「安全保障関連法案に反対する九州大学有志の声明」は8月11日に出されましたが、14日正午までで228名の賛同署名が集まりました。
有志は賛同署名を添えて内閣府へ送付したということです。
11日に発表した声明文は以下のとおりです。
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安全保障関連法案に反対する九州大学有志の声明
戦後70年の節目の年、私たち大学人は、改めて民主主義の重要性を確認するとともに、侵略戦争と植民地支配の歴史を顧みて、世界、とりわけアジアにおいて、人権や平和外交が尊重される社会を築く責任を強く自覚しています。その根底に、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を掲げる日本国憲法と日本国民の歩みがあることは論を待ちません。
しかし、2015年夏の日本の政治は、わが国の骨格をなす民主主義、人権尊重、平和主義に対して、戦後最大の「変更」を迫ろうとしています。その最たるものが、安倍内閣が閣議決定し、今国会に提出した「国際平和支援法」「平和安全法制整備法」からなる、安全保障関連法案です。
安保関連法案は、従来の政府解釈において、日本国憲法第9条に照らして違憲とされてきた、集団的自衛権の行使を認め、自衛隊による海外での武力行使に道を開きます。「後方支援」の名で核兵器の運搬さえ法的には排除されない兵站活動を行い、戦闘現場で殺し殺される可能性も生じます。
戦争を火事にたとえるなど、安倍首相による説明は説得力を欠いており、法案に対する不信や反対の声は、世代を超えて広がりつつあります。憲法学者の9割、歴代の内閣法制局長官や弁護士団体の多くが違憲との見解を表明しており、それらに耳を傾けず、数の力で採択することは立憲主義と民主主義に対する暴挙です。
顧みれば、九州大学は、多大な犠牲を強いた太平洋戦争下に、多くの学生を戦地に送り出しただけでなく、研究活動の一環として人道に反する違法行為がなされるなど、幾多の痛苦の歴史を有しています。九州大学のみならず、戦時下に戦争遂行に加担した大学や研究機関は、戦後、それに対する反省を踏まえて再出発しました。
ここ福岡の地はアジアに近く、九州大学には、中国・韓国をふくむアジア諸国からの多数の留学生が学んでいます。これらの国々と文化や歴史を相互に尊重しあうことが、将来の社会において求められています。
私たち九州大学関係者の有志一同は、安全保障関連法案に強く反対する意思を表明します。
2015年8月11日
(呼びかけ人・賛同人の名簿は省略します)