反対をやや上回る
毎日新聞 2016年7月11日
毎日新聞は11日、参院選の全候補者に実施したアンケートで、当選した議員分を再集計した。非改選議員へのアンケート結果と合わせると、自民、公明両党など改憲勢力のうち、有事や大災害時を想定した「緊急事態条項」創設から憲法改正を始めるべきだという意見に「賛成」との回答は38%(39人)で、「反対」の31%(32人)をやや上回った。同条項が改憲の入り口になるかは現時点で見通せない。
参院選で自民、公明両党やおおさか維新の会などの改憲勢力は165議席になり、改憲案発議に必要な参院の3分の2(162議席)を超えた。今回、165人中103人が回答。緊急事態条項からの改憲に賛成した39人の内訳は、自民32人▽維新3人▽日本のこころを大切にする党2人▽公明と無所属各1人。反対した32人は、自民8人▽公明16人▽維新7人▽日本を元気にする会1人−−だった。公明党は緊急事態条項の創設に慎重で、反対が賛成を大きく上回った。
一方、護憲派も含めた今回の当選者を集計すると、「反対」が51%と半数を超え、「賛成」は24%だった。自民党は「賛成」が48%だったのに対し、民進党は88%、公明党は71%、おおさか維新は57%が「反対」と答えた。9条改正は「反対」が43%に上り、「改正して、自衛隊の役割や限界を明記すべきだ」は22%、「改正して、自衛隊を他国同様の『国防軍』にすべきだ」は10%だった。 【田中裕之】