被爆者７団体の代表者らは６日午前に行われた平和記念式典後に安倍首相と面会し、集団的自衛権の行使を可能にする「安保法案」に対し、「憲法違反であることは明白」として法案の撤回を求めました。
式典後に行われるのが恒例になっている「被爆者代表から要望を聞く会」で、代表は集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案の撤回を求める共同要望書を提出しました。
そこで「憲法は広島、長崎をはじめとする悲惨な戦争体験からつくられ『戦争をしない国』を宣言した」とし、政府が「安保法案」を「憲法や従来の政府見解の範囲内」と説明していることについて「詭弁だ」と批判しています。
７団体は昨年も、集団的自衛権の行使を容認した閣議決定の撤回を要求しています。
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被爆者７団体、安保法案「撤回を」 首相に要望書
東京新聞 2015年8月6日
広島市の被爆者七団体の代表らは六日午前の平和記念式典後、安倍晋三首相と面会し、集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案の撤回を求める共同要望書を提出した。要望書は安保法案を「違憲立法だ」と批判した。首相は「国民の命と平和な暮らしを守り抜くために必要不可欠だ」と法案に理解を求めた。
面談では、広島被爆者団体連絡会議の吉岡幸雄・代表事務局長が、安保法案をめぐり「武力行使を禁止した憲法に違反している。丁寧に国民に説明すると言いながら、『法的安定性は関係ない』などと主権者、国民を無視した言動が続いている」と指摘。「原爆死没者が安らかに眠れるよう、あらためて法案の撤回を求める」と述べた。
これに対し、首相は「七十年前、われわれは二度と戦争の惨劇を繰り返してはならないという不戦の誓いを立てた。平和国家としての歩みは今後も決して変わることはない」と強調。法案について「不戦の誓いを守り抜き、戦争を未然に防ぐためだ」と説明した。