2015年8月9日日曜日

各地で安保法案反対のシンポジウムが

 参院特別委で、他国軍後方支援の法案で、法文上、自衛隊によるミサイル、核弾頭、毒ガス兵器などの輸送ができることが明らかになりました。
 それを追及された安倍首相は「政策的に、あるいは国是としてそうしたものの運搬は行わないので問題はない」、私は総理大臣として『あり得ない』と言ってるんですから、間違いありませんよ、それは。総理大臣として、それは間違いないということを言ってるわけですから!?と答えていました。戦後一貫してきた戦争放棄・専守防衛の国是を、政策で簡単に変えようとしている張本人なのによく言うものです。もともと政策などというものは別のバカ殿が現れれば直ぐに変わるものです。
 
 特定秘密保護法のときにも「この法律は一般の国民には全く関係がない」と強調していましたが、そんなことは法文の何処にも書かれていません。法律は条文の示すところによって行われるという基本的な認識がない人に、閣法を提出する資格などありません。
 
 7日と8日、各地で安保法案に反対するシンポジウムが開かれました。
 東京弁護士会は、7日、「伝える 平和と憲法の意味」と題したシンポジウムを開き、基調講演とパネルディスカッションには、憲法学者の小林節慶大名誉教授、元NHKアナウンサーでフリージャーナリストの堀潤さん、元日弁連会長の平山正剛弁護士が登壇しそれぞれの思いを語りました
 
 8日、日弁連の主催で「今を戦前にしないために」シンポジウムが東京で開かれ山崎拓・元自民党副総裁は「自民党は大政翼賛会的になっている。党内の活発な議論がなく、政府案を唯々諾々と是認している」と苦言を呈しました。
 
 大阪弁護士会は8日、市民集会「日本はどこに向かうのか?~各界から上がる安保法案への反対の声~」を開催し水島朝穂早大教授ほかが登壇しノーベル物理学者の益川敏英京都大名誉教授らがビデオレターを寄せました。
 
 3つのニュースに先立って、沖縄の地方紙「八重山毎日新聞」の「不連続線」のコーナーに登場した記事を紹介します。
 安倍内閣の実態を語るもので、首相を取り巻く問題人物たちが首相の本音を代弁していると指摘しています。
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安倍首相の周辺は何と乱暴な物言いをする人 不連続線 
八重山毎日新聞 2015年08月08日
 安倍首相の周辺は何と乱暴な物言いをする人が多いことか。6月の自民勉強会でのマスコミ威圧発言に続いて、先月は礒崎陽輔首相補佐官の「法的安定性は関係ない」発言▼そして今回の安保法案に抗議行動する若者グループへの、安倍チルドレンの武藤貴也衆院議員による「戦争に行きたくないは利己的」のツイッターでの投稿などだ▼首相自身に一強支配のごう慢さで異論を排除したり、野党議員に首相とも思えない品位に欠けるやじを飛ばしたりのタカ派的言動があるため、「類は友を呼ぶ」でそういう体質の人たちが周辺に集まっているのが今の安倍体制だ。いわばこれらの発言は首相の本音を代弁したようなものだ▼しかもこれらが報道や言論の自由と立憲主義を否定し、揚げ句は進んで戦争に行って国のために命を投げ出せとでもいうような政権与党内の時代錯誤的な発言だから怖い▼そういう好戦的な首相が固執する「安保法案」に国民から「やはり戦争法案なのか」と強い疑念と不信が生じるのは当然だし、廃案を求める声が高まるのも当然だ▼首相は法案への理解を求めるためあの手この手だ。しかし審議が進むほどに同法案は「法文上、他国軍にミサイルの供与も核兵器の運搬も可能」などと歯止めの利かない危うさが浮き彫りになるばかりだ。(上地義男)
 
 
憲法は「権力という野蛮な動物」を管理するためにある
小林節氏が語る「立憲主義」
弁護士ドットNEWS 2015年8月8日
70回目の終戦記念日を間近に控えた8月7日、東京弁護士会は戦後70年企画として「伝える 平和と憲法の意味」と題したシンポジウムを開催した。基調講演とパネルディスカッションには、憲法学者の小林節慶大名誉教授、元NHKアナウンサーでフリージャーナリストの堀潤さん、元日弁連会長の平山正剛弁護士が登壇し、「平和と憲法」について、それぞれの思いを語った。
 
●国民が「プロパガンダ」に利用されないために
さんは、ジャーナリストの立場から、戦争に向かう国家がプロパガンダ(政治的な宣伝)によって国民を利用する危険性を指摘。「無知であることと、無関心であることといった国民側の問題も、真摯に受け止めなければならない」と述べる。
 
「ナチスドイツは、『(第一次世界大戦で)失った誇りを取り戻すんだ』とプロパガンダ戦を展開した。きれいな音楽、きれいな風景、きれいな物語を発信して、ドイツ国民の支持を得て、彼ら(ナチス)は栄えていった」とナチスがドイツで支持された経緯に触れ、「同じ轍を踏まないために、私たち市民社会側が『自分たちでどう防御できるのか』ということをしっかり考えていかなければならない。そのために、メディアは、徹底的に情報を公開していかなければならない」と報道の役割を訴えた。
 
●憲法は「権力という野蛮な動物」を管理するためにある
議論は、衆議院を通過し、現在参議院で審議が続いている安保法案にも及んだ。
 
政府・与党の安保法案を「違憲」と批判する小林名誉教授は、仮に法案が成立したとしても、選挙によって事態を打開できると主張した。
「彼ら(自民党)に政権を与えたのは我々だ。その責任を取らなければならない」としたうえで、「安倍政権は、閣議決定で憲法解釈を膨らませた。こちらも、政権交代をして、閣議決定でもとに戻せばいい。成立した安保法案を廃止する法案を通せばいい」と訴えた。
また、「権力は人間が担うから誤作動をしかねない。憲法という道具を使って、権力という野蛮な動物を管理する位置関係にある。間違っても、権力者が憲法を使いこなして、国民をしつけるといったバカなことを言わせてならない」と立憲主義の意義を語った。
 
小学4年生のときに終戦をむかえ、戦争で2人の兄を失くしたという平山弁護士は「今、我々が平和の旗である憲法9条を下ろしたら、戦後70年間築いてきた平和、信頼を損なうことになる。我々はそう思っていなくても、近隣諸国からみれば、戦前のように、戦争を辞さない国になるのかと誤解される可能性がある。だから、絶対にこの旗を降ろしてはならない」と平和憲法の重要性を訴えた。
 
 
「大政翼賛会的」 戦後70年シンポで山崎拓氏が自民党批判
東京新聞 2015年8月8日
 戦後70年を考える日弁連主催のシンポジウムが8日、東京都内で開かれた。パネリストの山崎拓・元自民党副総裁は安全保障関連法案を批判し「自民党は(戦時中の)大政翼賛会的になっている。党内の活発な議論がなく、政府案を唯々諾々と是認している」と苦言を呈した。
 シンポは「今を戦前にしないために」がテーマで、約300人が参加した。
 
 山崎氏は、従来の個別的自衛権による専守防衛の体制で日本の安全は担保できるとの認識を強調。法律10本の改正案を一括審議していることにも「それぞれ重要な法案で、ひとくくりにして一国会でやっつける(成立させる)というようなものではない」と慎重な論議が必要との考えを示した。
 
 
大阪弁護士会が安保で市民集会 関連法案「廃案目指す」
東京新聞 2015年8月8日
 大阪弁護士会は8日、安全保障関連法案の廃案を目指す市民集会「日本はどこに向かうのか?~各界から上がる安保法案への反対の声~」を大阪市で開催した。
 
 5人の憲法学者や若者グループ「SEALDs KANSAI(シールズ関西)」の大学生が登壇したほか、ノーベル物理学賞受賞者の益川敏英京都大名誉教授らがビデオレターを寄せ、約540人が会場を埋め尽くした。
 冒頭、早稲田大の水島朝穂教授が講演し「法案は明白に違憲で、廃案しかない」と主張。「武器輸送の恐ろしさを体感してほしい」と訴え、火薬を抜いた銃弾を会場に回す一幕もあった。 (共同)