今回は「日本の対中ODA」についてです・
日本の民度の高さについてはほぼ全ての中国人が認めていますが、総額3兆円を超えている対中ODAに対する評価は一様ではなく意見は様々です。
ODAと言っても正確には「低金利融資」なのですが、実際には返済を求めてはいません。とはいえ返済不要と明言しているわけでもありません。そのへんのことをどう受け止めるかによっても大きな差が生まれます。
この件については、両国政府とも、殆ど国民に知らせていないという不思議な共通点があります。
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【中国版ツイッター】売国奴め! 日本の対中ODA紹介で非難殺到
サーチナニュース 2013年9月29日
外務省によれば、1979年に開始された対中ODAは有償資金協力が約3兆1331億円、無償資金協力が1457億円、技術協力が1446億円となり、総額約3兆円以上をODAとして中国に提供してきた。
中国の軍事情報を伝えるサイト「鉄血軍事」が中国版ツイッター・微博で日本の対中ODAについてつぶやいたところ、微博ユーザーからさまざまな反応が寄せられた。
鉄血軍事によれば、シンガポールの教科書には日本による侵略のことも、戦後のODA援助のことも記載されているが、中国では改革開放後だけでも150の重点プロジェクトで日本からの援助を受けたものの、教科書には一言も記載されておらず、「ゆえに日本の歴史に対する知識が欠け、憎しみを抱く原因の1つになっている」と主張した。
同主張に対して、「売国奴」呼ばわりする微博ユーザーは非常に多く、「一目で売国奴だと分かる」、「また売国奴が出て来たよ」などのコメントが寄せられた。
また、「家族が殺されてからお金をもらったら、家族が復活するのかよ?」、「これは日本の食材であって真の援助ではない。人の命がお金に代えられるとでも思うのか?」など、金銭で測れる問題ではないとの意見も多かった。
鉄血軍事が指摘するように、中国では日本によるODA援助はほとんど中国国民に知らされていないのが現状だ。そのためか「これってマジ?」、「オレの教師は米国と英国によるODA援助は話していた。日本のことが本当なのかどうかは分からない」というコメントもあり、どうも信じられないようだ。
中国はすでに世界第2位の経済大国だ。日本政府は1999年以降、中国への経済援助を大幅に削減し始めており、日本が援助を停止するのは時間の問題と見られる。しかし、中国メディアの環球時報は2011年、「わが国の国内総生産(GDP)は日本を超えたが、中国の1人当たりGDPは日本の10分の1にすぎない」とし、「わが国がODA卒業を祝うのはまだ早い」と主張、日本からの援助を継続して希望する姿勢を示した。(編集担当:畠山栄)
【中国BBS】日本が傲慢? ODAで援助してくれているのに…
サーチナニュース 2013年1月30日
中国大手検索サイト百度の掲示板に「なぜ日本は中国に対して傲慢(ごうまん)なのか?」というスレッドが立てられた。スレ主の質問に対して、中国人ネットユーザーからさまざまなコメントが寄せられた。
スレ主は、国交正常化して以来、中国は日本に対して友人として接してきたのに、日本は中国に対して非常に傲慢な態度であると主張。特に尖閣諸島(中国名:釣魚島)を巡る対立が表面化して以降はさらに傲慢になっていると述べ、「一体なぜなのか? 」と質問したところ、次のようなコメントが寄せられた。
・「日本人は第2次世界大戦でわが国に負けたとは思っていないし、日本は戦後、中国に多くの援助を提供した。それに中国人自身の民度の低さにも原因がある」
・「日本は昔から中国に対してコンプレックスがある。コンプレックスは一定の限界を超えると傲慢な態度になるもの。韓国が良い例だ。世界は韓国のものとか言っている」
・「数千年にわたって中国は日本を助けてきたが、日本が少し強くなったら助けるどころか、災いをもたらしてきた」
しかし、中国側にも問題があるという意見もあり、「中国人のなかには態度の悪い人もいるけどね。ただ罵(ののし)るだけの人とか」、「中国は表面的に友好的なだけだ。われわれも常に国辱を忘れるなとか言って抗日ドラマをいっぱい作っている。これで日中関係が良くなるわけがない」などのコメントがあった。
ほかには、日本はODA援助を数十億元も提供してくれているのに傲慢とは言えないだろう、と指摘するユーザーや、中国もずっと日本を差別してきたからお返しをされているだけだ、などのコメントもあった。(編集担当:畠山栄)
【中国ブログ】過去への贖罪? 日本の対中ODAの本質とは
サーチナニュース 2012年12月31日
中国政府は日本による政府開発援助(ODA)援助について、中国国民に対して詳しく語らないため、親日家の一部の中国人は恩知らずと非難している――中国人ブロガーの「過客而已」さんは「中国人からの恩知らずとの非難は間違い」と主張、その理由を自分のブログで取り上げた。
外務省によれば、1979年に開始された対中ODAの総額は2005年までに約3兆4234億円以上に達し、道路や空港、発電所といった大型経済インフラや医療・環境分野のインフラ整備のための大きなプロジェクトを実施した。しかし、中国政府は日本によるODAの内容を詳しく開示していないため、中国人のなかには日本によるODAの存在すら知らない人も少なくない。
筆者が「恩知らずとの非難は間違い」だと主張する最初の理由は、「国家間の関係とは利益に基づいている」から。日本のODAを「善意」や「過去への贖罪」と見る人もいるが、筆者は「国家間にはそんな感情など存在せず、ただ利益のみが考慮される」と説明する。
次に、「日本の援助はほとんどが低利息ローン」だと主張。日本による援助資金の9割は「最終的に返済する必要がある」と紹介したが、筆者の主張どおり、有償資金協力(円借款)は3兆円を超え、無償援助は1457億円にとどまっている。
筆者が挙げた3つ目の理由は「中国による見返り」。中国が海外製品を輸入するようになると、欧州や米国、さらに日本から多くの商品が押し寄せてきたと述べる筆者は、「日本はODAによって国際的に良いイメージを確立し、欧州や米国を押しのけて中国市場での確固たる地位を築いた」と主張。さらに「中国の急速な現代化」を背景に「日本製品は中国産を圧倒してきた」と述べ、「それによって生じた損失を考えると受けた援助はどれほどのものだろうか」と問いかけた。
「良心的な援助というのは国際的によく見られる」と述べる筆者は、第2次大戦後、米国は欧州に、ソ連は中国に、その後は中国もアフリカに長期にわたって資金援助を行ってきたとし、「しかし、どの国も援助国にひざまずいて感謝を述べることはない」と主張。国家利益で決められる援助政策にあって、「良心」を取り上げるのは「ナンセンス」と締めくくった。(編集担当:畠山栄)
【中国BBS】日本の対中ODA、中国人の意見は「感謝か否か」
サーチナニュース 2012年7月6日
中国大手検索サイト百度の掲示板に「中国は日本から政府開発援助(ODA)で3兆円以上も援助してもらったらしいぞ」というスレッドが立てられた。スレ主が伝えたこのニュースについて中国人ネットユーザーが議論を交わしている。
意見として多かったのは、「ODA援助といっても返さなければならないカネなんだろ」というものだった。
・「そのカネはタダでくれたものではない。返すだけでなく日本製品を買わなければならないという条件もある。だから中国はこの種の報道はしてこなかった」
・「対中ODAは対中貸付金というべきだと思う」
また、過去の歴史を考えれば援助は当然というコメントも少なくなく、「8年間の抗日戦争で日本は中国に5000億ドルの損害をもたらした。日本がそれを返してくれたら感謝のことについて考えよう」などの意見があった。
しかし、援助は援助として感謝すべきだという意見もあり、「とくにインフラ面での援助は認めざるを得ない」、「われわれはありがとうと言うべきだ」、「ODAは返済しなければいけないが、日本は返せとは言ってこない。ODAは確かに中国の助けになった。雑念を捨て去ってありがとうと言うべきだ」などの意見もあった。
だが、全体的には「われわれはまだ発展途上の国だ」と主張し、援助を受けるのは当然と主張するコメントが多かった。(編集担当:畠山栄)