2015年8月22日土曜日

統合幕僚監部文書は「重大な問題」 憲法学者63人

 自衛隊統合幕僚監部が、安保法案成立を前提に新たな部隊運用などの資料を作成した問題について共産党の小池議員が連日厳しく追求しています。
 その問題について、21日、憲法研究者63人が共同で軍事作戦の策定や運用に当たる組織が、合憲性に疑義のある安保関連法案の成立を予定して検討課題を示すことは、憲法上の重大な問題だ」とする緊急声明を発表しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「議会制民主主義を軽視」 自衛隊内部資料で憲法学者63人
東京新聞 2015年8月21日
 憲法研究者グループが二十一日、陸海空の自衛隊を一体運用する統合幕僚監部(統幕)が、法案成立を前提に新たな部隊運用などの資料を作成した問題について、防衛省・自衛隊の行為を議会制民主主義の軽視だとして、内閣をチェックする国会に厳正な対応を求める緊急声明を発表した。
 
 三輪隆・埼玉大名誉教授、小沢隆一・東京慈恵医大教授、只野雅人・一橋大教授、稲正樹・国際基督教大客員教授ら六十三人の憲法研究者が共同で声明を出した。三輪氏は記者会見で「資料は(自衛隊内部の)運用内容にまで言及していて、国会の立法権の重大な侵害だ。与党議員も怒らないといけない」と述べた。
 声明では、資料について「軍事作戦の策定や運用に当たる組織が、合憲性に疑義のある安保関連法案の成立を予定して検討課題を示すことは、憲法上の重大な問題だ」と指摘した。
 
 資料は、自衛隊の南シナ海での警戒監視活動への関与の検討などに言及している。声明は、資料が言及した具体事例について「国会審議は全く不十分だが、文書は法施行後ただちに実施することを予定している」と指摘。「議会制民主主義のプロセスよりも防衛実務の事情を優先した対応」と批判した。
 
 
統合幕僚監部文書に憲法学者「重大な問題」
NHK NEWS WEB 2015年8月21日
安全保障関連法案を巡って、防衛省の統合幕僚監部が法案の成立を前提に自衛隊の対応を記した文書を作成していたことについて、全国の憲法学者60人余りが「重大な問題だ」として国会に厳正な対応を求める声明を発表しました。
声明は21日、東京都内で憲法学者が記者会見して発表したもので、防衛省の統合幕僚監部がことし5月下旬に安全保障関連法案の成立を前提に自衛隊の対応を記した文書を作成していたことを強く批判しています。
この中では「合憲性に深刻な疑いのある法案について、成立を予定して検討課題を示すことは重大な問題である」と指摘したうえで、「議会制民主主義のプロセスよりも、防衛実務の事情を優先した対応と言わざるをえず『軍部独走』という批判をまぬがれない」などとしています。
声明にはこれまでに全国で合わせて63人の憲法学者が賛同していて、会見で埼玉大学の三輪隆名誉教授は「明らかになった文書は分析や研究のレベルを超えている。国会は今回の問題に厳正に対応して役割を果たしてもらいたい」と話しました。