2015年8月12日水曜日

中高年グループ「オールズ」も参戦 反対デモ拡大に自民焦る

 学生団体「SEALDs(シールズ)」に刺激される形で、中高齢者の「OLDs(オールズ)」が結成され、70代の高齢者も安保法案反対の「デモ」に参加しはじめました
 
 60~70代で構成され、7月から毎週土曜日、老人の銀座といわれる巣鴨に集結しています。音楽やシュプレヒコールを中心にデモを行うシールズとは雰囲気が違っていて、一人一人がマイクを握り、淡々と安保法案や安倍首相への批判を展開しています。この8日にはネットでの呼びかけに応じて、100人を超える人たちが集まりました。
 
 高校生、大学生、高齢者……と、広がりつづける「抗議活動」に、自民党は本気で焦りはじめているということです
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中高年グループも結成&参戦「安保反対デモ」拡大に自民焦り
日刊ゲンダイ 2015年8月10日
 安保法案に「抗議」する動きが、どんどん拡大している。学生団体「SEALDs(シールズ)」に刺激される形で、70代の高齢者も「デモ」に参加しはじめた。高校生、大学生、高齢者……と、広がりつづける「抗議活動」に、自民党は本気で焦りはじめている。
 
 8日、東京・巣鴨で安保法案に「ノー」を突き付けたのは「OLDs(オールズ)」のメンバー。60~70代で構成され、7月から毎週土曜日、巣鴨に集結している。シールズに刺激を受け、行動を始めた。
 
 東京外語大名誉教授の高橋正明氏(70)はこう言う。
「正直、安倍政権に対しては“ふて寝”状態でした。でも、若い人にケツを蹴られて、目が覚めたような格好です。自分たちも動かないとダメだと。ネットで呼びかける形で、集まってもらっています」
 
 この日の参加者は100人超。「これまで、集まったのはせいぜい10人くらい。今日はたくさんの人が来てくれた」(別のメンバー)という。
 音楽やシュプレヒコールを中心にデモを行うシールズとは、現場の雰囲気は全く違う。一人一人がマイクを握り、淡々と安保法案や安倍首相への批判を展開。巣鴨は創価学会とのつながりが深いこともあり、「創価学会は今の公明党を見て、何も感じないのか」と訴える場面もあった。
 
 こうしたオールズの姿に触発され、30~60代で結成されたのが「MIDDLEs(ミドルズ)」だ。8日の行動にも加わった。現役バリバリの社会人が中心で、弁護士や報道関係者らも参加する。デモなどの際の実務的な“サポート”もしていくという。自民党関係者がこう言う。
 
「ここまで反対運動が広がるとは思わなかった。高校生、大学生、高齢者とあらゆる年齢層に反対運動が広がっている。しかも、東京だけでなく、全国規模になっている。まるで国民が覚醒したかのようです。どうすれば終息するのか正直、分からない」
 シールズを取材してきたジャーナリスト・横田一氏もこう話す。
「シールズのメンバーは、実名や顔がネット上にさらされて、激しい誹謗中傷を受けることもあります。それでも、彼、彼女らは堂々と行動している。そうした姿を見て、『自分たちも何かやらなければ』と感じる人が多いのだと思います。ネット上の動画を見て、シールズに参加する人は若者から年配の方まで、今もどんどん増えている状況です」
 
 夏休み最後の日曜日(8月30日)には、国会前で10万人、全国で100万人の「反安保デモ」が予定されている。このままいけば、20万、30万人が国会に押し寄せてもおかしくはない。
 
 演説を行う「OLDs」(上)、大学生も増える一方(下)/(C)日刊ゲンダイ
演説を行う「OLDs」(上)、大学生も増える一方(下)