2019年6月1日土曜日

森友・国有地売却価格非公表は「違法」 豊中市議が勝訴

 森友学園問題については、いまも国民の大半が安倍首相夫妻の関与を疑ったままです。
 大阪府豊中市の木村真市議は、「安倍晋三記念小学校」への国有地払い下げの経緯に疑惑を持ち16年9月売買契約書情報開示請求したところ、財務省近畿財務局は売却額と値引きの根拠を黒塗りにしたものを公開しました。
 それで一層疑惑を深めた同市議はマスコミ各社に情報提供しましたが一向に報道してくれませんでした。社内の政治部支配されるマスコミが、安倍首相の意向を忖度したとしか考えられませんでした。
 それで提訴すれば取り上げざるを得ないだろうと考えて、木村市議は17年2月8日に大阪地裁に提訴し同日記者会見を行いました。
 翌日紙面に取り上げたのは朝日新聞一社だけだったようですが、とにかくこの問題が世の中に知られるようになった発端となりました。
 
 国会議員でいち早くこの問題を取り上げたのは福島瑞穂参院議員でした。そのとき安倍首相が激高して「もしも私や妻が森友学園問題に関与していたのであれば国会議員を辞める」と大見えを切ったのはご存知のとおりです。
 
 木村議員はその後も追加の提訴を行っています。
 大阪地裁は5月30日、国が土地の売却額などを開示しなかったのは違法だとして、同議員が損害賠償を求めた訴訟について「公表されるべき情報で、漫然と不開示の判断をしたのは違法だ」として慰謝料など3万3000円の支払いを命じました。しかしごみが埋まっていたとする記述は利益を害する恐れがある情報だとして、不開示は違法とは言えないと判断しまし
 
 それに対して、「情報公開クリアリングハウス」の三木由希子理事長は、
国有地売却額の非開示決定を違法としたのは妥当だが、地中ごみなどを記した条項は非開示情報としており、ねじれた判決だ。八億円余りも値引かれたのに、根拠となった情報が公開されなければ「なぜその売却額になるのか」と国民の不信感は増幅する。国側は積極的に公表する必要があり、例外は極めて限定的であるべきだ」(東京新聞)と批判しました。
 毎日新聞の2本の記事を紹介します。
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森友・国有地の売却価格、非公表は「違法」 豊中市議が国に勝訴 大阪地裁
毎日新聞 2019年5月30日 22時26分
 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡り、国が当初、売却額などを開示しなかったのは違法だとして、大阪府豊中市議が国に損害賠償を求めた訴訟の判決で、大阪地裁は30日、慰謝料など3万3000円の支払いを命じた。松永栄治裁判長は「公表されるべき情報で、漫然と不開示の判断をしたのは違法だ」と指摘した。 
 
 森友学園を巡る問題が表面化するきっかけになった訴訟。学園が計画していた小学校名などが不開示になったことについても、大阪地裁が今年3月に国へ賠償を命じた判決が確定しており、国有地売却に関する情報を公開しなかった国の姿勢が相次いで違法と判断された。 
 ただ、国が約8億円を値引きして売却した根拠である地下のごみの記述を不開示にした点については、適法と判断され、市議側は控訴する方針。 
 
 国有地がある豊中市の木村真市議は2016年9月、売買契約書を情報開示請求したが、財務省近畿財務局は売却額と値引きの根拠を黒塗りにして公開した。17年2月に開示を求めて提訴すると、国は一転して公表。木村市議は「精神的苦痛を受けた」と訴えを変更し、11万円の賠償を求めていた。 
 判決は、13~16年度に随意契約の国有地売却が104件あったが、価格が非公表だったのは今回だけだと指摘。国側は「安く売却したことを公表すると学園の利益を害する懸念があった」などと主張していたが、「論理があいまいで十分な根拠はない」と退けた。
 
 一方、ごみが埋まっていたとする記述は利益を害する恐れがある情報だとして、不開示は違法とは言えないと判断した。 
 財務省は「判決内容を精査し、関係省庁と協議して対応する」としている。【高嶋将之、松本紫帆】 
 
 
勝訴の豊中市議「国への忖度判決」と批判 森友・8億円値引きの根拠不開示は適法
毎日新聞 2019年5月30日 22時28分
 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却を巡り、売却額を公開しなかった国の対応を違法とした30日の大阪地裁判決。だが、8億円という大幅な値引きの根拠を不開示にしたことは適法と判断された。国会や首相官邸を揺るがす問題を明らかにした、この訴訟の提起から2年3カ月。国に賠償を命じる判決にも原告らに笑顔はなく、「国への忖度(そんたく)判決だ」と批判した。 
「勝訴」「不当判決」。午後3時の判決直後、原告の木村真・大阪府豊中市議らは、地裁の正門前で両方の幕を掲げた。集まった数十人の支援者からは、拍手とため息が入り交じった。 
 判決は値引きの根拠となった地下のごみの記述について「(開示する判断も)十分にあり得る」と言及。しかし、開校予定だった小学校の評判が低下する可能性を認め、不開示は違法ではないと結論づけた。 
 
 記者会見した木村市議は「(賠償を命じる)主文を聞いてガッツポーズしたが、主張はあまり認められなかった」と硬い表情。「すっきりしない判決で、複雑だ」と心境を明かした。 
 訴訟で市議側は、大幅値引きの根拠とされた膨大な量のごみは存在せず、「国は不当な値引きを隠すために開示しなかったのではないか」と主張。これに対し、判決は正確なごみの量や見つかった深さに関する判断を避けたまま、「相当量のごみが存在した」と指摘するだけだった。 
 木村市議は「肝心な部分を判断してくれなかった。納得できない。受け入れられない判決だ」と憤った。
 
 今回の訴訟では、国有地の売却交渉に関わっていた財務省職員の証人尋問が検討されたが、体調不良を理由に実現しなかった。市議側の大川一夫弁護士は、「学園と交渉した担当者が出廷しなかった影響はあった」と不満をあらわにした。 
 
 この訴訟が契機となった一連の森友問題では、学園側と親交のあった安倍晋三首相の妻昭恵氏らの影響が取りざたされ、財務省による決裁文書の改ざんにも波及した。木村市議は「裁判に踏み切ってよかったが、問題が明らかになっても誰も責任を取っていない」と強調。「これからも森友問題への追及を続ける」と述べ、幕引きさせない姿勢を示した。 
 
 国有地売却を巡っては、学園が開校を目指していた小学校名などを開示しなかった国の対応を違法とした大阪地裁判決(今年3月)が確定。この訴訟の原告だった上脇博之・神戸学院大教授は今回の判決について、「売却額と値引きの根拠は不可分だ。片方の不開示だけを違法とするのは整合性が取れていない」と批判した。【松本紫帆、高嶋将之】