2015年8月6日木曜日

安倍首相が9月訪中を「白紙」に 中国脅威論エスカレートへ

 安倍首相は、9月上旬に予定していた中国訪問白紙に戻したということです。
 首相は訪中を前にしながら中国が仮想敵国であることを国会で公言するなど、不可解な言動を見せていましたが、もうその時点から訪中の取り止めを考えていたのかもしれません。日刊ゲンダイはどこまでも身勝手な男であるという言い方をしています
 同紙は、今後中国脅威論をますますエスカレートさせるだろうとも述べています。
 
 隣国との友好を図るどころか、ひたすら敵視する態度は一体何なのでしょうか。
 
 「もちろん、普通の人間は戦争を望まない。しかし、国民を戦争に参加させるのは、つねに簡単なことだ。とても単純だ。
 国民には攻撃されつつあると言い、平和主義者を愛国心に欠けていると非難し、国を危険にさらしていると主張する以外には、何もする必要がない。
 この方法はどんな国でも有効だ
 
 これはナチスで広報を担当したヘルマン・ゲーリングの有名な言葉です。
 
 安倍首相の態度は、安保法案を通すためには隣国の脅威はいくらでも強調する、隣国との友好が壊れることなどは何んでもないというものです。
 それだけではなくて愛国心から立ち上がった自発的な学生組織「シールズ」を目の敵にして、いわゆる「ネット右翼」を使ってきわめて陰湿な攻撃を繰り返しています。
 ゲーリングの言葉を忠実に守ろうというのでしょうか。
 
 正にかつて見たこともない異常・異様な政権です。
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安倍首相が9月訪中を「白紙」に…中国脅威論エスカレートへ 
日刊ゲンダイ 2015年8月5日 
 どこまでも身勝手な男である。9月上旬の中国訪問に意欲マンマンだった安倍首相が、その方針を白紙に戻したもようだ。
 
 日中関係の改善以上に、目先の安保関連法案の成立を最優先。そのためには「中国脅威論」をとことん煽るハラらしい。戦後70年の節目に、外交より内政偏重の姿勢では、ますます国際社会から孤立しかねない。
 
 先月11日に「9月訪中を検討」と一斉に報じられて以降、安倍首相は習近平国家主席との会談を視野に入れ、並々ならぬ意欲を示していたという。
 
 「もともと中国側が9月3日に北京で開く『抗日戦争勝利70年記念式典』に安倍首相を招待し、出席を切望していたのです。周囲は“その時期に出向けば、中国のプロパガンダに利用される”と危ぶみましたが、首相は『70年談話の真意を習主席に誤解されないように伝えたい』と積極的な姿勢でした」(官邸事情通)
 
 安倍首相の固い意志を受け、首相周辺が参考にしたのが「メルケル方式」。5月にモスクワで開かれた対独戦勝70年記念式典にメルケル独首相は出席しなかったが、翌日にロシアを訪問し、プーチン大統領と会談した。安倍首相も式典を外した2日や4日を軸に訪中日程を調整していたとされる。
 
 「7月16日から地ならしのため、国家安全保障会議の谷内正太郎局長が訪中。3日間の滞在中には共産党ナンバー2の李克強首相まで“格下”の谷内氏との会談に応じる厚遇ぶり。外交上の格式を重んじる中国では異例の歓迎ムードでした」(中国駐在の外交筋)
 
 安倍首相を中国に迎え、戦勝国の立場を世界にアピールしたい習近平。日中関係の改善を前進させ、安保法制で失った支持率を浮上させたい安倍首相。両者の思惑が合致したかにみえたが、雲行きを大きく変えたのは、中国の楊国務委員が谷内氏に突き付けた訪中3条件だ。
 
 「『村山談話の精神の踏襲』や『首相が靖国神社を参拝しない』などの要求に、首相の取り巻きたちは『中国に媚びてまで行く必要はない』と猛反発。安保法案の審議が大詰めを迎えるタイミングとも重なり、首相の意欲も萎えてしまったようです」(外務省関係者)
 
 訪中が立ち消えとなれば、安倍首相は安保審議で遠慮なく、東シナ海のガス田開発や尖閣問題など中国脅威論を煽るのだろう。70年談話の内容も、対中強硬路線に傾きかねない。せっかく改善の兆しが見えていた日中関係は、ますます悪化するばかりだ。