統一協会の教団幹部は信者たちに、日本で大々的に巻き起こされた統一協会批判は「サタンによる迫害」であり、「マスコミを牛耳っているのは無神論、共産主義勢力」と教え込んでいるということです。信者たちを教団の支配下から取り戻そうとする家族らの願いや努力を「サタンの仕業」と教え込むのと同じ作戦で、そうとでも言わないと言い訳が立たないからです。
韓国の本部から派遣されている方相逸・神日本大陸会長に韓鶴子総裁から電話で、「日本の現状を克服する」ことと「2世、3世をよく教育して、伝道で10倍化する」ように指示があったということです。
マインドコントロール下にある信者たちは簡単には離脱しませんが、教団にとって頭が痛いのは信者2世です。彼らは親たちの行動をある程度客観的に見ているし、現実に赤貧の苦しみも味わっているので醒めた見方をしています。安倍晋三氏銃撃事件後に協会を離れた2世たちは教団の解散や被害の救済を求めて活発に活動を始めています。
従って彼らを教育と伝道で繋ぎとめることは難しいと思いますが、今後親たちからの働きかけは強まることでしょう。その場合被害者救済新法がどのように役に立つのか、あるいは全く役に立たないのかは大きな問題になります。
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徹底追及 統一協会 安倍氏銃撃事件半年 「メディア背後にサタン」
しんぶん赤旗 2023年1月9日
異様さ増す幹部発言
安倍晋三元首相が山上徹也容疑者から銃撃され死去してから8日で半年がたちました。事件後に同容疑者の母親が統一協会(世界平和統一家庭連合)信者であることが発覚。母親の献金し過ぎで家庭崩壊したことが同容疑者の動機ではと推察されたことから、統一協会への批判が高まりました。統一協会関連サイトによると、協会幹部たちは批判の背後に「サタン」がいると主張。反省するどころか、異様な責任転嫁をしています。(統一協会取材班)
銃撃事件からちょうど2週間後の昨年7月22日、統一協会の方相逸(パン・サンイル)神日本大陸会長が、千葉市にある協会施設で信者たちにこう語りました。「連日、マスメディアが、家庭連合に対する偏向報道を繰り広げています」「今こそ、家庭連合の力を示すときです。私たちは決して負けません」
当時、山上容疑者の母親が統一協会に1億円超を献金し自己破産したことが問題になっていました。メディアによる高額献金の批判を、「偏向報道」だと信者に思い込ませようとした形です。
「結束」あおる
方氏は韓国の協会本部から派遣されており、日本協会の上に立つ幹部です。事件から日がたつにつれ、発言の異様さが増しました。昨年8月24日には、メディアの背後にいる「サタン」が、統一協会の開祖文鮮明・韓鶴子夫妻を恐れているから協会を批判するのだと言い出します。さらに、「マスメディアを牛耳っているのは、無神論、共産主義勢力でしょう。それゆえ、神主義を掲げ、共産主義の誤りを訴え続けてきた家庭連合を総攻撃するのです。皆さん、神様が負けるはずはないでしょう」と述べています。
日本のメディアを共産主義勢力が支配しているという荒唐無稽な話です。それでもマインドコントロールでサタンが存在すると刷り込まれている信者は信じてしまいます。日本協会の田中富広会長も昨年12月2日に、「神と霊界を否定する共産主義思想を背景にした弁護士やコメンテーター」たちにメディア界が踊らされていると発言。「迫害を受けるほど信仰は結束するのです」とあおっています。
2世を「教育」
統一協会内部でしか通用しないメディア批判を繰り返す目的の一つが、信者2世の対策です。協会を離れた2世たちは事件後、協会の解散や被害の救済を求めて活発に活動を始めました。方氏は昨年10月7日の幹部向け緊急集会で、2世たちのことを考えてこなかったと表明。韓鶴子総裁から電話があり、日本の現状を克服するよう求められるとともに、「2世、3世をよく教育して、伝道で10倍化しなさい」と鼓舞されたと語りました。
文鮮明の死去(2012年)後、韓鶴子総裁は統一協会内で神に等しい絶対的な権威です。総裁の指示は絶対服従が求められます。現在の劣勢をはね返すために協会を離れた2世を連れ戻し、活動を強化せよ―幹部たちの異様な言説からは、そんな狙いも透けて見えてきます。
(写真↓)統一協会の方相逸・神日本大陸会長が昨年8月24日に語った言葉。メディアを共産主義勢力が牛耳っている。という趣旨の発言をしています(統一協会関連サイトから。下線は編集部)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。