安全保障関連法への反対活動を街頭で続けてきた学生団体「シールズ関西」が、8月15日で解散します。
昨年発足し、ラップ調の「コール」といった新しいデモのスタイルで注目され、メディアでも様々に取り上げられました。しかしシールズの正式名は「自由と民主主義のための学生緊急行動」なので、その趣旨から時限的なものになることはやむを得ないことで、今度の参院選の後に活動を終了するということは以前から言われていました。
学業と状況によってはいくらでもハードになる政治的活動を両立させることは、学生にとっては非常な負担になることは明らかです。これまでの献身的な活動に対して敬意を表したいと思います。
首都圏のシールズも参院選後に解散すると表明していますが、具体的な発表はまだありません。
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シールズ関西8月15日解散 若き主張届けた
京都新聞 2016年7月13日
安全保障関連法への反対活動を街頭で続けてきた学生団体「シールズ関西」が、8月15日で解散する。従来の運動団体と一線を画し、ラップ調の「コール」といった新しいデモのスタイルを通して、発足した昨年は若者の政治参加を象徴する存在になったが、参院選を終え、活動に終止符を打つ。
シールズ関西は昨年5月、立命館大出身の神戸大大学院生塩田潤さん(25)ら関西の学生有志で結成した。正式名は「自由と民主主義のための学生緊急行動」。東京や沖縄でも仲間が同時期にシールズを立ち上げた。多くの憲法学者が「違憲」と指摘する中で安全保障関連法案成立を急ぐ安倍政権を批判。ツイッターなどソーシャルメディアを駆使して活動日時を発信し、京滋の街頭でも廃案を求めてきた。「民主主義って何だ?」「これだ!」といったコールや、メンバーが名乗って自分の意見を訴える「スピーチ」といった街頭活動で、若者らに共感を広げた。
発足当初から緊急行動と位置付け、今回の参院選を活動の節目とみてきた。全国的にはシールズの呼び掛けが、野党共闘の進むきっかけになった。選挙期間中は街頭でチラシを配って投票率向上を狙ったが、投票率は50%余りにとどまり、憲法改正勢力が3分の2を占める結果となった。
首都圏のシールズも参院選後に解散すると表明している。塩田さんは「参院選の結果も含めて今の政治や社会に悲観も楽観もしていない。シールズは終わるが、一人一人が個人でできることを考え、行動していきたい」と話している。