資本金10億円以上の大企業は、リーマンショック前の2007年度を1・00としたときに、経常利益は1・16に、また内部留保は1・31にそれぞれアップしましたが、税負担(法人税・住民税・事業税)は0・81に下がっています。
これは、安倍政権によって国と地方を合わせた法人実効税率が、安倍政権発足時(12年末)の37.0%から16年度には29・97%へ7・03ポイント低下したためです。
大企業からの税収を抑えているために、その穴埋めとして消費税が増税されたり、社会保障が削減されたりしているわけで、これでは所得の再分配は機能せず日本の貧困率の改善は望めません。
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大企業栄えて税収は増えず 背景に法人実効税率引き下げ
しんぶん赤旗 2016年7月1日
安倍晋三政権が行ってきた法人実効税率の引き下げで、企業が利益を上げても税収が伸びない傾向が続いています。財務省「法人企業統計」から資本金10億円以上の大企業について、経常利益と内部留保、税負担(法人税、住民税、事業税)の3指標の推移をまとめました。
2007年度を1・00としたとき、経常利益はリーマン・ショックで0・55まで落ち込んだ後、1・16まで増えています。ところが税負担はリーマン・ショック前を回復することなく、0・81にとどまっています。一方で内部留保は3割以上も増えました。
「世界で一番企業が活躍しやすい国をめざす」との掛け声で、安倍政権が法人実効税率を引き下げてきたからです。国と地方を合わせた法人実効税率は、第2次安倍政権発足時(12年末)の37・0%から16年度には29・97%へ7・03ポイント低下。18年度にはさらに29・74%まで下げるとしています。復興特別法人税を1年前倒しで終了させており、法人実効税率の引き下げと合わせて、4兆円もの減税になります。
税収が増えなければ、穴埋めとして消費税が増税されたり、社会保障が削減されたりするなど、国民負担がますます増えてしまいます。この流れに歯止めをかけることが求められています。