2019年12月30日月曜日

30- カジノ汚職の背後に「安倍・麻生vs菅・二階」の権力闘争(日刊ゲンダイ)

 先には菅原一秀・前経産相と河井克行・前法相がカネ問題で連続辞任し話題になりました。小泉進次郎・環境相の政治資金に関する疑惑とかなり乱脈な女性関係を一部の週刊誌が報じました(TVや一般メディアでは取り上げられませんでした)。さらには、和泉洋人・首相補佐官厚労省の女性官僚との“不倫出張疑惑”やヘリパッド工事での業者への便宜供与疑惑が報じられました。以上の4人は全て菅官房長官の息がかかった人たちです。

 そして国会の閉幕を待って秋元司・前内閣副大臣が収賄容疑で逮捕されまし
 こちらは二階幹事長の派閥議員で、実はこの件で、自民党内背景に「安倍・麻生」連合と「菅・二階」ラインの権力闘争があると見られるようになったということです。
 まず週刊誌にリークして取り上げさせ「事件化」するのは官邸がこれまでも用いてきた方法で、安倍首相が官邸ポリスの活用に殊のほか熱心だったのは知る人ぞ知るです。
 逆に安倍首相系の人物はこれまで決して逮捕や立件はありませんでした。それは検察が敢えてそうしなかったからでした。 
  ⇒ 安倍首相“史上最長”を可能にした「検察の不正義」 毎日新聞 19年11月19日)
(  但し有料記事のため一部しか公開されていません)

 日刊ゲンダイは「特捜部は決して正義の味方ではない。これまで安倍首相の取り巻き連中の疑惑はことごとく見逃してきたのだ。小沢一郎衆院議員の陸山会事件や日産のゴーン事件でも分かるように、恣意的な捜査や政治的な忖度はお家芸と言っていい。安倍・麻生連合と結託した特捜部が、政敵潰しに動いた可能性を否定できないのが、今の日本の情けないところだ」と述べています。
 検察が政権の「走狗」となり果てるとは実に情けない話です。
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カジノ汚職の背後に「安倍・麻生vs菅・二階」権力闘争激化
日刊ゲンダイ 2019/12/28
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業を巡る汚職事件で、衆院議員の秋元司容疑者が収賄容疑で逮捕された一件が、自民党内で疑心暗鬼を生んでいる。背景に「安倍・麻生」連合と「菅・二階」ラインの権力闘争があるとみられているのだ。
 官邸内の権力闘争激化がまことしやかに語られる理由は、臨時国会以降、菅官房長官に関係する政権スキャンダルが相次いでいることだ。まず、菅氏の側近として知られる菅原経産相河井法相が立て続けに「政治とカネ」で辞任。菅氏と急接近していた小泉環境相も、今週発売の「週刊文春」に人妻の実業家との不倫や、政治資金の不透明な使途を報じられた。
 9月の内閣改造で菅氏がねじ込んだ“菅人事”とされる3人が、いずれも週刊誌のターゲットになり、さらには菅氏の腹心の部下である和泉首相補佐官までもが、厚労省の女性官僚との“不倫出張疑惑”をスッパ抜かれている。「令和おじさん」でポスト安倍に躍り出た菅氏を追い落とすため、安倍首相の周辺がスキャンダルをリークしているとみる向きは少なくない。
「側近のスキャンダルで失速した菅長官にとっては、IR疑獄の事件化も追い打ちです。IRの旗振り役が菅長官と二階幹事長だった。しかも、逮捕された秋元議員は二階派で、二階幹事長にも大きなダメージです」(自民党中堅議員)

 そんな折も折、菅氏と二階幹事長が26日に会食。森山国対委員長やタレントの杉良太郎らも同席したというが、IR疑獄で渦中の2人が直接会い、いったい何が話し合われたのか。
会食は二階幹事長が呼びかけて実現したそうです。表向きは、年明けの通常国会の運営などについて、国対委員長も交えて意見交換する名目ですが、当然、IR疑獄の広がりや見通しも話し合われた。麻生副総理と対立関係にある菅官房長官は、二階幹事長と連携して、ポスト安倍を取りにいくとみられていました。このタイミングでの会食は臆測を呼んでいます」(自民党国対関係者)

政権つぶしと「桜」隠し
 秋元議員は9月まで内閣府の副大臣としてIRを担当していた。任命責任は安倍首相にあるはずなのに、この事件で安倍首相が他人事のような顔をしているのも気になる。秋元議員の逮捕についてダンマリを決め込んできた安倍首相は、27日のBS番組の収録で初めて、「副大臣を経験した現職の国会議員が逮捕されたことは誠に遺憾だ」と事件に触れた。
「事件が大きくなれば首相も無傷では済まないでしょうが、秋元議員の逮捕でメディアがIR疑獄に飛びつき、結果として『桜を見る会』の疑惑は下火になった。桜を見る会は首相自身の疑惑なので、メディアや野党は継続して追及していく必要があるでしょう。また、IR疑獄は秋元議員ひとりの問題で終わってしまうのか。今後の特捜部の動きにも注目です」(政治ジャーナリスト・山田厚俊氏)

 特捜部は決して正義の味方ではない。これまで安倍首相の取り巻き連中の疑惑はことごとく見逃してきたのだ。小沢一郎衆院議員の陸山会事件や日産のゴーン事件でも分かるように、恣意的な捜査や政治的な忖度はお家芸と言っていい。
「安倍・麻生」連合と結託した特捜部が、政敵潰しに動いた可能性を否定できないのが、今の日本の情けないところだ。