2015年8月28日金曜日

法律の専門家たちも記者会見、集会そしてデモ 26日

 安全保障関連法案に反対する学者の会と日本弁護士連合会は26午後、霞が関の弁護士会館で共同記者会見を開き、安倍政権が推し進める安保法案の廃案を訴えました。会場には、全国から学者と弁護士あわせて300人以上が集まりました
 
 記者会見では、村越進日弁連会長、小林節、上野千鶴子、山口二郎の各大学教授、更には宮崎礼壹大森政輔の元内閣法制局長官、濱田邦夫那須弘平の元最高裁判事らが発言しました。
 
 同日夜には、日本弁護士連合会日比谷で安保法案反対の集会を開き、法曹関係者や市民ら4千人以上が参加しました
 
 集会後「安保法案は違憲」「戦争する国、絶対反対」と声を上げ国会に向けてデモ行進しました。
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「憲法の危機だけでなく、知性の危機」
安保法案反対の学者・弁護士300人が会見
弁護士ドットコムNEWS 2015年8月26日
学者と弁護士300人以上が安保法案への反対を訴えた
安全保障関連法案に反対する学者の会と日本弁護士連合会は8月26日、東京・霞が関の弁護士会館で共同記者会見を開いた。会場には、全国から学者と弁護士あわせて300人以上が集まり、安倍政権が推し進める安保法案の廃案を訴えた。
 
日弁連の村越進会長は冒頭のあいさつで、「日弁連は強制加入団体だが、立憲主義の破壊だけは認めることができない。そんなことがまかり通れば、憲法が憲法でなくなる。国家権力に対する歯止めがなくなる。その一点で、安保法案に反対している。人権擁護を使命とする法律家の団体として、憲法論に立った行動だ」と口火を切った。
 
小林節・慶応義塾大学名誉教授は「この法案の違憲性は完全に立証されている。平和、平和といいながら専守防衛をおろそかにし、戦争費用で国に破産をもたらす。このような法案を、聞く耳をもたずにゴリ押しする安倍政権の存続を許すか、許さないかに本質は向かっている」と強調した。
 
上野千鶴子・東京大学名誉教授は「最初に憲法学者が違憲という声をあげて、『立憲主義』が国民の間に定着した。ついで、学者・大学人が立ち上がった。単なる法の危機、憲法の危機ではなく、知性の危機、大学の危機を切実に感じ取った」と述べた。
 
●「数の上で劣勢でも、廃案の可能性はある」
記者会見の質疑応答では、朝日新聞の記者から「一般国民にどのように声を届けていくのか。どうすれば国会の政治家が動くのか」とアイデアを求める質問があった。会場の学者や弁護士たちからは「あんたたちの役目だ」「情けない」などの声が相次いであがった。
 
山口二郎・法政大学教授は「具体的な方法はない。われわれができることは、声をあげて、世論を作ること。それをちゃんと新聞で報道してもらうこと。野党の行動に道義があるんだとみんなに思ってもらうこと。それができれば、数の上で劣勢があっても、まだまだ廃案の可能性もある」と答えた。
 
会見の終わりには、学者と弁護士が「違憲」「廃案」と書かれたプラカードを掲げて、改めて安保法案への反対をアピールしていた。
 
 
元最高裁判事ら安保法案批判 日比谷で日弁連が集会・デモ
東京新聞 2015年8月27日 
 安全保障関連法案の廃案を訴え、日本弁護士連合会は二十六日夜、東京・日比谷で集会を開いた。法曹関係者や市民ら四千人以上(主催者発表)が参加。「安保法案は違憲」「戦争する国、絶対反対」と声を上げ国会へデモ行進した。
 
 日弁連の村越進会長は集会で「法案成立を許してはいけないという声は大きく盛り上がっている」とアピール。宮崎礼壹(れいいち)・元内閣法制局長官は「(政権は)安全保障環境の変化があったというが、一切論証されていない。(存立危機事態などの)要件も歯止めの名に値しない」と批判した。
 
 これに先立ち法曹関係者と学者らは東京・霞が関の弁護士会館で会見。元最高裁判事の濱田邦夫さんは「法案は違憲であるだけでなく、国民の声を無視しているという点で非常に問題がある」と主張。同じく元最高裁判事の那須弘平さんは「憲法前文の平和主義の理念が破棄されようとしている今、国民は自身の良心に問う必要がある」とメッセージを寄せた。 (土門哲雄、中山高志)
 
 
安保法案:弁護士ら反対集会 元最高裁判事も批判 東京
毎日新聞 2015年08月26日
 参院審議中の安全保障関連法案に反対する弁護士や大学教授、市民計約4000人(主催者発表)が26日、東京・日比谷で集会を開き、周辺をパレードして廃案を訴えた。集会に先立つ記者会見には主催者の日本弁護士連合会の歴代会長や憲法学者らとともに、元最高裁判事や元内閣法制局長官も出席して法案の問題点を指摘した。
 
 元最高裁判事の浜田邦夫氏(79)は「法案は違憲というだけでなく、国民の声を無視しているという意味でも非常に問題がある」と批判した。9歳の時に終戦を迎えた自身の戦争体験にも触れ「ぜひ、時の政権に考え直してもらいたい」と述べた。
 
 元内閣法制局長官の大森政輔氏(78)と宮崎礼壹(れいいち)氏(70)も同席した。大森氏は「廃案」と書かれたプラカードを胸に掲げ、「心の中からこのように考えている」と力を込めた。宮崎氏も「ちょっぴりであろうとたっぷりであろうと、憲法9条の下では集団的自衛権の行使ができないというのは一貫した政府の確定解釈だった」と強調した。【和田武士】