2016年7月1日金曜日

自民党の改憲草案を理解せずに自民党に投票するのは・・・

 安倍首相は「争点隠し」に余念がなく、よりによって既に破たんが明らかで一層深刻の度を増している『アベノミクス』について、「そのエンジンを吹かす」などという噴飯ものの主張を続けています。
 それはもう嗤うしかないものですが、その裏で虎視眈々と狙っているのが「改憲」です。
 執念を見せている割にはいまだに何から手を付けるかを明らかにしていませんが、これまでの動きからみて、「緊急事態条項」を盛り込むことだろうと見られています。
 
 ブログ:「村野瀬玲奈の秘書課広報室」が、「自民党の改憲草案を読んで理解せずに自民党に投票するのは、詐欺業者の契約書を読まずにハンコを押すくらいに危険なことである」とする記事を載せました
 これこそは今度の参院選の神髄に関わるものです。
 
 日刊ゲンダイの「安倍政権に酷似と話題 28年前出版『憲法マンガ』の中身」も併せて紹介します。
 取り上げられているもは28年前のマンガなのですが、いま眼前で起きようとしていることをつぶさに物語る内容になっています。
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自民党の改憲草案を読んで理解せずに自民党に投票するのは、
詐欺業者の契約書を読まずにハンコを押すくらいに
危険なことである。
村野瀬玲奈の秘書課広報室 2016年6月30日
自民党による改憲の危険性について意識していない人が多いように思います。
(以下関連ツイート 3件)
 sarah(争点は改憲)  ‎@lovelovesarah  2016年6月27日 22:23 
現行憲法では3つしかない義務が30以上に増えていて、その中には婚姻維持義務なんてのもあり、離婚もおちおちできなくなると言ったら、自民党支持の人驚いていた。読んでないんです。自民党の草案。読まずに自民党に投票しようとしている。 
 
 メディシス  ‎@Medicis1917  2016年6月25日 15:34
大抵の人の認識って、せいぜい「自民党って憲法改正して自衛隊を軍にしたいんだね」ぐらいだと思う。まさか個人主義が削除されていたり、憲法から直接国民に義務を課せるようになっていたり、治安維持法よろしく社会秩序で市民の権利自由を制限出来るようになっているとは夢にも思っていないでしょう。
 
 人は石垣、人は城  ‎@dm_kowasiman  2016年6月25日 22:30
自民党の憲法改正について何も知らない人に、この動画をオススメします。
  憲法改正誓いの儀式
平成24年5月10日に行われた、創世日本(会長:安倍晋三)の東京研修会
 
実際、この↑動画では、自民党の改憲派の恐ろしいホンネが言われています。周囲の人にも見せてみてください。
 
一つ付け加えると、「自民党の誰それがいついつ『基本的人権、国民主権、平和主義を廃止するわけではない』と言った」ということを聞いて「自民党の改憲はそんなにひどいものではないだろう」と主張することには意味はありません。
 
自民党の個別の議員がした発言なんて自民党政治の中では吹けば飛ぶようなものであり、法的拘束力などなにもないのですから。たとえ、自民党内に「現行憲法を維持するべし」という信念を持つ者が少数いたとしても、そのような者たちには自民党内での影響力はなく、個別の条文解釈論よりも実際には自民党内の改憲派が改憲派のホンネにもとづいて憲法改定に突き進むわけですから、自民党内のホンネから改憲の内容と自民党政治の方向性について危機感を持つことの方が現実的に重要です。
 
現実に、安保法制という名の戦争法制は、違憲であるとの多数の憲法学者の指摘を受けながらも、多くの国民や野党からの反対がありながらも、多くの手続き的な問題がありながらも強行採決されたわけですから、自民党は憲法や手続きや道義や論理的一貫性などに縛られずに自分の欲望をなんでもやってくると思っておくべきです。
 
自民党の改憲草案の文言上の問題点についてはたとえば次のようなところが参考になります。うちのブログのサイドカラムの上の方でもリンクしているので適宜参照してください。
●自民党憲法草案の条文解説  http://satlaws.web.fc2.com/
 
しかし、そのような文言上の問題もさることながら、現実の自民党政治の道義性の無さや(特に経済政策での)成果の無さや自民党の日常的な態度の卑劣さや前言撤回や公約違反や信義違反も数限りなくあるわけです。その意味でも、自民党政治の反民主的、独裁的、自己中心的ホンネを見抜かなければ、詐欺業者の契約書を読まずにハンコを押した結果全財産を失うのと同じ目にあうことでしょう。
 
 
安倍政権に酷似と話題 28年前出版「憲法マンガ」の中身
日刊ゲンダイ 2016年6月30日
 参院選で与党が3分の2以上の議席を確保する可能性――との報道各社の序盤調査を受け、いよいよ改憲に対する“本音”を隠し切れなくなってきた安倍政権。安倍首相はネット番組で、秋の臨時国会で改正条文について議論する考えを表明。安保法制に続き、9条改憲となれば「戦争」まっしぐらだが、そんな今の安倍暴政の姿とソックリのマンガが話題となっている。1988年に出版された「まんが・わたしたちの平和憲法」だ。
 
 創価学会婦人部平和委員会の編さんで「第三文明社」が出版。第6章「守ろう 憲法のこころ」は、高校の卒業旅行に出かけた少年2人が1年後に帰国すると、憲法9条が改正され、日本が戦争を始めていた、というストーリーだ。そこには「平和憲法をなぜ変えてしまったんだーっ」と憤る少年に対し、母親がこう答える場面が出てくる。
 ごめんよ 憲法ぐらい変わっても生活はたいして変わらないと思ってね 〉〈 だって新聞やテレビですごく宣伝してたのよ 〉〈 そしてすぐに選挙があったの 憲法改正の意味も分からないままに投票しちゃったのよ 〉 
 
 マンガでは改憲後、スパイ防止法や有事立法などが次々と可決。世界で孤立した日本は政府が非常事態を宣言。総理大臣が握り拳を挙げながら特別放送でこう訴える。
 強い軍隊を持って自分の国を守ることがなぜいけないのでしょうか!〉〈 国民のみなさん!自分の国を守るための戦争です!正義の戦争です! 
 最後は「夢」だったというオチがつくのだが、ストーリーは集団的自衛権行使容認の閣議決定から今に至る経緯とほぼ同じだ
 
 自民党の改憲草案では「緊急事態」の際に首相に権限を集中させ、その「緊急事態」には「外部からの武力攻撃」が明記されている。もし、この改憲案通りになったら最悪だ。「正義の戦争」を叫びながら、自衛隊を戦争に送り出す安倍首相の姿が容易に想像できるからだ。
 
「第三文明社」は学会系の出版社だ。その学会が支持する公明党が安倍政権を支えているというのもデタラメな話だ。「この道しかない」の先にどんな地獄が待っているか。公明党、学会員は今こそ、このマンガを熟読した方がいい。