2023年10月5日木曜日

~ ロシア渡航の鈴木宗男議員を袋叩きする日本人の平和ボケ

 ロシアに行って、ルデンコ外務次官と会談をした鈴木宗男・参議院議員に対して、SNS上では、「こんな売国奴はもう二度と戻ってこなくていい」「日本が税金で応援をしている戦争の相手国にすり寄るなど国賊ものだ」などと、怒りを爆発させているということです。

 このところの日本社会のムードは、いま鈴木氏の行動を擁護しようものならたちまち袋叩きにされるという感じですが、ノンフィクションライターの窪田順生氏は、敢然と掲題の記事を出しました。言論人としては正に勇気の要る行為で、その説くところには極めて説得力があります。
 そもそも米国一辺倒の岸田内閣の了解を得なくてはロシアに渡るべきではないとか、ロシア政府の要人と接触してはいけないというような主張は余りにも退嬰的で、ひたすら現状維持に徹するというものでしかありません。

 1991年初頭に始まった湾岸戦争では、イラク在住の日本人46人(家族含む)が事実上の人質りました。そのときプロレスラーとして中東でも抜群の知名度があったアントニオ猪木参議院議員は、戦端が開かれる直前の90年12月にイラクに乗り込んで「スポーツと平和の祭典」を開催し、最終的にフセイン大統領と交渉をして46人全員救出しました。
 当時の日本政府が憲法9条の制約の下、連合軍に加わらなかったことも大いに幸いしたと思います。それに比べると岸田政権はあたかもNATOの一員であるかのように振る舞って、ウクライナを支援する一方でロシアを非難しています。
 見逃すべきでないことは、当の米国でさえも米政府とロシア政府の対話チャンネルを維持していることです。対して日本は目下、邦人1321人がロシアで生活し、ロシアに380の企業拠点がある(22年10月の時点)のですが、そうした人たちの安全について岸田首相がどう考えているのかが何も見えません。何も考えていないとしか思えません。
 いま岸田首相に求められるのはNATOの一員と錯覚して舞い上がることではなく、鈴木氏のように個人ベースでのロシアとのチャンネルを出来るだけ多数構築することです。
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「売国奴」「国賊」…ロシア渡航の鈴木宗男議員を袋叩きする日本人の平和ボケ
                  窪田順生 ダイヤモンドオンライン 2023.10.5
                        ノンフィクションライター
「政治家のくせに政府を介さずに外交」は悪いのか?
「ロシアのスパイが祖国に帰ったぞ!」
「こんな売国奴はもう二度と戻ってこなくていい」
「日本が税金で応援をしている戦争の相手国にすり寄るなど国賊ものだ」
 ロシアに行って、ルデンコ外務次官と会談をした鈴木宗男・参議院議員に対して、愛国心あふれる人々の怒りが爆発している。所属政党「日本維新の会」への届出をせず海外渡航をしたことで処分が検討されているというニュースが報じられて、火がついた形だ。
 怒れる人々の意見を見ていると、鈴木氏が「国賊」と叩かれている理由がだいたい以下に集約される。
「政治家のくせに政府の渡航中止勧告を無視して、政府を介さずに外交をしているところが許せない」
 ただ、この主張はかなりユニークだ。国際社会では、戦争終結のためならば、あらゆる対話チャンネルを活用するのは「常識」だからだ。市民の犠牲をなくすため、戦争当事国にあらゆる方向から対話をする。そこでは、さまざまな人間が政府を介さずに水面下で接触・対話をするということは珍しくないのだ。
 そういう意味でも、筆者としては、鈴木氏の「個人外交」は悪くないと思っている。また、国会議員がけしからんというが、国会議員だからこそ、ロシアのような国に行くべきだとも考えている。なぜか。

「対話」でしか終わらぬ戦争、今対話できるのは誰か
 例えば、今年4月にアメリカの元政府高官らがニューヨークでロシアのラブロフ外相と極秘会談し、停戦に向けた交渉の糸口を探っていた、ということをアメリカのNBCテレビが報じた。
 この元政府高官はバイデン政権の指示で動いたわけではない。つまり、立場としては鈴木宗男氏とほぼ同じ「政府を介さない個人外交」をしていたわけだ。
 この報道後、アメリカ社会で「なに?ロシアの高官と政府を介さずに会談をしただと?そんな国賊はさっさと捕まえて反逆罪にしろ!」みたいな大騒ぎにはなっていない。これでわかるように、泥沼化した戦争を終結させるために、公式・非公式を問わずありとあらゆる「対話チャンネル」を利用することは当たり前だ。実際、報道によれば、この元高官が得た情報は、ホワイトハウスに共有されたという。
「政府を介した外交」だけではどうしても建前的な対話しかできないので、戦争や紛争のような国家間の利害が衝突する「本音ベース」の対話ができない。政府の会談内容はオープンにされるので、自国民にもどんな交渉をしたのかが伝わって、政権の支持率などにも露骨に影響が出てしまうからだ。
 昨年11月、アメリカのジェイク・サリヴァン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が、アメリカの利益のために、アメリカ政府とロシア政府の対話チャンネルは開かれたままだと認めたように、この泥沼化した戦争を最終的に終わらせるのは、「対話」しかないことは明らかだ。
「戦争」というものを映画やマンガでしか知らない人は、「悪の帝国」を正義の国が団結してみんなで追いつめて、独裁者プーチンが「私が悪うございました」と泣いて降参してめでたしめでたし……という理想的なストーリーを思い描いているだろうが、現実世界でそのような終わり方をした戦争はほとんどない。
 相手の軍は撤退しても内戦が長期化するとか、国が分断されるとか悲惨なことになって、今以上に多くの人が死ぬ。最悪、かつての日本のように「一億総玉砕」とか徹底抗戦を叫んでいるうちに、核兵器などの大量破壊兵器を使われる恐れもある。
 しかも、西側諸国と日本はそれなりに団結しているが、世界にはロシアの「友好国」や「中立国」が山ほどある。つまり、1年くらい前に盛んに言われた、「ロシアを国際社会の中で孤立させて戦争をやめさせる」というのは夢物語に過ぎないのだ。だから、国連もどうにかしてプーチンと「対話」しようとしている。
 そういう世界の現実を踏まえれば、ロシアとズブ……ではなく、太いパイプのある鈴木宗男氏が、「個人外交」をすることは何も問題はない
「親ロシアの鈴木氏が行ってもロシアに利用されるだけだ」とか言う人もいるが、そもそも平時から外交というのは「狐と狸の化かし合い」である。
 ロシア側は鈴木氏にこういう情報をつかませてきた、ということを想定しつつ、日本政府も鈴木氏から情報を得ればいいし、鈴木氏のパイプを逆に利用すればいいだけの話だ。
 という話を聞いても、腹の虫がおさまらない人も多いだろう。そういう方たちがよく言うのは、「政府が渡航中止勧告をして、国家間に緊張が走っているこのタイミングで、国会議員が行くのは背信行為」というものだ。
 しかし、個人的には国会議員という立場だからこそ、今のように両国の関係が冷え込んでいる時だからこそ、ロシアに行くべきだと考えている。
 なぜかというと、「日本人」の安全を守るためだ。

政府が日本人を救えないパターンも、では誰が助けてくれる? 
「今の時期にロシアに行くとは何事だ!」と叫んでいる人からすれば意外かもしれないが、実は今もロシアでは普通に日本人が生活をして、普通に日本企業が経済活動をおこなっている
 外務省領事局政策課の「海外在留邦人数」によれば、令和4年10月1日時点で1321人の日本人がロシアで生活をしている。また、「海外進出日系企業拠点数調査」でもロシアには380の企業拠点がある
 当たり前の話だが、海外にいる「邦人」の安全を確保することは日本国がやらなくてはいけないことだ。なので、政府はその国に、邦人や日系企業の安全確保で協力を依頼する。
 しかし、岸田政権はアメリカやEU側の立場を貫いているので、ロシア政府からは「非友好国」扱いだ。そんな国の頼みをロシアが素直に受け入れるわけがない
 つまり、もしも何か不測の事態が起きて、ロシア政府と日本政府が決定的な「断絶」をした際、日本政府は1321人と380の企業の安全確保が十分にできないことになるのだ。そうならないために、鈴木氏のような親ロシア政治家のパイプを維持して、活用できるように準備しておくことは非常に重要だ。
「はあ?日本政府が海外の邦人を助けられないなんてことがあるわけないだろ」という声が聞こえてきそうだが、割とよくある。
 わかりやすいのは、湾岸戦争だ。

アントニオ猪木が「個人外交」で救出した湾岸戦争下の日本人
 1990年8月、イラクのサダム・フセイン大統領(当時)が率いる軍隊が、クウェートに侵攻して一方的に併合を宣言した。この両国に駐在していた多くの民間外国人は帰国を許されず、日本人も多数が戦略拠点に「人質」として留めおかれていた。
 もちろん、日本政府としては「邦人保護」は何よりも優先すべきことなので、「公式対話チャンネル」を用いてイラクやクウェートに働きかけた。が、無理だった。1991年初頭に幕を開ける湾岸戦争の前で、緊張が極限まで高まっていたからだ。結局、イラクで日本人46人(家族含む)が事実上の人質となった。
 そこに、1人の参議院議員が単身乗り込んだ。故・アントニオ猪木氏だ。
 90年12月にイラクで「スポーツと平和の祭典」というイベントを開催、政府の高官と会談して、「個人外交」を展開した。
 まさしく、今回の鈴木氏と同じことをしたのである。だから当然、この時も愛国心あふれる人々からは「国賊」扱いでボロカスに叩かれた。政治評論家は、プロレスラーならいざ知らず、国会議員のバッジをつけている者が、パフォーマンスに走るなど言語道断だとぶった斬った。「独裁者・フセインにこびて国際社会に誤ったメッセージを与える」「素人が余計なことをして人質が殺されたらどう責任を取るのだ」とイベントを開催した猪木氏を罵った。
 しかし、プロレスラーとして中東でも抜群の知名度とコネのある猪木氏は、最終的にフセイン大統領と交渉をして、46人を全員救出した
 政府が渡航中止勧告を出している国に、参議院議員が単身で乗り込んで、「政府を介さない外交」をしたおかげで、「邦人」の安全を確保することができた。
「国賊」と批判を浴びながら猪木氏が動かなかったら、あの戦火の中で日本人の安全はどうなっていたのか、考えるだけでも恐ろしい
 これが「戦争」というものだ。「政府を介した外交」だけで「独裁者」が心を入れ替えて、軍が撤退をするのなら、そもそもウクライナ戦争はこんなに長期化していない。
 ロシアを孤立化させろ、プーチンを追いつめろ、と叫んでいるのは、テレビで野次馬的に戦争を見物している人々からすれば、「勧善懲悪ショー」に参加しているようで気持ちいいだろうが、「現実の戦争」は野球や五輪のように白黒がつく勝負ではないのだ。
 ロシアにはロシアの「正義」があるし、ロシアについている国もまだたくさんある。長期化すればするほど、死者が増えていくこの状況を止めるには、早急に「対話」をして両国の落とし所を探っていくしかない。そして、その仲介役は、ロシアと対話ができる第三国が担うしかないのだ。
 今、その役目は中国やインドが期待されている。しかし、日本にもロシアとはこれまで密接な関係を続けてきた人も少なくない。その代表が、鈴木宗男氏である。
 猪木氏と同じように、鈴木氏の「政府を介さない個人外交」もいつか歴史的な評価をされる時がくるかもしれない
                (ノンフィクションライター 窪田順生)

05- ~ 下院議長解任に米民主党議員が賛成した謎(櫻井ジャーナル)

 櫻井ジャーナルが掲題の記事を出しました。
 米下院のケビン・マッカーシー議長が3日解任動議を受け216対210で解任されました理由はマッカーシー議長が、バイデン政権が提出したウクライナに対する240億ドル3兆6000億円)の追加支援策の承認に前向きだっためで、共和党のマット・ゲイツ議員による解任動議8名の共和党議員が賛成7名が欠席したためでした。
 新しい議長を決めるに当たっては前回よりもさらに揉めると見られています。
 これまでウクライナへの支援策は認められてきましたが、今後は簡単には行かないと思われます。
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ウクライナへの追加支援を難しくする下院議長解任に米民主党議員が賛成した謎
                          櫻井ジャーナル 2023.10.05
 アメリカ下院のケビン・マッカーシー議長が10月3日、216対210で解任された。その前日、共和党のマット・ゲイツ議員が解任動議を議会に提出、民主党の208議員とゲイツ議員を含む8名の共和党議員が解任に賛成、7名が欠席している。
 議事を進めるためには新しい議長を決める必要がるのだが、容易ではない。マッカーシーの場合も紛糾したが、次はそれ以上に揉めそうだ。
 ゲイツが解任動議を提出した理由はマッカーシーが歳出削減に消極的だということだが、最大の問題はウクライナへの資金垂れ流しジョー・バイデン政権はウクライナに対する240億ドルの追加支援を承認するように求めていた。追加支援がないと、ウクライナへ提供する資金は11月に底とつくと言われている。そうした資金の提供を実現するため、マカーシー議長がホワイトハウスと密約を交わしていたとゲイツ議員は非難している。

 バイデン政権と協調関係にあったとみられるマッカーシーの解任はバイデン政権にとって好ましくないはずだが、民主党の議員は解任に賛成した。この行動をいぶかる人もいる。民主党の内部にもウクライナでの戦闘に嫌気が差している議員もいるのだろうか?
 ウクライナでの戦闘継続に対する疑問はアメリカ国内だけでなくヨーロッパでも広まっている。ポーランドの場合、ウクライナがネオ・ナチ体制にあることを今更ながら懸念し始めたとも言われている。EUを動かしているエリートたちは米英の私的権力に従属しているが、市民の間では不満が高まっているようだ。
 すでにアメリカ/NATOの兵器庫は空で、しかも生産力はロシアの半分だとも言われている。アメリカやイギリスがウクライナへ劣化ウラン弾やクラスター爆弾といった問題のある兵器を供給した理由のひとつはそこにあるともいう。
 その一方、イギリスのベン・ウォレス前国防相はテレグラフ紙でウクライナ兵の平均年齢は40歳を超えていると指摘、ウクライナ政府に対し、もっと多くの若者を前線へ送り出せと要求している「学徒動員」したり「少年兵」を投入しろと言っているのだ。
 ウォレスの後任であるグラント・シャップス国防相はウクライナ領内にイギリス軍の兵士を派遣してキエフ軍を訓練する計画だと西側メディアに語ったが、そうした部隊も攻撃の対象になるとロシア政府から警告されている。イギリスの軍事企業がウクライナ国内で生産を始めるという考えも表明したが、そうした工場はロシア軍の攻撃目標になる。
 アメリカ国内の風向きも変わり、イギリスが前面に出て来なければならなくなっているのかもしれない。

2023年10月4日水曜日

「大阪・関西万博」問題は、維新吉村知事などによる“戦後最大の自治体不祥事”

 弁護士の原信郎氏は自治体のコンプライアンス問題にも造詣が深く、07年から21年まで横浜市コンプライアンス外部委員コンプライアンス顧問を務めています。

 郷原氏は記事の冒頭で、コンプライアンスの本質は
 ・コンプライアンスは、「法令遵守」ではなく、「組織が社会の要請に応えること」
 ・法令の趣旨目的を理解し、背後にある社会的要請を知ること
であるとして、大阪・関西万博は全くそれに反していることを明らかにしました。

 同氏は日本の地方自治体の中で最も深刻かつ重大なコンプライアンス問題に直面しているのが、「日本維新の会」が首長を務める大阪府・市であると指摘し、現に着工が大幅に遅れている大阪・関西万博開催延期断念などの事態に至れば、日本に対する国際的信用失墜「今世紀最大の自治体不祥事」に発展する可能性があると述べました。
 そして万博会場の建設が難渋している最大の原因は、会場を、軟弱地盤、アクセスが不便、インフラ未整備の、夢洲にしたことにあるとして、夢洲を万博会場とする計画自体が、夢洲でIR事業を含む「夢洲での国際観光拠点形成」をめざす維新の会の政策実現という政治的な理由に基づいたものであって、責任は挙げて日本維新の会による大阪府・市政にあると断定しました。
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「大阪・関西万博」問題は、維新吉村知事などによる“戦後最大の自治体不祥事”
                       郷原信郎が斬る 2023年10月2
地方自治体にとってのコンプライアンス
2004年に、桐蔭横浜大学特任教授・コンプライアンス研究センター長として、本格的にコンプライアンスに関する活動を始めて以降、私が、常に世の中に訴え続けてきたのが、

コンプライアンスは、「法令遵守」ではなく、「組織が社会の要請に応えること」
法令の趣旨目的を理解し、背後にある社会的要請を知ること

というテーゼである。
そのようなコンプライアンスの視点から、組織をめぐる様々な問題の解決、コンプライアンス体制の構築・運用等に関わってきたが、その中で、特に、重要な領域としてきたのが、地方自治体のコンプライアンスである
初めてのコンプライアンス講演が、2005年2月、職員厚遇問題で揺れていた大阪市の幹部研修だった。「暴力団の妻」から再起して弁護士となり、女性初の大阪市助役を務めていた大平光代氏からの依頼だった。それ以降、多くの自治体で講演を行い、横浜市では、2007年からコンプライアンス外部委員、2017年9月から2021年6月まではコンプライアンス顧問として、各部局・各区で生起する様々な不祥事やコンプライアンス問題について対応の助言を行うほか、各部局・各区の幹部に対するコンプライアンス研修も担当した。

民間企業の「社会的要請」が、需要に反映された社会の要請に応えることがベースとなり、それが、組織の存続・成長にもつながるのに対して、地方自治体の場合、住民のニーズに応えることが最も重要な社会の要請であることは間違いないが、その時点での直接的なニーズに応えることだけで地方自治体の役割が果たせるものではない。自治体には、住民にとっての短期的利益、長期的利益のほか、その時々の国家的、社会的利益も含めて様々な社会の要請が交錯する。地方自治体の日々の業務や実施する事業に関して、「社会的要請に応えること」は、複雑かつ困難な問題となる。

最も深刻かつ重大なコンプライアンス問題に直面する大阪府・市
日本の地方自治体の中で、最も深刻かつ重大なコンプライアンス問題に直面しているのが、「日本維新の会」が首長を務める大阪府・市だ。
2025年に大阪市此花区夢洲で開催が予定されている大阪・関西万博をめぐっては、海外パビリオンのうち、各国が自前で建設する「Aタイプ」について、基本計画すら提出されておらず、建設業者も決まらず、着工が大幅に遅れ、予定どおりの開催が危ぶまれている。万博の開催延期・断念などの事態に至れば、日本に対する国際的信用の失墜、大阪府・市、そして国に、計り知れない損失を生じさせることになる。

吉村大阪府知事(前大阪市長)や、その前任の松井一郎氏などが、これまで首長として行ってきたことが、本当に、地域住民に、そして、社会の要請に応えるものであったかどうかが問われている。この問題は、日本における「今世紀最大の自治体不祥事」に発展する可能性がある。

夢洲への万博誘致計画自体に重大な問題
第一の問題は、そもそも、大阪・関西万博の計画自体が、地域社会の要請に応えるもの、大阪府民・市民全体のためになるものだったのか、という点である。
大阪への万博誘致の構想が具体化し、2016年6月に、大阪府(松井一郎知事)は、「2025年万博基本構想検討会議」を設置した。この会議の初回で、大阪府が、「2025年日本万国博覧会 基本構想案」を提示しているが、この試案で、万博の会場は、「夢洲地区(大阪市此花区)を想定」とされ、その理由については、「地勢的に日本の交通・物流の結節点である大阪」の中でも、

夢洲地区は、神戸、京都など各都市からのアクセス面の利便性が高く、環境・エネルギー等の先端産業の集積やMICE機能と国際的エンターテイメントなど魅力ある観光拠点形成をめざす地区であり、世界への情報発信拠点として、ふさわしい地である。」

とされている。
しかし、これは、一部にコンテナターミナルや物流倉庫などの物流施設がある以外、施設がほとんど無く、アクセスも道路が一本しかない夢洲の現状とは、かけ離れたものである。要するに、夢洲を万博会場にしようという構想は、維新の会が進めようとしていた、夢洲を「環境・エネルギー等の先端産業の集積やMICE機能と国際的エンターテイメントなど魅力ある観光拠点形成」に形成しようとする大阪府・市の構想が前提だったのである。

海外パビリオンの建設の遅れについて、開催主体の「公益社団法人2025年日本国際博覧会協会」(以下、「万博協会」)や大阪府などは、資材価格高騰や人出不足を理由に説明しているが、海外の国からすれば、5割程度建設費が上がっても、今の円安であれば、相当程度相殺されるはずである。円ベースの建設費の増額はそれほど困難ではないはずだ。パビリオンの建設に向けての動きが遅れている最大の原因は、夢洲の軟弱地盤、アクセスの悪さ、インフラの未整備等のために、日本の建設業者が受注に消極的であることだう。
特に、軟弱地盤の問題では、建物の基礎工事で50メートルの杭を打つ必要があるなど、想像を超える悪条件の工事になると言われている。それを、建設業者が2024年問題によって労働時間の制約を受けつつ施工するのは至難の業だ。
万国博覧会についての「基本法」と言える「国際博覧会条約」によれば、博覧会とは、

公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう

とされている。
そのような万博の本来の目的を実現することを最優先に考えるのであれば、1970年に大阪万博の会場となった大阪府吹田市千里のような地にすべきだった夢洲を万博会場とする計画自体が、夢洲でIR事業を含む「夢洲での国際観光拠点形成」をめざす維新の会の政策実現という政治的な理由からなのである
その夢洲でのIR事業も、軟弱地盤のため、大地震が発生した際の液状化の問題など、多くの問題が指摘され、認可が遅れていた。今年4月の統一地方選挙での維新の圧勝でIR推進賛成の民意が示された後に、府・市と運営事業者による区域整備計画が認定されたが、今後、IR関連施設の建設を進めていく中で必要となる液状化対策費は、すべて大阪府民・市民の負担になる。夢洲を会場とする万博誘致と、その前提とされていたIR事業は、IR事業とセットになった万博開催という大阪のバラ色の将来ビジョンを示すための、維新という政党の政治的目的なのであり、万国博覧会の本来の目的を実現するためでも、地域社会や府民・市民の要請に応えるためでもなかった。そこに、大阪・関西万博の根本的なコンプライアンス問題があるのである。

海外パビリオン建設の遅れに対する「維新首長」の対応
第二の問題は、このような重大な問題がある夢洲の万博会場でのパビリオンの建設工事が遅れ、予定どおりの開催が危ぶまれる事態に至っていることについて、万博誘致を進めてきた吉村大阪府知事や、維新の側がとってきた対応である。
海外パビリオンの着工の遅れは、既に、今年の春の時点で、万博協会の内部では認識されていたはずだ。しかし、4月10日の統一地方選挙において、大阪府知事選挙で夢洲での大阪関西万博・IR事業の推進を公約に掲げた吉村氏が圧勝し、全国で維新の党が躍進するまでは、海外パビリオンの建設の遅延など、大阪関西万博についての「負の側面」はほとんど表に出ることがなかった。統一地方選挙後の今年5月になって、この問題が取り上げられるようになり、5月末、吉村知事が岸田文雄首相を首相官邸に表敬訪問した際に、「このままいくと海外パビリオンの建設が間に合わない」と言って泣きついたのである。それを受けて、岸田首相は、8月末に、関係閣僚や吉村知事らとの会合を開き、海外のパビリオン建設に遅れが生じていることなどに危機感を示したうえで、予定どおりの開催に向けて政府が主導して準備を加速させていく考えを強調した。

海外パビリオンの建設の遅れについて吉村氏が生出演
今年8月10日に、吉村氏は、関西ローカルの読売テレビの番組に生出演し、大阪・関西万博の開催が危ぶまれていることなどについて質問に答えている模様が、YouTubeにアップされている(大阪府・吉村知事を生直撃!「間に合う?成功する?どうなる?大阪・関西万博」】)。
番組関係者は、フリップを示しつつ、大阪・関西万博をめぐって、タイプAの海外パビリオンは、当初の計画では今年4月から着工する予定だったのに、まだ手続きに入ってる国も出ていない状況について質問している。

質問①]吉村さん。ズバリお伺いしますが、間に合いますか。 
吉村)え、これはあの、間に合うように。我々関係者やってますので。ま、僕自身も責任者ですから、間に合うように、あの、しっかりやります。

質問②延期ってことは、やっぱり視野に入ってきたりしてるんでしょうか
吉村)あの延期は今、視野には入ってないです。で、あの、これはあの、焦って中途半端なことをやるつもりもなくてですね。2025年のこの万博に向けて、これたとえば大阪地元パビリオン、これまあ着実に進んでいますし、いろんな関係者が2025年の春に向けて、あの、合わせて、あの実は安定的に進めているところもあるんです。
で、海外パビリオンとか取り上げられるので、ここはしっかりやっていこうというふうには準備をしておりますけど、それ以外の工事っていうのは、あの、きちんと進んできているところもありますし、それ以外の準備もやっぱりある中で、よりよい万博っていう意味では2025年4月に、あの、この期限を決めて、これ、もともとここでやるってわかってるわけですから、あの、それを延ばしたらじゃあさらに良くなるかというと、必ずしもそうではないので、状況が変わるかというと、必ずしもそういうわけではありませんので、ここに目がけてみんなで一所懸命、あの、あの、やっていきましょうというのが今の方向性です。

質問③]2019年に改正労働基準法が施行、5年後の2024年から建設業にも残業規制が適用されることによる人手不足、2020年にドバイ万博が1年延期されたことで各国の出足も鈍くなるだろうとの予想、2022年秋に、日本建設業連合会から建設の遅れについて危機感表明など、もっと早く気付けたのではないか、手を打てていたのではないか、後悔していないか、との趣旨の質問  
吉村)後悔ポイント。ちょっと、時期、時期っていうのがあの分かりにくい、難しい点はあるんですけど、僕自身が、あの、ちょっと後悔するのを敢えてというのであれば、僕自身は「たて割り意識」というのがちょっとあったのではないかと、ここを反省すべきじゃないかなと思ってますね。

どこの縦割り意識ですか
吉村)たとえば、そこ(フリップを指して)、2022年にありますね。あの、確かに建設業の、あの、連合会の皆さんが万博協会に、2020年の秋に、あの、このまま行くと海外パビリオン遅れるんじゃないかっていうその懸念は指摘をされてるんです。これはもう事実なんです。だから博覧会協会は受けてるんです。ま、僕も副会長だからこれ受けてるっていうことになるんです。だから、あの、そういう実務的にはそうだったんですけれども、やっぱり、あの、僕自身がそれを直接ちょっと聞いてないところもあって。

―その話が耳に入ったのか、入ってなかったんですね。
吉村)ええ、入ってないです。なので、これは僕は責任者ですから、あの、すべての責任は負います。ただ、どうしてもその、あの僕自身はたぶん、たて割り意識というのがあって、その話というのはやっぱり聞いてない。で、他のメンバーもやっぱり聞いてないんですね。なので、あの、そういった意味では、あそこで、あの、私も含めてあの重要な関係者が全員認識をしていれば、今とはちょっと違った状況になってた可能性はあるとは思いますが、でもこれはもう言っても仕方のないことなので。

吉村知事の耳に入ったの。そしたらいつ頃だったんですか
吉村今年の春ですね。今年の春ぐらいに、このまま行けば、海外パビリオンがちょっとタイトになってきてます。しかも、それはまあ、完全に遅れるという話じゃなくて、このまま行けば、ちょっと海外パビリオンが、あの、遅れ始めている傾向にあるっていうのがやっぱり今年の春、あの、聞きましたんで、で、そっからあのいろいろ情報を僕自身も入手して、あの、グッと、あの、国も含めて大きく今動かしているところですね。

質問④]4月の知事選挙の際は万博の成功を掲げていたが、そのとき、危機感の話が入っていたのに、選挙で、成功といういい面だけをアピールしていたのではないかという街の声も聞かれますが、
吉村)いや、それはないですよ。それはないです。あの3月に受けた説明も、あの、もう間に合わないって話じゃなくて、やっぱり時期がタイトになってきてますねっていう報告を受けましたので。ま、そういう意味で3月の段階でも春の段階でもこれが遅れそうだっていうのではないですね。で、実際には5月に入ってからですね。5月に入っていろんな情報を聞く限りで、これはちょっとまずい、時期がかなりタイトになってきてるんじゃないかっていうので、あ、こういうのありますけど、その5月に直接、あの、僕自身も岸田総理に、えー、あの、このまま行くと、遅れる可能性があるから、あの、ちょっとかなり力を入れてやっていかないといけないと思いますっていうのは、あの、総理に直接、あの、会った時に話をしました。

[質問①]で、「間に合いますか」と端的に聞かれ、「間に合うようにしっかりやります」と答えているが、その後の質問に対する答を聞く限り、吉村氏がしっかりやっているから間に合うだろうとは到底思えない
[質問②]に対する答は、支離滅裂である。「延期は視野に入っているか」と聞かれ、「今、視野には入ってないです。」と答えた後に、「大阪地元パビリオンなど、2025年の春に向けて安定的に進めているところもある」などと言っているが、海外パビリオンあっての「万国博覧会」であり、地元パビリオンがいくら順調でも意味がない。しかも、「2025年4月に期限を決めて、ここでやるってわかってる、それを延ばしたらじゃあさらに良くなるかというと、必ずしもそうではない」などと言っているが、少なくとも、海外パビリオンの大幅な遅延で間に合わないのではないかと言われているのであり、延期することで時間の余裕ができれば、少しでも「良くなる」のは当然だろう。
[質問③]では、海外パビリオンの建設の遅れにはもっと早く気づいて対策が打てたのではないか、後悔していないかと聞かれて、後悔するのは「僕自身に縦割り意識があった」などと答えている。しかし、組織が「縦割り」というのは、部署間の情報共有ができていないということであり、各部署の情報が上位者に上がらない「風通しの悪さ」とは異なる。大阪府の組織のトップである知事に「縦割り意識があった」というのは全く意味不明である。
その「縦割り意識」というのを、自分は「海外パビリオンの遅れ」のことを聞いていなかったという弁解で言っているようだが、その後、「ではいつ知ったのか」と聞かれ、「今年の春」と答えた後、知った内容について、海外パビリオンが「ちょっとタイトになっている」「遅れる」「遅れ始めている傾向」にあると、変転を繰り返している
そこで、「4月の知事選挙の際には、危機感の話が入っていたのに、選挙で、成功といういい面だけをアピールしていたのではないか」という問題の核心について聞かれている。
吉村氏は、「それはないです」と答え、それについて「3月に受けた説明も『もう間に合わないって話』じゃなくて、『時期がタイトになってきている』という報告を受けた」、「3月の段階」では、「遅れそうだ」という話ではなかった、という説明している。しかし、「その後、5月に入っていろんな情報を聞いて『これはちょっとまずい、時期がかなりタイトになってきてるんじゃないか』と思った」と言っており、結局、「タイトになってきている」というのは、「3月の段階の話」と同じである

そもそも、海外パビリオンの基本計画書の提出予定が3月だったのに、参加国が費用を負担してパビリオンを建設する「タイプA」の50か国余りのうち9か国しか建設の許可申請をしなかったのであり、その原因が、資材価格の高騰や2024年からの建設業への残業規制の適用などにあることは、その時点で容易に認識できたはずである。4月の大阪府知事選挙の前には、海外パビリオンの建設の遅れに気づかず、選挙が終わって初めて気づいたなどという話は到底信用できない
そのような番組でのやり取りの模様を端的に表現しているのが、以下の画面である。

この番組では、今年4月の統一地方選挙までに、予定どおりの万博開催が困難であることに気づくべき局面が山ほどあったのに、選挙までは、それをおくびにも出さずに「万博PR」を行い、選挙が終わると、掌を返したように、パビリオン建設の遅れ等の問題を表に出し、岸田首相に泣きついて「国の財政支援」を求める、という経過であったことをフリップで示しつつ、吉村氏に質問している。その際の吉村氏の表情は、いわゆる「ひょっとこ面」であり、質問に誠実に答えているとは思えないことが、その表情からも窺える。
 テレビ番組に長時間にわたって生出演し、ここまでいい加減で支離滅裂なことを平然と言い放つ府知事を、テレビ局関係者は、どう受け止めたのか。追及材料をいろいろ提示しているわりには、吉村氏へのツッコミがほとんどないのも、「維新びいき」の関西マスコミだからこそなのであろうか。

「荒唐無稽な夢物語」の当然の結末
前述したとおり、夢洲を会場とする万博誘致は、地域社会の要請に応えるものでも、大阪府民・市民の利益になるものでもない。維新という政治集団の党利党略のための、「夢洲での国際観光都市形成」という「荒唐無稽な夢物語」の一環として計画されたものだ。
しかし、大阪府民・市民は、その維新が描く「大阪のバラ色の未来」に熱狂し、選挙の度に、維新を圧倒的に支持、その政治的な力は、関西では、立憲民主党等の他の野党はおろか、政権与党の自民公明も太刀打ちできないほど高まり、その絶頂の中で行われた今年4月の統一地方選挙では、その強さを遺憾なく発揮した。
そして、その政治的パワーをもって、吉村氏らは、大阪・関西万博は「国家プロジェクト」などと言って、そもそも維新の党利党略のための万博誘致であったことを棚に上げて、責任を国に押し付けている。一方で、政権維持のためには、国家予算を大盤振る舞いすることなど全く厭わない、しかも自ら責任を負うべきいかに重大な問題が発生しても、「責任を痛感している」「丁寧に説明していく」などと言ってあらゆる問題をごまかしてきた岸田首相にとって、当面の解散総選挙に向けて最大の政敵である維新の共同代表であり、その人気の中心にいる吉村氏が、自らの前にひざまずき、恭順を誓ってくれるのであれば、「大阪・関西万博は国の威信をかけて行う」などと言って、国の予算人員を惜しげもなく投入する方針を示すことなど「お安い御用」だった
それによって、もともとは、大阪を中心とする関西の地方自治体を支配してきた維新という政治集団が引き起こした「自治体コンプライアンス問題」だった大阪・関西万博問題が、日本政府を巻き込んだ「国家的コンプライアンス問題」に発展しつつある

大阪・関西万博をめぐる問題は、海外パビリオンの建設遅延だけではない。大会運営費の大部分は入場券収入によって充てられる計画だが、「万博の華」と言われる海外パビリオンが予定どおり建設されるかどうかも不明、プレハブによる貧弱な建物になる可能性もある、ということであれば、わざわざ高額の前売り券を自前で購入しようとする人が限られるのは当然だ。万博協会は、前売り券の大部分を関西の企業などに「押し売り販売」しようとしているが、企業の側は、万博の前売り券の購入などという無駄な支出に充てるお金があれば、物価高に苦しむ社員の賃上げに回したい、というのが本音であろう。このようなことを繰り返していれば、有力企業が関西地域から逃げていくことにもなりかねない。
 万博会場へのアクセス確保のための対策費、軟弱地盤でのくい打ち工事等、大幅な建設費増の補填など、今後、政府が大阪・関西万博につぎ込む国費は、雪だるま式に膨れ上がっていく可能性がある。しかし、それでも、予定どおりの万博開催にこぎつけられるかは不明であり、巨額の国費を投入して開催したとしても、入場者は僅かにとどまる惨憺たる万博になることは必至だ。

「維新の会」という政治集団が描いた、夢洲での国際観光拠点形成という「荒唐無稽な夢物語」に踊らされてきた大阪府民・市民は、大阪関西万博、大阪IR等のビッグプロジェクトによる「破滅的なツケ」に払わされることになる。それだけではない、その「尻ぬぐい」を国費で引き受けることで維新に貸しを作った岸田首相の目論見どおり、次の解散総選挙で政権を利することになる可能性がある。自治体首長の政治目的による大阪・関西万博誘致という“戦後最大の自治体不祥事”は、国民全体にとっても大きな「災い」になりかねないのである。(後 略)

「ヤマト運輸の3万人一斉首切り」を撤回して! オンライン署名:

 ヤマト運輸は、日本郵政グループと持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意」(6月19日)を行い、「両社の経営資源を有効活用する」ことを理由に、2024年1月31日をもって、全国で約3万人のネコポス・クロネコDM便の配達員の個人事業主を一斉に契約解除しました。クロネコDM便の仕分け作業に従事している数千人規模パート社員も同様です。

 では郵政グループにはそれ程の余剰人員がいるのかといえば、現状でも配達現場や内務作業現場では要員不足が長らく解消されず、社員は疲弊していて、期間雇用社員を募集しても人が集まらず、すぐに辞めてしまうというのが実態です。
 ヤマト運輸は「新たな仕事探しの支援もしていく」としていますが、その中身は転職先を紹介・あっ旋するというものではなく、あの「株式会社パソナ」による「再就職活動のノウハウ」を提供するというもので何の実体もありませんこれでは3万数千人が路頭に迷うことになります。
 レイバーネット日本に「ヤマト運輸の3万人一斉首切り を撤回して!」オンライン署名の案内が載りました。
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オンライン署名 : 「ヤマト運輸の3万人一斉首切り」を撤回して!
                       レイバーネット日本 2023-10-03
【「クロネコヤマトの宅急便」を使ったことがあるみなさんへのお願い】
ヤマト運輸の3万人一斉首切りでピンチに陥る、ネコポス・DM配達員や仕分け作業者、障がい者のみなさんを助けて下さい!
    署名サイト https://chng.it/BVDz5mKbrY 

 すでに一部の報道などでご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、2024年1月31日をもって、全国で約3万人のネコポス・クロネコDM便の配達員の個人事業主が、ヤマト運輸の都合により一斉に契約解除されようとしています。またそれと同時に、クロネコDM便の仕分け作業に従事している、パート社員(数千人規模と推定)も解雇を通知されています
 これらの働くみなさんには、低年金者や高齢者、シングルマザー、障がい者などいわゆる「社会的弱者」が多く含まれています。

 そもそもヤマト運輸は、なぜそんなに多くの人たちを一斉に契約解除・解雇しようというのでしょうか? 6月19日に発表された「日本郵政グループとヤマトグループ 持続可能な物流サービスの推進に向けた基本合意について」によると、「両社の経営資源を有効活用する」とあります。しかし、その「経営資源」には「人的資源」=労働者は含まれていないのでしょうか?
 また、労働者不足(運転手不足)が懸念される2024年問題を前に、約12.1億個(2022年度:クロネコDM便約8億個、ネコポス約4.1億個)もある取り扱い貨物を、人的資源を移さずに日本郵便へ丸投げするならば、遅配などの不利益を消費者のみなさんが負うことにもなりかねません。
 この件はNHKでも報道され、ヤマト運輸は「新たな仕事探しの支援もしていく」としています。

 しかし提示されたその中身は、転職先を紹介・あっ旋するというものではなく、なんとあの「株式会社パソナ」による「再就職活動のノウハウ」を提供する、というものなのです。
 そのほかにも、わざわざ(※配達業務委託契約のご紹介ではありません)と注意書きのついた、「日本郵便における求人情報の提供」や、とても日々の生活費には満たない額の「謝礼金」の支払いなど。ヤマト運輸は東京新聞の取材に対して、「皆さまの今後のキャリアパスについてできる限り支援をしていきます」とコメントしていますが、これで本当に「できる限り支援」をしているといえるのでしょうか?

 私たちの労働組合には、現場で一生懸命働いてきたみなさんからこんな声が寄せられています。
「突然6月に説明会が開かれ、来年1月末で契約解除すると言い渡されました。日本郵政に業務移管するのならば、紹介してもらって継続して働けるのか店長に聞いたところ、『ない。上からの指示だ。』と答えるだけでした。人をなんだと思っているのでしょうか」
「もう1月31日で終わりなのでしょうか? クロネコメイトで働く仲間には、年金が少ないので生活費の足しにしている方、介護しながら働いている方、シングルマザー、障がい者の方などさまざまです。お客さまからもたくさんの心配する声を頂きました。次の仕事が見つかるかも不安です。もっと地域の皆さんのために働きたいです。どうすればいいですか。助けてください」

「無期限の雇用契約で15年間深夜作業で働き続けてきましたが、突然1月末で解雇を言い渡されました。理由は『クロネコDM便の所属だから』だそうです。宅配便の仕分け部門の所属の方は解雇にはならないそうです。こんなふうに所属だけで解雇対象者を決めるって、ちょっとひどすぎます。ヤマト運輸は他に仕事を用意できないほど小さい会社でしょうか? 日本郵便への紹介もしないで、このまま仕分けパート社員が辞めていったら、日本郵便の仕分けの方たちが大変だと思います」

 私たちの労働組合には、業務移管先である日本郵便で働くみなさんもいらっしゃいます。そのみなさんも
「ヤマトとの協業で配達量が増加するが、郵政の配達現場や内務作業現場では要員不足が長らく解消されず、社員は疲弊している。期間雇用社員を募集しても人が集まらず、雇用してもすぐに辞めてしまう
「荷物が増加するが、作業スペースが限られ遅配が多発するのではないかと心配だ」
など、一様に更なる業務の増加による健康不安や、人手不足、遅配の発生に対する懸念の声を上げています。

 私たちはヤマト運輸に対して、こうした懸念や要求を直接伝えて交渉するために、労働組合としてクロネコメイトの個人事業主の要求について、「団体交渉」を申し込んでいますが、ヤマト運輸はこれを拒否しつづけており、このまま一方的に契約を打ち切ろうとしています(※パート社員については要求書を提出中です)。

 ヤマト運輸が私たちとの交渉に応じるようにするためには、労働組合の力だけではなく、「クロネコヤマトの宅急便」を使ったことがあるみなさん=「消費者の声」が必要な状況です。ぜひこの署名にサインして、みなさんの力を貸してください。私たちの要求は以下の通りです。
 ヤマト運輸は労働組合との団体交渉に応じてください
 2024年1月31月の一斉契約解除を撤回してください
③「できる限り支援」するというからには、引き続きヤマト運輸、または、業務移管後の日本郵便で就労できるように支援してください
 上記の要求によって、組合員に「契約の解除等」、不利益な取り扱いをしないでください

 この署名にサインしていただけるみなさんは、ぜひSNSなどを使って、さらにこの署名を広めてください。みなさんの草の根の「声の力」が頼りです。よろしくお願い致します。

【最後に~当事者のみなさんへのメッセージ】
 ヤマト運輸から契約解除・解雇されようとしている全国3万人のネコポス・クロネコDM便の配達員のみなさん、仕分け作業に従事しているみなさん、障がい者雇用で働くみなさんへ。
 私たち全労連に加盟している労働組合「建交労軽貨物ユニオン」が、みなさんの声を集めています。このまま泣き寝入りするのか、それとも、私たちの労働組合の力を使って問題解決に向けてアクションを起こすのか。今が重要なタイミングです。労働組合の力を使ってアクションを起こしたい方は、ホームページよりご連絡ください。全国の仲間とともにお待ちしております。

選挙前になると自作自演「物価高に直面する国民の生活を守り抜く」

 参院徳島・高知選挙区補選が5日に、衆院長崎4区補選が10日に告示されることに関連して、岸田首相「物価高に直面する国民の生活を守り抜き、変化を力にする日本に向けて、党を挙げて必勝を期したい」と述べたことに対して、まるこ姫が、「本当に物価高から国民を守るつもりがあるなら、そこは一時的でも減税しかない。本当に守る気があるならとっくの昔にやっている」筈だと怒りのブログを出しました。
 選挙になると、実際にやっていることと裏腹の政策? を口にするのは歴代首相の常套手段ですが、こうも軽く口にされたのでは怒りしか湧きません。
 文中の太字・青字強調個所は原文に拠っています。
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選挙前になると自作自演「物価高に直面する国民の生活を守り抜く」
                        まるこ姫の独り言 2023.10.03
自民党お得意の「自作自演」が始まった。

22日投開票の衆院長崎4区、参院徳島・高知選挙区の両補欠選挙について、「物価高に直面する国民の生活を守り抜く」と。

岸田首相、2補選で「必勝期す」 参院徳島・高知、衆院長崎4区
                         10/3(火) 11:32配信 毎日新聞
>岸田文雄首相は3日の自民党役員会で、参院徳島・高知選挙区補選が5日に、衆院長崎4区補選が10日に告示されることについて、「物価高に直面する国民の生活を守り抜き、変化を力にする日本に向けて、党を挙げて必勝を期したい」と述べた。

本当に物価高から国民を守るつもりがあるなら、そこは一時的でも減税しかない。

本当に守る気があるならとっくの昔にやっている。

ある特定業者に補助金バラマキではなく、国民に直接還元されるものが一番のはずなのに、自民党はそれを由しとしないばかりか、常に業者に中抜きしてもらうような政策ばかりだ。

しかし、それを公約にして選挙選を戦い抜くつもりのようだが、そもそもアベノミクスが物価高の元凶で、インフレになるように誘導してきたのが安倍政権だった。

安倍政治を踏襲するといった岸田はアベノミクスの総括もせず看板を下ろしていない。
その中身は円安であり異次元の金融緩和じゃないのか。

恐ろしいほどのインフレになっているのも安倍政権のインフレ誘導が功を奏してきた結果なのに、「物価高に直面する国民の生活を守り抜く」というのは自作自演そのものじゃないか。

安倍もこの手を散々使ってきたが、さすが岸田も師匠譲りだ。

安倍は2016年6月参議院選挙に向けて
>「増税再延期という『新しい判断』について参院選で国民の信を問いたい」
>アベノミクスを一層加速させていく、その決意です

の大演説で国民はまんまと騙され、自民党は大勝している。

新しい判断・・・・

増税再延期しか手がなかったのに、これを逆手にとっての「新しい判断」は誰が考えたのか上手すぎる。

というわけでも岸田も、自分たちが異次元の金融緩和そして円安誘導した結果、国民は未曽有の物価高に直面しているのに「物価高から生活を守る」ってはあ?

自民党のやってきたことの総決算がインフレに直面しているのに、吉本もビックリの「今日はこの辺で許しとったるわ・・・」作戦。

これで自民党が勝利したら国民の民度がよくわかる。