2023年1月23日月曜日

23- ロシア外相が「日本は平和主義国だった痕跡を絶った」と

 既報のように、安保3文書の閣議決定後 北朝鮮は、「(反撃能力は)わが国に対する先制攻撃能力だ」と述べ、「北朝鮮への攻撃が切迫した場合には先制攻撃ができる」と表明し中国は、「中国への中傷に断固として反対する」「(日本に対し)軍事、安保分野で言動を慎むよう改めて促す」「中国の脅威を誇張することで、自らの軍事力強化と武力拡張の口実を作る企てが目的を達することはない」と批判しました。
    ⇒(1月21日)台湾有事シミュレーションを垂れ流すメディアの大政翼賛会ぶり
 岸田首相は、米国が気に入ることであれば、近隣諸国がどれ程怒りを示そうとも意に介さずに平然と批判的言辞を弄して憚りません。これは実に不思議なことであり、国のトップにあるまじきことです。
 ロシアのラブロフ外相は18日ロシアと日本の関係に言及し「日本の軍事ポテンシャル(潜在力)は、決して好ましい成り行きとはいえず、明らかにロシアと中国に向けられたものだ」「憲法改正の事案が進行中で、これによって日本政府は平和主義国であった痕跡を絶ったわけで、対露関係を正常化するものとは言い難い」(以上いずれも要旨)語り、日本がロシアとの国境付近で軍事ポテンシャルの強化を行ったことについて、「ロシアとしての帰結を出していく」と述べました。
 これらは岸田首相の無思慮な発言に対する当然の反応です。
 米国の意に適うからといってなぜここまで近隣諸国との関係を悪化させなければならないのでしょうか。愚かというしかありません。
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ロシア外相、「日本は平和主義国だった痕跡を絶った」
                    ParsToday Asia/Tokyo 2023/01/19 
ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相が、「日本は平和主義国だった痕跡を絶った」とし、ロシアの軍事ポテンシャルの増強は日本と中国をターゲットにしたものだと警告を発しました。
ラブロフ外相は18日水曜、2022年のロシアの外交活動を総括した記者会見の席上、ロシアと日本の関係に言及しました。
この中でラブロフ氏は「日本の軍事ポテンシャルは、決して好ましい成り行きとはいえない。たしかに北朝鮮が理由とされてはいるが、これは明らかにロシアと中国に向けられたものだ」としています。
また、「憲法改正の事案が進行中で、これによって日本の当局は平和主義国であった痕跡を絶ったわけで、これが対露関係を正常化する日本の意志を反映しているとは言い難い」と語りました。
一方で、ラブロフ外相は日露関係については、日本側が一方的にロシアとのコンタクトを凍結し、戦闘的な声明を発しはじめたと指摘しており、日本がロシアとの国境付近で軍事ポテンシャルの強化を行ったことについて、「ロシアとしての帰結を出していく」と述べました。
昨年2月24日にロシアがウクライナでの特殊軍事作戦を開始して以来、日本は欧米諸国と足並みを揃えて対ロシア制裁の行使および、駐在ロシア人外交官の国外退去に踏み切りました。
一方でロシア側も、対抗措置として同国駐在日本人外交官複数名を国外追放とするなど、日ロ関係は非常に険悪化しています。
その一方で、ロシア側は極東石油天然ガスプロジェクト・サハリン1などへの日本企業の参加を認め、また、日本側も日ロ関係発展に功績のあった安倍元首相の国葬にロシア代表の参加を認めるなど、一定の関係は維持されています。