戦前、支那事変等と呼ばれた対中国侵攻とその後の日米開戦を喝采したり煽ったのは新聞で、それによって部数を格段に増やし、戦争の片棒を担いだとまで言われました(戦況が芳しくなくなると軍は新聞に対する言論統制を強めました)。
戦後『朝日新聞』は「言論機関の責任は極めて重いものがある」と社説で反省の言を述べました。不十分なものではあったにしても、それは決して忘れてはならない筈ですが、その点でも「新しい戦前」が再現しつつあります。
政府が24日公開した、安保3文書改定に向けた「有識者会議」の議事録によると、読売新聞、日経新聞、朝日新聞などの関係者が賛成しむしろ補強する発言をしていることが明らかになりました。
しんぶん赤旗が報じました。
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メディア幹部 大軍拡後押し “軍事力強化で世論誘導を” 「有識者会議」議事録公開
しんぶん赤旗 2023年1月26日
政府は24日、安保3文書改定に向けた「国力としての防衛力を総合的に考える有識者会議」の議事録を公開しました。委員に名を連ねているメディア幹部・元幹部がいずれも、歴代政権が違憲としてきた敵基地攻撃能力(反撃能力)の保有や軍事費増額のための増税を当然視し、さらなる軍事力強化・国家総動員体制を主張していたことが判明しました。
読売新聞グループ本社の山口寿一社長は、初会合で「岸田総理は防衛力の抜本的強化という歴史的な決断をされた」と称賛。第2回会合では、敵基地攻撃能力の保有を当然視した上で、米国製の巡航ミサイル・トマホークを念頭に「当面は外国製ミサイル購入も検討対象になる」と発言しました。「外国製ミサイル」購入を主張したのは山口氏だけです。
日本経済新聞社の喜多恒雄顧問は、増税を念頭に、軍拡の財源について「国民全体で負担するのが必要だ」と強調しました。また、軍需産業の育成を主張。武器輸出の制約を取り除き、「民間企業が防衛分野に積極的に投資する環境が必要だ」と述べました。
元朝日新聞主筆の船橋洋一氏は、日米共同で敵基地攻撃能力を強化するために基地の日米共同使用を促進すべきだとし、「特に南西諸島と先島での共同使用態勢を整えるべきだ」と主張。財源について「所得税の引き上げも視野に入れるべきだ」と強調しました。
重大なのは、「読売」の山口氏が、最終回となる第4回会合で、「メディアにも防衛力強化の必要性について理解が広がるようにする責任がある」と、軍拡を容認する世論づくりをする決意を表明したことです。
戦後の新聞は侵略戦争推進の過ちの反省からスタートしました。しかし、この反省を忘れ去り、再び戦争推進の過ちを繰り返そうとしています。
「有識者会議」は昨年9~11月に計4回実施され、11月22日、敵基地攻撃能力の保有や公共インフラ、科学技術など国力のあらゆる分野の軍事動員などを盛り込んだ報告書を政府に提出しました。
歴史的国会 党の存在意義かけてたたかいぬく
共産党議員団総会 志位委員長あいさつ
しんぶん赤旗 2023年1月24日
通常国会開会
第211通常国会が23日、召集されました。会期は6月21日まで。岸田文雄首相は施政方針演説で、大軍拡を断行する「戦争国家づくり」と大増税を進める姿勢を提示。日本共産党の志位和夫委員長は党議員団総会で、国会に臨む議員団の基本姿勢について語り、その第一として、「戦後の日本の歴史のなかでも文字通り歴史的国会となる。日本共産党の存在意義をかけてたたかいぬく」と決意を表明しました。(志位委員長あいさつ)
志位氏は、「敵基地攻撃能力保有と大軍拡は、戦後の日本の安全保障政策を大転換させるもの」であり、「専守防衛」という歴代政権が掲げてきた原則をかなぐり捨て、「自衛隊が米軍と完全に融合して海外の戦争に乗り出す『戦争国家』づくりを進めるものだ」と主張。その上で、「『大軍拡』の正体を事実と道理に即して徹底的に究明し、『岸田政権の大軍拡を許さない』という一点での広大な国民的共同をつくりだすことに貢献する論戦に取り組もう」とよびかけました。
志位氏は、物価高騰から暮らしと経済を立て直すかも、国会の大きな課題だと主張。労働者の実質賃金が減り続けているところに物価高騰が襲いかかるかつてない困難のもと、党の「物価高騰から暮らしと経済を立て直す緊急提案」を活用し「苦しみによりそって大奮闘する決意を固めあおう」と訴えました。
第二の基本姿勢は「国民の願いにこたえた対案を掲げてたたかう」ことです。
志位氏は、岸田政権の著しい特徴は、外交でも内政でも「日本が直面する課題をどう解決するか」という方策を持ち合わせないことだと指摘。「外交ビジョン」「気候危機打開の2030戦略」など党の提案を活用して論戦に取り組もうとよびかけました。
志位氏は、基本姿勢の三つ目として、第7回中央委員会総会にもとづいて全党が取り組んでいる「130%の党」づくり、統一地方選勝利の取り組みに貢献する論戦の展開をあげました。