2015年8月8日土曜日

中曽根元首相が「文春」への寄稿で「侵略戦争」明言

 7日発売の月刊誌「文芸春秋」中曽根康弘元首相が寄稿し、安倍首相の戦後70年談話をにらみ、「先の大戦をめぐる日本の行為紛れもない侵略」「特に中国民族の感情を著しく傷つけた」と明言し、「自己の歴史の否定的な部分を直視する勇気と謙虚さを持つべき」で「歴史認識国際的に通用するものでなければならない」、などと述べました。正論です。
 
 中曽根元首相は戦時中、主計官として戦地で慰安婦の調達にも関与したことが知られていますが、そうした実体験を踏まえての主張です。
 戦争を知らない安倍首相がそうした先輩の戒めを無視して、仮にも世間には通用しない「日本会議」史観を70年談話に盛り込んだりすれば物笑いの種となるでしょう。もともと安倍首相の70年談話は、誰も期待しなかった中で自らが強引に主張して実現の運びになったのですから、なおさらそうした配慮が必要です。
 
 いまや自民党の現役議員では、高村氏などのように、砂川判決が集団的自衛権の根拠だというような珍妙な理屈をこねて安倍氏にへつらう人は沢山いますが、きちんと正論でたしなめることができる人はいません。
 心すべき貴重な忠告です。
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中曽根康弘元首相、月刊誌への寄稿で「侵略」明言
日刊スポーツ 2015年8月6日
 中曽根康弘元首相が7日発売の月刊誌「文芸春秋」への寄稿で、先の大戦をめぐる日本の行為について「紛れもない侵略」と明言していることが6日、分かった。
 
 安倍晋三首相の戦後70年談話をにらみ自己の歴史の否定的な部分を直視する勇気と謙虚さを持つべきだ。そこからくみ取るべき教訓を心に刻み、国家を導くことが現代政治家の責務だ」と強調した。
 政権の歴史認識について「国際的に通用する判断で考えなければならない」と指摘。先の大戦を「無謀な戦争」と振り返った上で「特に中国民族の感情を著しく傷つけた」と言及した。
 中国や韓国との関係改善に関し「歴史問題の軋轢(あつれき)には慎重な態度で臨むべきで、過去に対する率直な反省とともに言動は厳に慎むべきだ。民族が負った傷は、三世代百年は消えない」と警鐘を鳴らした。同時に「互いの国の世代の代替わりで、人間関係が希薄になりつつある」として、多面的な交流が必要と訴えた。(共同)