安倍首相は17日の国会で、TPP交渉において「守るべきものは守り、攻めるべきは攻め、国益を追求する」と強調しました。
アメリカの要求はすべて呑み、アメリカの言うがままに年内決着を叫び、TPPの強制力・諸悪の根源であるISD条項の盛り込みをアメリカと一緒になって説いていることを知らされている国民にとって、これほど空虚な言葉もありません。
16日の質疑応答では、福島の汚染水漏れについて、これまでの「完全にブロックされている・状況はコントロールされている」に代えて、「全体として状況はコントロールされている」と述べました。さすがに「完全にブロック・コントロールされている」が虚偽であったことの自覚はあったようです。
しかし「全体として・・・」というのであれば、途中の過程では色々あるが最終的に「外洋には流出してない」ということでなければなりません。
現状は勿論そうではないので、首相の表現は虚偽を重ねたに過ぎません。
東電の破綻処理についても、「引き続き民間企業として損害賠償や廃炉、汚染水対策、電力安定供給を確実に実施していくべきだ」と述べて、否定しました。
賠償も廃炉も汚染水対策も一向に埒が明かないのに、引き続き東電にそれらへの対応に当たらせるということは、現状がそのまま維持されるということです。供給される国費のうちから巨大な額が銀行への返済と利払いに消えているという現実も勿論継続されます。
仮にいずれ東電が返済するとしてもすべては電気料金の値上げで賄われます。
東電を破綻させれば電力の安定供給ができなくなるかのごとき発言も虚偽で、日航が破綻したときでも日航機はちゃんと飛び続けました。
東電を破綻させない真の理由は別にあります。それを隠すためのウソの上塗りに過ぎません。
「息を吐くようにウソをつく」という言葉があります。国民に対してこれほどあからさまなウソをつき続けるのは尋常なことではありません。よほど不誠実な人間であるのか、または虚言癖の持ち主なのか、そのどちらかです。
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首相 TPP「国益追求に変更ない」
NHK NEWS WEB 2013年10月17日
国会は参議院本会議でも代表質問が始まり、安倍総理大臣はTPP=環太平洋パートナーシップ協定について、交渉はこれから本格化するとしたうえで「『守るべきものは守り、攻めるべきは攻め、国益を追求する』政府の方針に何ら変更はない」と強調しました。
この中で、民主党の郡司参議院議員会長は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉について「政府・自民党は重要5項目の中でも品目ごとに関税を撤廃できるか検討に着手するとしているが、当初から政府・与党には最終局面では品目別の関税撤廃を検討する了解事項があったのではないか」とただしました。
これに対し、安倍総理大臣は「指摘のような了解事項が政府・与党間にあった事実はなく、交渉はこれから本格化する。『守るべきものは守り、攻めるべきは攻め、国益を追求する』政府の方針に何ら変更はない。今後ともできるかぎり国会への情報提供に努め、国民の声をしっかり踏まえて、交渉を通じ国益を実現していく」と述べました。
(後 略)
「全体として制御」汚染水問題、首相が微修正 衆院代表質問始まる
東京新聞 2013年10月17日
安倍晋三首相は十六日、衆院本会議で行われた各党代表質問で、東京電力福島第一原発事故の汚染水漏れ問題について「全体として状況はコントロールされている」と述べた。首相はこれまで「完全にブロックされている」「状況はコントロールされている」と発言してきたが、「完全に」を省き「全体として」という表現を加えて発言を微修正した。
首相は「貯水タンクからの汚染水漏えいなど個々の事象は発生しているが、放射性物質の影響は港湾内の〇・三平方キロメートルにブロックされている。このため全体として状況はコントロールされていると考えている」と説明した。
(後 略)
首相、東電の破綻処理を否定 「民間企業として賠償」
東京新聞 2013年10月17日
安倍首相は17日午後の衆院本会議で行われた代表質問で、東電福島第1原発の汚染水漏れをめぐって東電を法的に破綻処理することに否定的な考えを示した。「引き続き民間企業として損害賠償や廃炉、汚染水対策、電力安定供給を確実に実施していくべきだ」と述べた。みんなの党の渡辺代表と、共産党の志位委員長が破綻処理を求めたのに対する答弁。
野田政権が2011年12月に原発事故の収束宣言をしたことに関し「今なお厳しい避難生活を強いられている被災者のことを思うと、私は収束と言う気になれない。私の政権で収束と言ったことはない。国が前面に出て果たすべき責任を果たす」と強調した。(共同)