2023年1月24日火曜日

米国の蜘蛛の糸にすがる残念総理(植草一秀氏)

  人の意見を「聞く力」を持ち、常々「あらゆる選択肢を排除しない」と豪語していた岸田首相は、いまでは、自分の意向に反する意見には「耳を傾けない」状態にあります。もしも国民に丁寧な語り方をすれば国民に丁寧に接していることになると考えているのであれば大間違いです。

 いまの岸田氏は「米国に好感される」ことが至上の命題になっています。これでは日本のリーダーは務まりません。
 植草一秀氏が「米国の蜘蛛の糸にすがる残念総理」という記事を出しました。まさに言い得ています。
   お知らせ
 大雪が予想されているので25日と26日は記事の更新が出来ません。ご了承ください。
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米国の蜘蛛の糸にすがる残念総理
               植草一秀の「知られざる真実」 2023年1月23日
1月23日、第211通常国会が召集され、衆院本会議で岸田文雄首相が施政方針演説を行った。
定番化している先人の言葉や逸話の挿入はなかった。
スピーチライターが用意する飾りものの逸話などない方がいい。
無駄な装飾が排除された点は評価できる。
しかし、問題は内容。
岸田首相がこれまでに発言してきたことの繰り返しで新鮮味がなかった。
岸田首相は官僚機構が用意した原稿を読むだけ。
日本のReaderである。

2021年に自民党党首選に立候補した際、岸田首相は
「分配問題が重要」
と述べた。
この指摘は正しい。
しかし、岸田氏はこの看板をいとも簡単に取り下げた。
「分配が重要」が「分配も成長も」に変わり、「まずは成長」に転じた。
安倍・菅政治に回帰した。

安倍元首相の国葬実施方針を独断専横で決定したことを契機に内閣支持率が急落。
政権終焉の節目になる3割を割り込んだ。
直近発表の世論調査でも内閣支持率が下げ止まる気配はない。
順当に進めば5月の広島サミットが花道になる。
サミット後の退陣可能性が高い。
窮地に追い込まれた岸田文雄氏がたぐり寄せたのが米国支配者の垂らす蜘蛛の糸
米国の命令に服従することで延命を図ろうとする岸田文雄氏の姿が鮮明に浮かび上がる。

昨年末、岸田首相は三つの政策を打ち出した。
軍事費倍増
原発全面推進
庶民増税推進
である。

軍事費倍増は米国へのみかじめ料倍増を意味する。
暴力団は飲食店からのみかじめ料をおしぼり代として受け取る。
飲食店が利用するおしぼりによるマネロンである。
米国は日本からのみかじめ料を軍備品調達のかたちで受け取る。
軍事費倍増は米国へのみかじめ料倍増の意味を有する。
米国は日本の原発推進を命令している。
ウランシンジケートによる指令である。

財政支出拡大の財源を日本の庶民に押し付けるのが米国の戦略。
日本の上場企業株式の3分の1を占有する米国資本・海外資本は日本での納税を忌避する。
日本の税制改正で法人税減税を推進し、その穴埋めとして庶民増税=消費税増税を指令する。
岸田文雄氏は内閣延命のために米国にひれ伏す。
それが、昨年末提示した三つの方針だ。
米国にひれ伏し、一秒でも長く首相の座にとどまりたい。
これが岸田首相の心境なのだろう。
施政方針演説は官僚原稿の棒読みで興味を引くものがなかった。

問題点を三つ挙げる。
第一は軍事費倍増政策の説得力欠如。
第二はインフレ対策の欠落。
第三は少子化対策の的外れ。
野党が健全なら内閣は1ヵ月ももたないだろう。
崩壊する野党が岸田内閣を支える原動力になっている。
絶望的な状況。
日本政治刷新の道筋を明らかにしなければならない。
超えるべきハードルは高い。

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