2019年6月12日水曜日

「安倍外交」実績ゼロでも、参院選公約で猛烈アピール

 トランプ米大統領から「シンゾーしかいない」とイランとの“仲介役”を頼まれたからということで、安倍首相はイランに向かいました。参院選を控えて、イラン訪問と今月末のG20を最大限利用して“外交の安倍”を訴えるつもりのようです。
 
 自民党が7日に発表した「政策パンフレット」「外交」には、<日米同盟をより一層強固><北朝鮮の核・ミサイルの完全な放棄を迫る><ロシアとは領土問題を解決>などいつもの決まり文句が並んでいるということですが、さすがに実績何も書かれていません。
 実績を書きようもないのに良く「外交の安倍」「力強い外交」などと言えるものですが、外交成果は国民にとって分かりにくいので、“やってる感”を演出するには最適ということです。それが「外交の安倍」の真相なのでしょう。
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自民の参院選公約は「安倍外交」実績ゼロでも猛烈アピール
日刊ゲンダイ 2019/06/11 14:50
 12日から14日までイランを訪問する安倍首相。トランプ米大統領から、「シンゾーしかいない」とイランとの“仲介役”を頼まれたという。参院選を控える安倍首相は、イラン訪問と今月末のG20を最大限利用して“外交の安倍”を訴えるつもりらしい。実際、自民党の参院選の公約のメインは「安倍外交」だ。
 
 自民党が7日に発表した「政策パンフレット」。6項目のトップに掲げられた「外交」には、<日米同盟をより一層強固><北朝鮮の核・ミサイルの完全な放棄を迫る><ロシアとは領土問題を解決>――といつもの決まり文句が並んでいる。しかし、実績が何も書かれていないスカスカの中身のため、党内からも「これで選挙を戦えるのか」と不安視する声が出ているという。
 実際、公約で<力強い外交・防衛で、国益を守る>と高らかにうたっているものの、「安倍外交」は日米貿易交渉も、北方領土問題も、拉致問題も、ひとつも解決していない。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏がこう言う。
「外交は安倍政権にとって、支持率回復のための『伝家の宝刀』。肝心の成果が出ているかというと、出ていません。でも成果があろうがなかろうが、『これを達成します』と言い続け、『長期政権だからこんな外交ができる』とアピールせざるを得ない。外交成果は国民にとって分かりにくい部分があるので、“やってる感”を演出しやすいのです」
 
 安倍首相は、10日の参院決算委で「全ての世論調査で、景気回復の実感がないという方が多数いらっしゃるのは事実」と白状した。
 もはや、アベノミクスの成果を前面に出せないため、外交を公約のメインにせざるを得ない事情もあるらしい。
 いま、安倍政権は年金制度崩壊が露呈したことの火消しに躍起だ。国民は「外交の安倍」というハリボテの看板に惑わされてはいけない。