2023年1月5日木曜日

統一協会は全国93施設の不動産所有 高額献金・霊感商法が原資

 統一協会は、韓国ではプロテスタント長老会議で「異端の宗教」と認定され、宗教扱いをされていません。韓国民は統一協会を宗教団体ではなく多角的な企業体乃至事業団体と認識しているということです。
  ⇒10月6日)韓国での統一教会 宗教というより多角的な企業体というイメージ
 その分日本での「活動」が盛んで、その内容は要するに金、金、金、偏に「金」に尽きます。
 文鮮明は、エバ国の日本はアダム国の韓国に「献金」するに位置づけられるという、理解不能の論理の下、日本はこれまで霊感商法に始まって数千億円乃至それ以上の金を韓国に送ってきました。ところがその一方で、日本国内でも統一協会は莫大な不動産を所有していることが分かりました。
 しんぶん赤旗がシリーズ「徹底追及 統一協会』で取り上げました。
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徹底追及 統一協会
全国93施設の不動産所有 高額献金・霊感商法が原資
                        しんぶん赤旗 2023年1月4日
 全国に290カ所ある統一協会(世界平和統一家庭連合)の「教会」施設のうち、93施設(32%)の不動産を協会が所有していることが3日、本紙と日本共産党国会議員団の調査で分かりました。ここ12年で急速に資産を増やしており、いずれも金融機関から借金せずに購入しています。統一協会は信者をマインドコントロール(洗脳)し、霊感商法や高額献金に駆り立ててきました。それらの資金が協会の資産となった形です。(統一協会取材班)



(写真)統一協会が2019年6月に購入した施設。土地面積は約1913平方メートルあります=三重県津市(日本共産党の中野裕子市議撮影)


 調査対象は、統一協会が公表している「教会」施設と本部の計290施設。登記簿謄本をとり確認しました。保有が判明したのは93施設。確認できた土地面積は合計約7万4700平方メートルで、東京ドーム1・6個分の広さです。その他の「教会」施設は賃貸とみられます。
 宗教法人法では、宗教法人が認めない限り、信者に対しても資産が公表されません。このため統一協会は資産を非公開にしており、本紙の調査で初めて協会の所有不動産数が明らかになりました。
 地域ごとでみると、中四国地方が16施設、東海地方が14施設などとなっています(図参照)。入手時期は2011~22年に集中しており、62施設を取得しています。











 総務省や法務省によると、宗教法人が本来の宗教活動に使う本殿などの施設は、不動産取得税、固定資産税、登録免許税が免除されます。統一協会は優遇措置を利用し、資産を増やしています。

 統一協会の不動産は、1990年代以前に購入したものを除き、いずれも当初から金融機関の抵当権がついておらず、現金など自己資産で取得したとみられます。
 全国霊感商法対策弁護士連絡会によると、霊感商法や献金などの被害額は1987~21年までに合計約1237億円にも上ります。被害者らは被害救済や統一協会に解散命令を出すよう求めています。
 被害救済に取り組んできた渡辺博弁護士は、「統一協会所有の不動産は、被害者への返済に充てる原資になる。ただ解散した場合、不動産を別法人の名義にされる可能性がある。私たちは政府に統一協会の資産を保全するよう求めている」と指摘します。(関連記事)

税制優遇やめるべきだ
日本共産党国会議員団統一協会問題追及チーム事務局長の宮本徹衆院議員の話 
 近年に統一協会の保有資産が急増した背景には、信者をマインドコントロール下においたことによる献金被害がある。施設を拠点に、さらなる被害を広げ、自民党候補らの選挙支援も行ってきている。これらの施設保有への税制優遇はやめるべきであり、岸田政権には速やかな解散命令請求を求めたい。


徹底追及 統一協会
不動産買いあさり保有 施設購入で広がる被害 寄付・贈与での獲得も
                        しんぶん赤旗 2023年1月4日




(写真)2022年12月に「贈与」で統一協会の所有となった施設=横浜市青葉区

 統一協会(世界平和統一家庭連合)の日本本部は、霊感商法や高額献金で集めた資金の多くを韓国の協会本部に送金し、本拠地の豪華宮殿建設や世界での活動に充てていることが分かっていました。
 今回の「しんぶん赤旗」統一協会取材班と日本共産党国会議員団の調査で、日本国内でも不動産を買いあさり93施設を保有していることが明らかになりました。
 統一協会が不動産購入を加速したのは2011~22年にかけてです。この時期に一体何があったのか―。
 統一協会は07年ごろから10年代にかけて霊感商法を捜査当局から摘発されました。このため統一協会は霊感商法から信者に高額献金をさせる手法に変更しています。協会が不動産を買いあさった時期は、高額献金の被害が増えていく時期と重なります




(写真)統一協会の「東京同胞家庭教会」やダミー団体が入居するビル=東京都新宿区

税優遇も活用
 寄付、贈与で得た不動産が多いのも特徴です。1992~2022年にかけて、13施設を寄付、贈与で獲得しています。統一協会はマインドコントロールした信者に不動産を譲渡させてきましたが、その“成果”が表れているといえます。
 直近では、安倍晋三元首相の銃撃事件後である22年12月5日に横浜市青葉区の土地と建物が寄付されています。土地は約479平方メートル、建物は地下1階地上2階の鉄筋コンクリート造りです。寄付者は、91年に金融機関から借りた2億1500万円を寄付の約9カ月前までに弁済。その上で寄付をしています。
 統一協会は違法な霊感商法や高額献金などで集めた資金で、税金優遇も活用し施設を増やしてきました。その施設とは信者をマインドコントロールする場でもあります。施設を買うことでも、使うことでも被害者が増えていく構図です。

返済の原資 政府は保全を
宗教2世問題ネットワーク副代表で統一協会の信者2世でもある山本サエコさん(仮名)の話
 統一協会が93施設もの不動産を入手していること、それらに不動産所得税や固定資産税が掛からないことに驚いています。協会に献金しすぎて困窮した両親のために、私は奨学金を生活費に回しました。今も奨学金を返済しています。結果的にみれば私の返済が統一協会の資産になったのと同じことです。被害者への返済の原資となる不動産を、協会が隠さないよう政府は保全をしっかりとしてほしい