2015年8月22日土曜日

東アジア共同体「沖縄に本部を」 平和の父ガルトゥング氏

 「平和学の父 ヨハン・ガルトゥング氏が提唱した積極的平和」は平和を戦争のない状態と捉える「消極的平和」に対するもので、貧困、抑圧、差別などの構造的暴力ない「平和」を述べたものです。
 安倍首相がそれに勝手に「主義」をつけて「積極的平和主義」と呼んでいるものは、ガルトゥング氏のいう「積極的平和」とは、全く似ても似つかないものです。
 首相にそうした「盗用」・「誤用」への躊躇が見られないのは、参戦を目指して制定しようとしている安全保障法案を、平和法案と呼ぶ厚かましさと同根のものです。
 
 いま来日しているヨハン・ガルトゥング氏は、安倍首相「積極的平和主義」は本来の「積極的平和」からは「あまりにも懸け離れている」として、「軍拡ではなくて、近隣諸国と協力関係を持ち、調和をつくり上げるべきだ」と強調しました。
 そして東アジアの平和構築に向け、EUのような共同体の創設を提唱し、「東アジア共同体の本部機関を沖縄に置くべきだ」と述べまし
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東アジア共同体:「沖縄に本部を」 ガルトゥング氏が提唱
毎日新聞 2015年08月21日
 【東京】「平和学の父」として世界的に知られるヨハン・ガルトゥング氏が20日までに沖縄県民へのメッセージを寄せた。東アジアの平和構築に向け、EUのような共同体の創設を提唱し、「東アジア共同体の本部機関を沖縄に置くべきだ」と述べた。ガルトゥング氏は沖縄などで講演するため来日し、19日に都内で講演した。安倍政権が進める安保法制が沖縄に与える影響について「日米が多くの基地を押し付けることにより、戦時に沖縄を犠牲にする。沖縄の人々は危険にさらされている」と指摘した。
 
 東アジア共同体の枠組みとして日本、中国、台湾、韓国、北朝鮮などを挙げ「本部は東京や北京でない方がいい。特別の使命を与えられた場所として沖縄に本部を置きたい」と述べた。
 安保法制について「米軍と世界のどこでもスクラムを組んで戦うことになり、さらに不安になる」と述べ、「日本が集団的自衛権を行使すれば、日本が攻撃対象になる」と警鐘を鳴らした。
 
 ガルトゥング氏は従来の平和の概念を進めて、貧困や抑圧、差別などの「構造的暴力」がない状態を「積極的平和」と名付け提唱する。安倍晋三首相が「積極的平和主義」を唱えることには「あまりにも懸け離れている軍拡ではなく、近隣諸国と協力関係を持ち、調和をつくり上げるべきだ」と強調した。
 日本の平和運動に対し「憲法9条を安眠枕としてきた」と課題を挙げ、「安保反対と言うだけで問題は解決しない。私なら安保に触れず米軍基地を少しずつ減らす、あるいは平和政策を打ち出すだろう」と述べた。 (琉球新報)
 
 
“平和学の父” 「本当の積極的平和政策を」
NHK NEWS WEB 2015年8月19日
「積極的平和」を提唱するノルウェーの平和学者が東京で開かれたイベントに出席し「日本は周辺国と協力関係を高めることで、本当の積極的平和政策を打ち出すべきだ」と述べました。
ノルウェーのヨハン・ガルトゥングさんは「平和学の父」と呼ばれ、「積極的平和」を提唱したことで知られています。
ガルトゥングさんは東京で開かれたイベントでジャーナリストの田原総一朗さんと対談を行い、「積極的平和主義に軍事同盟は必要としない。集団的自衛権が行使されれば、日本の安全は不安定になるだろう」と指摘しました。さらにガルトゥングさんは「今後、戦争に参加することになれば、IS=イスラミックステートと対じすることになる。日本は周辺国と協力関係を高め、本当の積極的平和政策を打ち出すことが大切だ」などと述べました。
参加した会社員の男性は、「本当の『積極的平和主義』がよく理解できた。話を聞いて安全保障関連法案についても議論を尽くす必要があると思った」と話しました。