2019年12月7日土曜日

安部首相はかつてジャパンライフ山口会長と訪米、父親の秘書として

 国民民主党など主要野党は6日、第13回「桜を見る会」追及本部ヒアリングを国会内で開催し、内閣府、消費者庁に対し、主にジャパンライフ山口元会長と安倍総理の関係、電子媒体名簿の復元、安倍昭恵夫人からの推薦などについて質疑が行われまし
 その中で、1984年9月、安倍晋太郎外相(当時)の訪米にジャパンライフの山口隆祥会長が 息子の安倍晋三・大臣秘書(当時)と共に同行していたことが分かりました。安部首相は12月2日の参院本会議で、ジャパンライフの山口会長との関係について、「個人的な関係は一切ありません」と答弁していますが、虚偽と言ってよいと田中龍作ジャーナルは報じています。

 日刊ゲンダイは、マルチまがいで35万人の会員をかき集め、2年間で約220億円荒稼ぎし、201710月に消費者庁から一部業務停止命令された48(よつば)ホールディングス」の淡路明人前会長を昭恵夫人枠で16年の「桜を見る会」に招待した可能性があると報じました。同氏はジャパンライフ「取締役香港支社長」の肩書16年)も持っています。

 また日刊ゲンダイ独自入手した15度のジャパンライフ「お中元発送リスト」によると、発送先計145人のうち40人が国会議員でうち30人が与党議員でした。リストの表題には〈お中元発送先(会長)〉と記されており、山口氏の名前で送られたことが推察できます
 そのリストには安倍晋三、菅義偉、麻生太郎、高村正彦、下村博文、加藤勝信、二階俊博、茂木敏充 ・・・ などが載っています。

 田中龍作ジャーナルと2つの日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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アベ首相虚偽答弁 ジャパンライフ会長と訪米
田中龍作ジャーナル 2019年12月6日
  【写真説明】「桜を見る会」追及本部ヒアリング。安倍晋三氏がジャパンライフの山口会長と共に訪米していたことが判明すると どよめき が起きた。=6日、衆院16控室 撮影:田中龍作=

 また安倍首相の虚偽答弁が明らかになった。
 1984年9月、安倍晋太郎外相(当時)の訪米にジャパンライフの山口隆祥会長が同行していたのだが、息子の安倍晋三サンも一緒だったことが判明した。
 外務省がきょう6日、野党に提出した渡航履歴に「大臣秘書官・安倍晋三」と記されていたのだ。
 この訪米に山口会長が同行していたことは、晋太郎外相が1986年2月、衆院予算委で認める答弁をしている。
 晋三首相は12月2日の参院本会議で、ジャパンライフの山口会長との関係を問われたのに対して「個人的な関係は一切ありません」と答弁していた。
 訪米を共にし父親とも親しかった山口会長と「個人的な関係が一切ない」と言うには無理がある。虚偽答弁と言ってよい。

  【写真説明】外務省が提出した渡航履歴書。中段あたりに「秘書官 安倍晋三」とある。山口会長の訪米同行は父親の晋太郎外相が国会で認めた。

 山口会長を「桜を見る会」に招いていたことで、ジャパンライフの被害者から国が訴えられる可能性も出てきた。理由はこうだ―
 2015年3月、山口会長に「桜を見る会」の招待状が内閣府から届く。招待状に同封されていた受付票の番号は「60‐2357」。60は安倍首相の推薦枠だ。
 山口会長は招待状と受付票を形勢逆転の宣伝材料に使った。詐欺まがい商法で消費生活センターに苦情が相次ぎ経営が行き詰っていたからだ
 2014年に消費者庁はジャパンライフに立ち入り調査する予定だったが、人事異動で取りやめになった。
 消費者庁は内閣府の外局である。忖度による人事、そして立ち入り調査の中止だったと見るのは穿ち過ぎだろうか。立ち入り調査の中止で、結果として詐欺被害は拡大した。
 安倍首相の推薦枠は当初報道にあった1千人どころではない。少なくとも3千人超であったことが受付票の番号から明らかになっている。
 公金を使った大規模な公選法違反。詐欺被害の拡大。虚偽答弁。
 総理辞任では済まない。議員辞職が妥当だ。   ~終わり~


「桜」昭恵夫人枠に新たなマルチ“北海道の闇紳士”招待疑惑
日刊ゲンダイ 2019/12/06
 7年間で少なく見積もっても計143人――。共産党の独自分析で桜を見る会の「昭恵夫人枠」の一端が見えてきたが、この“悪党”も彼女の推薦だったのか。
 安倍夫妻の後ろで笑みを浮かべて写っているのは、北海道の「48(よつば)ホールディングス」の淡路明人前会長だ。同社は「公開前に購入すれば、1カ月半後には10倍に値上がりする」などと偽って仮想通貨を販売。マルチまがいで35万人の会員をかき集め、2年間で約220億円の荒稼ぎ。2017年10月に消費者庁から一部業務停止命令をくらった「いわく付き」である。
 写真はSNS上で拡散されているもので、昭恵氏がフェイスブックに投稿した写真の服装から、48HDが行政処分を受ける前年、16年4月の桜を見る会の「前夜祭」で撮影されたとみられる。また、桜を見る会で淡路氏が菅官房長官、片山さつき前地方創生相と一緒にいる写真もSNS上では飛び交っている。

 昭恵夫人と淡路氏は他にも接点があるようだ。撮影時期は不明ながらも、ホテルの宴会場らしき場所で撮られたツーショットまで出回っているのだ。
 48HDはジャパンライフとの接点もある。渡辺道也前社長は16年のジャパンライフの会社案内で「取締役香港支社長」の肩書で紹介されていた。「山口隆祥元会長と関係が深く、ネットワークビジネス業界では知られた存在」(専門紙記者)という。
 北海道の“闇紳士”がなぜ、安倍の地元後援者だらけの前夜祭から桜を見る会に参加し、昭恵夫人と仲むつまじい写真まで存在するのか。私人であるはずの「昭恵夫人枠」での招待を疑わざるを得ない


安倍政権中枢総ぐるみ ジャパンライフ汚染議員30人の名前
日刊ゲンダイ 2019/12/06
 2015年の「桜を見る会」に長年、悪徳商法が問題視されてきた「ジャパンライフ」の山口隆祥元会長が招待されていたことで、改めて政界との“蜜月”関係に注目が集まっている。監督官庁の消費者庁が「政治的背景による余波」を懸念し、ジャパンライフに「手心」を加え、立ち入り検査を見合わせていた可能性が浮上しているからだ。
 消費者庁は5日の野党追及本部で「手心」を否定したが、経緯はどう見ても怪しい。13年ごろからジャパンライフの悪質性を把握していた同庁は14年5月、同社への立ち入り検査を検討していたが、同年7月に取引対策課長が交代した途端、検査は中止。同7月31日付の職員らによる新任課長への説明文書には〈本件の特異性〉〈政治的背景による余波懸念〉と政治家への“忖度”をにおわせる記載があった。
 消費者庁の方針転換は、ジャパンライフのバックに安倍政権の“お歴々”の影がチラついたからではないのか。日刊ゲンダイの調べで、多くの与党国会議員に同社との接点があることが分かった。その数は30人にも上る(別表)

■独自入手「お中元発送票」には“アベ友”ズラリ
 日刊ゲンダイは、15年分のジャパンライフの「お中元発送リスト」を独自入手。発送先計145人のうち、40人が国会議員。30人が与党議員だった。リストの表題には、〈お中元発送先(会長)〉と記されており、山口氏の名前で送られたことが推察できる。
 お中元リストには、安倍首相菅官房長官麻生財務相のほか、甘利税調会長世耕参院幹事長稲田幹事長代行ら“アベ友”の名前がズラリ。政権中枢は総汚染だ。公明党の山口那津男代表の名もあり、元会長がいかに幅広く政界人脈を築き上げていたかがうかがい知れる。
 さらに、桜を見る会に元会長を招待した安倍首相に加え、加藤厚労相二階幹事長もジャパンライフの広告塔になっている。日刊ゲンダイが入手した同社の宣伝チラシには、加藤と二階の顔写真が載っていた。
 下村選対委員長もズブズブだ。代表を務める政党支部が14年12月、ジャパンライフから献金10万円を受領した。結局、消費者庁は15年9月以降、ジャパンライフへの立ち入り検査を実施。4日の参院地方創生・消費者問題特別委では、共産党の大門実紀史議員が「(消費者庁の押収資料に)下村元文科相が載った宣伝チラシがあるはず」と指摘した。
 ある政界関係者によると、「ジャパンライフの被害者から『下村大臣の名前が載った宣伝チラシを見せられた』という目撃情報が上がっている」という。
 テレビ東京の報道では、ジャパンライフの社長だった相川孝氏が1984年の研修会で「中曽根内閣には私のお友達が10人いる」と豪語。時の政権との“蜜月”を背景にしているのは35年前から変わらない。モリカケ問題同様、行政が歪められた末に悪徳企業は生き永らえてきたに違いない

 中元リストに記載された議員30人(順不同 末尾の2人は公明党議員)
安倍晋三、菅義偉、下村博文、加藤勝信、二階俊博、麻生太郎、高村正彦、茂木敏充
岸田文雄、世耕弘成、稲田朋美、甘利明、森山裕、大森理森、田中和徳、衛藤最一
河村建夫、竹下亘、小野寺五典、平沢勝栄、額賀福志郎、石破茂、谷垣禎一、船田元
加治屋義人、長谷川岳、三原朝彦、細野豪志、山口那津男、宮田茂之