2023年1月27日金曜日

細田議長 安倍元首相に全責任なすりつけの弁明/先祖供養1500万円 新法成立後も協会が要求

 統一協会との深い関係が指摘されながら、合計3枚の報告だけで逃げてきた細田博之・衆院議長24日、衆院議院運営委の各会派代表による質疑冒頭以外は非公開に応じましたが、それは安倍元首相に全責任をなすりつけるというものでした。

 細田氏は統一協会と初めて接点を持ったのは14年であるとし、「安倍氏は大昔から関係が深い。こちらは最近ですから」などと開き直りました。しかしLITERAによれば実際は細田氏は初当選した1990年時点で統一協会と接点を持っていたので、安倍氏以上に昔からの付き合いということになります(安倍氏が本格的に協会と付き合いだしたのは野党に転落したときからです)。
 また19年に韓鶴子総裁が出席したイベントに参加した際「安倍総理に早速報告したいと考えております」などと述べた件について、細田氏は運営委では、「リップサービスとして言ったもので安倍氏に報告はしなかった」と説明したようですが、植草一秀氏は同氏のブログで「公の場での発言についてリップサービスと言い切ってしまうところに、いかに信用できない人物であるかが象徴されている」と述べています。
 LITERAの記事を紹介します。
 暮れの臨時国会で色々不十分であると指摘された信者救済新法が成立しましたが、統一協会は依然として夫婦で430代にさかのぼる先祖解怨をするには約1500万円掛かるとしていて、韓鶴子総裁は3日の新年あいさつで、先祖解怨・先祖祝福の達成と430の家庭を伝道せよという指示を信者に出しています。
 ある人(両親が信者)によれば、「韓鶴子総裁から先祖解怨や430家庭の伝道達成を求められると、信者は“伝道は大変だから、せめてお金でなんとかなる先祖解怨を頑張らねば”となる」ということで、献金の強要に他ならないとしています。

 新法が成立しても教団は何も変わっていないということです。
 しんぶん赤旗の記事を併せて紹介します。
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細田衆院議長が盟友・安倍元首相に全責任なすりつける醜い大嘘弁明…それでも細田追及する記者はTBSラジオとCBCテレビの2人
                            LITERA 2023.01.25
 統一教会との深い関係が指摘されながら、野党側が求めてきた記者会見を拒否し、紙ペラ合計3枚の報告だけで逃げてきた安倍派前会長の細田博之・衆院議長。昨日24日、衆院議院運営委員会の各会派代表による「冒頭以外は非公開」の質疑に応じたが、そこでも保身のための醜い自己弁護に終始した。
 とくに印象的だったのは、ものの見事に細田氏が安倍晋三・元首相に全責任をなすりつけたことだ。
 たとえば、2019年に韓鶴子総裁が出席したイベントに参加した際、「安倍総理に早速報告したいと考えております」などと発言していた件について、細田氏は「安倍元総理と近い団体というのは知っていたので、リップサービスとして『安倍総理に早速報告をしたい』ということを言った」と説明。さらに、細田氏は統一教会と初めて接点を持ったのは2014年であるとし、「安倍氏は大昔から関係が深いこちらは最近ですから」などと開き直ったという。
 ようするに、第二次安倍政権下で清和会のトップとして安倍氏を支えてきた盟友である細田氏が、なんと“すべての大元は安倍元首相”だと証言してみせたのである。

 この細田氏の態度に対しては「死人に口なし」という批判が起こっているが、岸信介、安倍晋太郎、そして安倍晋三と安倍家3代にわたって統一教会と深い関係を持ち、とりわけ近年は安倍元首相が統一教会と蜜月関係にあったことは周知の事実だ。しかし、だからといって、細田氏が潔白だというわけではまったくない。
 細田氏は今回、“統一教会と初めて接点を持ったのは2014年”と述べたというが、そもそも細田氏は、初当選を果たした1990年に「勝共推進議員」として国際勝共連合の機関紙「思想新聞」にその名が記載されている。さらに、「週刊現代」(講談社)が1999年に警視庁公安部の極秘資料をもとに作成した「『勝共連合・統一教会』関係度リスト」によると、細田氏のもとには勝共連合から教会員とされる秘書が1名送り込まれていたほか、勝共連合主催のセミナーや懇親会に出席していたとされている。つまり、細田氏は初当選時から統一教会との接点を持っていたわけだが、その過去をネグって「こちらは最近ですから」などと答えるのは、衆院議長としてあまりにもいい加減すぎる。

細田衆院議長「統一教会との関係は2014年から」「票の差配してない」とデタラメ弁明
 それだけではない。細田氏は、わかっているだけで8回もの統一教会の関連イベントに出席。前出の「安倍総理に早速報告したいと考えております」と挨拶した2019年のイベントでは、「韓鶴子総裁の提唱によって実現したこの場は大変意義深い」などとも語っていたほどなのだ。
 また、細田氏は、2018年におこなわれた「世界平和女性連合」主催の会合に出席した際、当時、統一教会で会長を務めていた徳野英治氏や、国際勝共連合の会長である梶栗正義氏、世界平和女性連合の世界会長だった文妍娥氏といった教団の大物幹部らと一緒に記念写真に写る関係だった。
 しかも、細田氏は昨日の質疑において、安倍派会長だった2016年の参院選の際、細田氏が教団票を差配したのではないかという指摘を「思い当たる事実はない」と否定したというが、これもかなり怪しい。実際、自民党の伊達忠一・前参院議長はテレビの取材に対し、2016年の参院選に立候補した宮島喜文氏の支援をめぐり、細田氏と統一教会票について話したと証言。また、ジャーナリストの鈴木エイト氏も同参院選で「細田氏がある候補者に統一教会票を回すと打診したが、その候補が断わったために、別の議員に票が差配されたと言われている」と指摘している。
 つまり、細田氏は初当選時から清和会所属議員として統一教会と接点を持ち、さらには第二次安倍政権下でその関係を深めていったと考えられるのだ。
 細田氏が統一教会と深い関係を築いた理由について、政治ジャーナリストの角谷浩一氏はこう語っている。
「清和会、ひいては安倍晋三元首相を守るために、細田議員は旧統一教会との窓口になっていたんでしょう。当選がおぼつかない若手議員たちのために、どの団体の票をどれだけ割り振るか。安倍元首相とともに、細田議員はそれを決める立場にあった。票を持っている団体の一つである旧統一教会とは関係を繋いでおく必要があったが、安倍元首相を前面に出すわけにはいかない。そこで、細田議員が頻繁に会合に出席していたということだと推察しています」(「FRIDAY」2022年11月11日号/講談社)
 ようするに、細田氏は安倍元首相と二人三脚で統一教会との関係を深化させてきた張本人であると考えられるのだ。にもかかわらず、自身と統一教会の関係についてはシラを切り、「安倍ガー」を連呼したのである。下劣としか言いようがないだろう。
 だが、細田氏の下劣な発言はこれだけではない。細田氏はこれまで公の場で説明をおこなわず紙ペラで追及から逃げてきたことから「神対応」ならぬ「紙対応」などと揶揄されてきたが、今回の「非公開」質疑でも、記者会見に応じない理由について「過去のことについて、議長の立場として会見などで答えるのはふさわしくない」などと主張したというのだ。
 国権の最高機関の長だからこそ、細田氏にはなおのこと国民に向けて公の場でしっかり説明する責任がある。ところが、細田氏は議長という立場であることを悪用して「会見で答えるのはふさわしくない」と言い募ったのだ。この態度だけでも、細田氏には衆院議長を務める資格はないと断言せざるを得ない。

国会内で細田議長を追いかけている記者は、TBSラジオとCBC テレビの2人の記者だけ
 しかし、最大の問題は、メディアの報道姿勢だ。衆院議長がここまで国民を舐めきった態度をとっているにもかかわらず、昨晩の『ニュースウオッチ9』(NHK)や『報道ステーション』(テレビ朝日)、『news23』(TBSテレビ)ではほんのわずかに取り上げただけ。それも、何の批判も加えることなく、細田氏の言い分をただ垂れ流したのだ。
 統一教会と自民党の有力政治家の関係をめぐる報道では、萩生田光一・政調会長しかり、メディアは弱腰な態度をとってきたが、細田氏についても同様のことが言える。そもそも細田氏をめぐっては、女性記者らに深夜に電話をかけて「今からこないか」「添い寝したら(重要情報を)教えてあげる」と迫るなどのセクハラを繰り返してきたことを、昨年5月から「週刊文春」(文藝春秋)が連続して報道。「週刊文春」の第一報後には細田氏本人が女性記者たちに口止めをほのめかす“圧力電話”をかけていたことまで暴露されている。
 だが、細田氏は「事実無根」と否定するだけで、疑惑に対する説明をおこなうことなく逃げつづけ、昨年6月に文藝春秋を提訴。その後、安倍元首相銃撃事件に端を発した統一教会と政治家をめぐる報道でも、細田氏と教団の関係を追及する動きは一時見られただけで、すぐにフェードアウトしていった。
 実際、セクハラ疑惑の際から細田氏を直撃・追及しつづけてきたTBSラジオの澤田大樹記者は、国会内で細田氏を追いかけている記者が、ほとんどの場合、自分のほかにはCBCテレビの木下大記者しかいないことを、ライターの武田砂鉄氏がパーソナリティを務める『アシタノカレッジ』(TBSラジオ)金曜日の放送で明かしてきた。ついには、孤軍奮闘で細田氏を直撃しつづけるその取り組みが「議長チャレンジ」「細田チャレンジ」と呼ばれるようになったほどだ。
 当たり前だが、衆参議長は立法府を司る三権の長の一人であり、その職責は極めて重い。にもかかわらず、セクハラ疑惑でも統一教会問題でも、細田氏は説明責任から逃げつづけてきた。かたや、新聞・テレビの政治部や上層部は、細田氏を追及することによって情報源を失いかねないという恐れや保身から、問題を見て見ぬふり。セクハラ告発の封じ込めにまで手を貸してきたのではないかとさえ言われているのだ。
 繰り返すが、細田氏は国会議員としてももちろん、ましてや議長を務める資格などない。だが、追及はおろか、こうした当然の指摘さえおこなわない大手メディアの報道──。国民を舐めきっているのは、細田氏だけではなくメディアも同じなのだと言うほかないだろう。 (編集部)


徹底追及 統一協会
先祖供養1500万円 新法成立後も信者に要求 不安あおり「解怨を」
                       しんぶん赤旗 2023年1月25日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)が信者に求める先祖供養の行事をすべて終えるには、計約1500万円の献金が必要となることが24日、本紙の調べで分かりました。不当な寄付を規制する法律(救済新法)の成立後も、協会の韓鶴子総裁は供養の達成を信者に要求しており、高額献金被害が続くことが懸念されています。(統一協会取材班)
 問題の供養は「先祖解怨(かいおん)・先祖祝福」と呼ばれる行事です。統一協会は地獄にいる先祖の因縁で子孫が不幸になるなどと信者を脅しています。そのうえで▽430代前までの先祖を解怨(供養)する▽解怨された先祖を霊界で「祝福」(集団結婚)させる▽最終的に「絶対善霊」となって子孫を守る―と教え込み、それらのためには献金が必要と勧誘します。
 統一協会の費用計算サイトによると、430代前までの先祖解怨を達成するためには652万円の献金が必要です。先祖祝福の場合は86万8千円が必要となっており、両方を合わせて738万8千円となります。
 夫婦が信者の家庭は、それぞれの先祖ごとに供養が必要とされるため、合計約1477万6千円の献金を払うことになります。

“教義にない”
 古参の元信者は、もともと教義に先祖解怨・先祖祝福という考えはないといいます。これらは統一協会の開祖文鮮明、韓鶴子夫妻のもとで1999年から始まったもの。当初は120代前までの先祖が対象でした。その後、210代前、430代前とさかのぼるようになり、献金額も増えていきました。
 統一協会のアニメ「天使のささやき 先祖解怨編」は、地獄で苦しむ先祖のおどろおどろしい動画を紹介したあと、「何かをするにはそれ相応の対価が求められる」などと信者を追い立てています。
 また本紙が入手した『先祖解怨・祝福受付ガイドブック』(2007年発行)によると、献金を完納しなければいったん地獄から出た先祖が再び地獄にもどり、「早く解怨してくれないことを恨むようになり、子孫に悪さをするようになる」と、不安をあおって献金を強要する内容となっています。

裁判でも違法
 不安をあおって怖がらせ自由な意思に基づかない状況で、先祖解怨に多額の献金をさせる行為は民事裁判でも違法とされています。救済新法でも、霊感で不安をあおり、不利益を回避するためには献金が必要不可欠と告げることなどを禁止しています。
 統一協会の韓鶴子総裁は3日の新年あいさつで、先祖解怨・先祖祝福の達成と430の家庭を伝道せよという趣旨の指示を信者に出しています
 両親が信者の、もるすこちゃん(仮名)は、「韓鶴子総裁から先祖解怨や430家庭の伝道達成を求められると、信者は“伝道は大変だから、せめてお金でなんとかなる先祖解怨を頑張らねば”となる。協会はそんな信者の思考回路を分かっていて要請している。許せない」と述べています。