8月から生活保護基準額が引き下げられたことに対して、全国の生活保護利用者が行った不服審査請求が1万件を突破しました。
この引き下げは、社会保障審議会の報告書を厚労省が強引に捻じ曲げ、且つデフレによる物価下落を5.7%と過大に算定して行ったもので、安倍政権の社会保障切り捨て計画の第1弾です。しかも参院選に影響が及ばないように選挙の後に実施されました。
もうじき消費税も上がり物価も上がるので、生活保護者にとっては大変な打撃になることが分かっていながらよく実施できたものです。
生活保護者は、生活保護費の減額を知った日の翌日から60日以内に、都道府県知事に対して、減額を取り消すよう不服申し立てができます。知事の裁決は50日以内に出ますが、裁決に不服であれば提訴や再審査請求ができます。
憲法で保障されている生存権を守り、国に実施させるための権利です。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
生活保護引き下げに反撃 不服審査請求1万件超
“これでは生きられない”
しんぶん赤旗 2013年10月12日
安倍自公政権が8月から実施した生活保護基準額の引き下げをめぐり、全国の生活保護利用者が行政に対し一斉に行った不服審査請求が1万件を突破しました。生活保護や貧困問題に取り組む諸団体が11日、厚生労働省で記者会見し、報告しました。
----------------------------------------------
安倍政権は、世帯平均6・5%、最大10%の保護基準額引き下げにより段階的に670億円の保護費削減をすすめようとしています。
審査請求は全都道府県に及び、合計で1万191件(別表 添付省略)に上りました。「生活保護基準引き下げにNO! 全国争訟ネット」共同代表の尾藤廣喜弁護士は「このままでは生きていけないという当事者の怒りの表れ」とのべました。
全国生活と健康を守る会連合会の安形義弘会長は、「いままで声を上げられなかった生活保護利用者が主役になった運動でもあると思う。さらに広げて、世論をつくりたい」と話しました。
「STOP! 生活保護基準引き下げ」アクション呼びかけ人代表の宇都宮健児弁護士は、政府の社会保障審議会生活保護基準部会の委員の“物価が上がれば保護費は上げるものと了解している”という発言を紹介。「物価も上がり、消費税増税も実施されれば利用者にとってはトリプルパンチ。基準部会に利用者や支援者を入れ、実態を十分に調査すべきだ」と指摘しました。
会見に先立ち、生活保護基準引き下げの撤回と、同部会での慎重な検討を求める要望書を田村憲久厚労相と、駒村康平部会長あてに提出しました。
----------------------------------------------
審査請求
生活保護費の減額を知った日の翌日から60日以内に、都道府県知事に対して、減額を取り消すよう不服申し立てができます。書面などの審理をへて、申し立てから50日以内に知事による裁決が出ます。裁決に不服であれば提訴、もしくは厚生労働大臣に再審査請求ができます。