2019年12月25日水曜日

25- 「桜を見る会」招待状 「60」は「総理枠」の決定的証拠

 共同通信は、参院内閣委員会23日、今年の「桜を見る会」一部の招待状に付された60の区分番号について担当者に聞き取った結果として官邸や与党の枠だったと明らかにしたと報じました
 これについてまるこ姫は、「これまで一切知らぬ存ぜぬで切り抜けて来たものを、急に60番代は官邸や与党の枠だと認めたのは、国会も閉幕し報道場面も少なくなるし、年末で『桜を見る会』問題への関心が弱まっているので 頃合いかと考えた(要旨)」のだと述べています。
 バレバレの話をいつまでも隠し通せるわけがないので、確かにこの辺が頃合いなのですが、これでジャパンライフの山口隆祥・元会長への招待状を出した人物が安部首相であったことが明らかになった以上、ただでは済まされません。
 山口元会長が、首相からの招待状こそが自分への信用が如何に高いものであるかを示していると大宣伝して、総数6800人、被害総額2400億円のうちの少なからぬ部分の出資に向けて活用したことが明らかにされているからです。

 マルチ商法でのし上がってきた山口ジャパンライフの不正な営業は30年以上も前に国会で取り上げられ、その後も似たような営業を行っては倒産を繰り返しているのですから、そのいかがわしさは政界でも周知されていました。
 父親の安倍晋太郎氏が山口隆祥・元会長と懇意で、父の秘書をしていた時に彼らの訪米にも同行してしたという晋三氏がそのことを知らない筈がありません。
 普通の人間であれば道義的責任を感じて身を処するものなのに、知らぬ存ぜぬで押し通せると思っているのでしょうか。

 LITERAが取り上げました。
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「桜を見る会」招待状の“「60」は「総理枠」”を示す決定的証拠が発見! 
悪徳マルチ・ジャパンライフ会長を招待したのはやっぱり安倍首相
LITERA 2019.12.24
 安倍首相へのスペシャルなクリスマスプレゼントが野党議員から飛び出した。以前から指摘されてきた「桜を見る会」の受付票に記された招待区分番号「60」が、総理大臣枠であることを明確に示す資料が出てきたからだ。
 この招待区分「60」が「総理枠」ではないかという疑惑が浮上したのは、11月25日におこなわれた参院行政監視委員会でのことだった。この日、共産党・田村智子議員は2015年の内閣府作成の仕様書では「総理、長官等推薦者が60〜63」に振り分けられているとし、「この順番で考えれば、“60”というのは総理が推薦している方の招待区分ではないのか」と指摘。一方、「桜を見る会」の招待状を顧客獲得の宣伝に使っていたジャパンライフの山口隆祥会長(当時)がその宣伝チラシに載せていた受付票に「60-2357」とナンバリングされている事実から、山口会長を招待したのは安倍首相なのではないかと追及したのだ。

 だが、この「60」問題について、政府はずっと人を食ったような態度で逃げつづけた。11月29日の野党合同ヒアリングでは、野党側が内閣府に“招待区分を知る職員に60〜63番の違いを確認してほしい”と要求し、酒田元洋官房総務課長は「承知しました」と回答していたのだが、12月3日のヒアリングで酒田官房総務課長は「当時の担当者が特定できるということは申し上げたが、確認をするというところまで確約したかというと……」「私どもでどう対応するかまでは『わかりました』と申し上げたわけではない」などと回答。その上、今月17日の衆院内閣委理事会では、内閣府と内閣官房の担当者は「配送するため便宜的につけたもので、それ以上調査する必要はない」と調査自体を拒否したのだ。

 言っておくが、野党側は憲法62条に規定された議院の国政調査権にもとづいて調査を要求しているにもかかわらず、それを政府は事実上「調査するつもりはない」と拒否したのである。つまり、立法府の軽視という以上に、憲法違反とも言える態度をとったのだ。
 こうした態度に批判が起こったためか、昨日23日の参院内閣委員会理事会では内閣府の大塚幸寛官房長が職員への聞き取りの結果として「60番台は従来、官邸や与党の関係だった」と報告。しかし「招待者名簿を廃棄しているため、個別の番号については定かではない」と、「60」が「総理枠」なのかどうかについては回答しなかった。
 このように、約1カ月にわたって国民を愚弄しつづけてきた政府だったが、しかし、それももはや通用しない。冒頭に記したように、きょうになって決定的な資料が出てきたからだ。
「桜を見る会」問題を最初に国会で追及した共産党・宮本徹議員は、きょう午前、「国立公文書館にいます」とツイートし、そこに一枚の画像をアップした。それは「平成17年桜を見る会」の「分野別招待者数」という公文書だ。この年の主催者、つまり総理大臣は小泉純一郎氏だ。
 その資料に目を通すと、招待区分番号と招待者内訳、その人数などが明記されている。そして、問題の60番台は「総理大臣推薦者」として、こう振り分けられているのだ(括弧内は編集部注)。

〈総理大臣推薦者(人数)2,420(人)
 60/総理大臣 (人数内訳)737(人)
 61/自民党 (人数内訳)1,483(人)
 62/公明党 (人数内訳)200(人)
 63/(空欄)
官房長官等推薦者(人数)324(人)
 65/官房長官 (人数内訳)132(人)
 66/官房副長官 (人数内訳)192(人)〉

 田村智子議員が指摘した際の2015年の仕様書では、招待区分〈総理・長官等の推薦者〉が60〜63、〈与党推薦者〉が64・65となっており、この平成17(2005)年「桜を見る会」の公文書とは61以降に多少のズレが見られるが、「10」が「国会議員」の枠であることや、「20」が「国務大臣」「副大臣、政務官、認証官及び各省庁局長以上の者」「東京都、道府県知事・議長等」、「30」が「元国会議員」「歴代総理大臣、同未亡人」「前事務次官等」、「70」が「報道関係者」、といった区分にはまったくズレがない。

被害者7000人の悪徳マルチ商法・ジャパンライフ会長を招待したのは、やっぱり安倍首相!
 そして昨日、大塚官房長が「60番台は従来、官邸や与党の関係だった」と認めたこととも、この2005年の公文書は符号する。区分番号を毎年踏襲してきたという大塚官房長が認めた事実を踏まえても、「60」が「総理大臣」による推薦者を示す区分であることは、もはや疑いようもない。
 つまり、野党が追及してきたとおり、やはり「60」は「総理枠」であり、悪徳マルチ商法のジャパンライフ山口会長を招待したのは、紛れもなく安倍首相だったのである。
 しかも、だ。2005年の「桜を見る会」の出席者数(招待者数は不明)は約8700人と当時官邸は発表していたが、今回発掘された「分野別招待者数」を見ると、上述したようにこの年の総理大臣枠の招待者数は737人で、「自民党」の推薦者も1483人となっている。一方、今年の「桜を見る会」の出席者数は約1万8200人で、招待者の内訳について菅官房長官は「総理枠」は約1000人、自民党関係者の推薦が約6000人と説明している。
 2005年と今年を比較すると、出席者数は約1万人も増加し、自民党からの推薦者も約4倍に膨れ上がっているのに、「総理枠」はたったの300人しか増加していないというのは不自然と言わざるを得ない。
 実際、菅官房長官の説明はほんとうに正しいのかと疑問が呈されてきた。というのも、今年は総理と副総理・官邸幹部の招待者数は合計で約2000人なのに、出席者数が1万4000人だった2014年は「総理、長官等」の招待者数が「3400人」だったことが内閣府の作成した仕様書で明らかになっている。出席者は約4200人も増えているのに、総理・官邸枠招待者数は減っているというのはあまりにも不可解だからだ。
 さらに、「60」という区分で招待された人たちに割り振られた下4桁の番号に着目すると、「総理枠」は約1000人になど収まらないのではないかという指摘もある。たとえば、今年「桜を見る会」に「60」の区分で招待されていた、選挙で安倍首相が遊説をおこなうとかなりの頻度で目撃されている熱烈な支持者であるM氏という人物がSNS上にアップしていた受付票を見ると「60-4908」とナンバリングされているのだ。
 ナンバリングの際に番号を飛ばしている可能性もゼロではないため、この数字がそのまま人数となるかどうか断定はできないが、招待者数が今年より約1万人も少ない2005年時点で「総理枠」が737人におよんでいたことを考えれば、今年の「総理枠」が約1000人などではなく、自民党枠と同様に数倍に膨れ上がっていたのではないかという疑惑はさらに濃厚になったと言えよう。

 ともかく、「60」が「総理枠」であることを示す決定的証拠が出てきたかぎり、安倍首相はジャパンライフ山口会長の招待理由について明確にし、さらには「総理枠」の招待者数が一体何人なのか、その招待基準はどんなものだったのか、データを復元させて証拠を出し、国民に説明する義務と責任がある。これは約7000人にも及ぶ多くの被害者を生んだ事件と絡んだ重要な問題だ。これ以上、逃げることは許されない。 (編集部)