の外交安全保障の基軸」であり、「日米安保体制は同盟関係の中核を成すものだ」と指摘した。
 
 関係者によれば、トランプ大統領は沖縄の米軍基地を移転させる日本の取り組みについて、土地の収奪だと考えており、米軍移転について金銭的補償を求める考えにも言及したという。また、トランプ氏が日米条約に注目したことは、世界の他の国々との条約においても米国の義務を見直そうという広範な検討の端緒である可能性もあると関係者2人が述べている。
 
 ホワイトハウスの報道担当者は24日夜、コメントを控えた。
 大統領はかつて個人的な会話で、日米条約の下での米国の義務を認識していると述べたことがあるが、同時に、他の条約についての立場と同様、より互恵的な関係を望んでいる。
 大統領が米議会の承認なしにいったん批准された条約を破棄できるかどうか、米国の法律では決着していない。
 
 トランプ大統領は5月の訪日時に、横須賀基地で米海軍の強襲揚陸艦「ワスプ」に乗船、乗組員らを前に、「米日の同盟はかつてないほど強固だ」と述べた。同基地について「米海軍の艦隊と同盟国の艦隊が共に司令部を置く世界で唯一の港だ。鉄壁の日米協力関係の証(あか)しだ」と語っていた。