11日の国連総会第3委員会(人権委員会)で、韓国の趙允旋 女性家族相が従軍慰安婦問題を取り上げ、国名は口にしなかったものの事実上日本に言及し、謝罪し法的責任を認めるよう求めました。趙長官(家族相)は女性で慰安婦問題を担当しています。
韓国が人権委員会でこの問題を取り上げるのは3年連続で、これまでは発言の中の一部で言及しただけでしたが、今回は大部分を慰安婦問題に割きました。
安倍首相が先の国連での演説で、「女性が輝く社会をつくる」ことを強調したことと関係があるのかも知れません。
9月30日に、日本に先立って訪韓した米国のヘーゲル国防長官が、朴大統領に対して日本との対話を説いたのに対して、大統領は、「日本の首脳が慰安婦を侮辱する発言を繰り返している」、「時代に逆行した発言を続けている」ため対話が行えないときっぱり断りました。
安倍氏としては、国連演説で「どうぞ右翼とお呼び下さい」と中国を挑発した手前、せめてヘーゲル氏の仲介で韓国とは縒りを戻したかったのですが、見事に肘鉄をくらいました。
日韓首脳の関係も日中首脳間と同様に、悪化の一途をたどっています。
またインターネットでは、安倍首相はオバマ氏からも毛嫌いされているともっぱらの評判です。訪米時における安倍首相と中・韓両首脳とに対する待遇に、大きな隔たりがあったことをみると、それも頷ける話です。
米・中・韓の3首脳との関係が揃って不味い関係にあるのであれば、安倍氏も一度胸に手を当てて考えてみる必要があるのではないでしょうか。
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慰安婦:韓国女性家族部長官、国連総会で演説
朝鮮日報日本語版 2013年10月12日
慰安婦問題担当省庁の閣僚による国連での演説は初
国連加盟国が懸案について話し合う場で
「なぜ、反人道的な犯罪が繰り返されてしまうのか。それは過去の犯罪を十分に清算できないからだ。過ちに対する反省や謝罪が徹底的にできなかったためだ。その端的な例がまさに慰安婦問題だ」
女性家族部(省に相当)のチョ・ユンソン(趙允旋)長官(47)は今月11日午前(現地時間)、米国ニューヨークで行われた国連総会第3委員会で演説し、旧日本軍の元慰安婦たちに対する日本側の謝罪を求めた。第3委員会は、国連の各加盟国が社会的または人道的、文化的な問題について話し合う場だ。韓国政府はこれまでにも、ほかの省庁のトップが出席して慰安婦問題に言及したことがあるが、元慰安婦たちに対する政策を担当する女性家族部長官が出席したのは今回が初めてだ。また、慰安婦問題だけについて演説を行ったのも初めてだ、と同部は説明した。
チョ(趙)長官は演説で「10万人と推定される元慰安婦たちのうち、韓国人の生存者は現在56人にすぎない。皆10代の少女だったときに強制的に動員され、1日に10-30人の軍人たちの相手をしなければならなかった上、囚人のような生活を強いられた。韓国政府が生活費や医療費などの支援を行っているが、物質的な支援だけでは元慰安婦たちの心の傷を癒やすことはできない。元慰安婦たちの心の傷を癒やす唯一の道は、当事国の心のこもった謝罪と、責任のある措置の履行、そしてこの問題についての歪曲(わいきょく)された歴史を正すことだ。当事国の謝罪と責任のある措置を求める」と述べた。
また、チョ(趙)長官は「慰安婦問題は特定の国家だけの単なる外交的な紛争ではない。人類の歴史に消えることのない傷を残さないよう、国際社会のさらなる関心や支持をお願いしたい」と述べ、演説を締めくくった。
チョ(趙)長官は12日午前、ニュージャージー州バーゲン郡にある慰安婦記念碑を訪問し、記念碑の建立に貢献した同郡韓人(韓国系米国人)共和党のポール・リー委員長などと面会する予定だ。慰安婦記念碑は第2次世界大戦当時、日本軍によって「性的奴隷」となることを強要された韓国や中国、台湾、フィリピンなどの女性、少女たちを追悼するため、今年3月に建立された。
また、チョ(趙)長官は9日、米国議会で旧日本軍の慰安婦問題に関する決議採択を主導したマイケル・ホンダ下院議員(民主党、カリフォルニア州選出)と面会した。チョ(趙)長官はホンダ議員に対し、これまで元慰安婦たちのためにさまざまな活動をしてきたことに対する謝意を述べ、将来にわたる支持や協力を要請した。 キム・ヨンジュ記者