2016年7月10日日曜日

参院選 自分の人生選んでと高田延彦さん、松田美由紀さん、松尾貴史さん

 毎日新聞が、「2016年参院選 総力特集」で、元プロレスラー高田延彦氏の発言を載せました。
 高田氏は若い人たちに、「自分の人生を守るんだ、選ぶんだ、決めるんだ、作るんだ・・・という強い気持ちで行動してほしい。自分の気持ちを乗せられる候補や政党の名を書いてもらいたいと思います」と訴えています。
 
 それとは別にLITERAも、高田延彦氏ほか、松田美由紀氏と松尾貴史氏の、参院選に向けての渾身の訴えを取り上げています。
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参院選 自分の人生選んで・・・ 元プロレスラー・高田延彦さん
毎日新聞2016年7月9日
 投票率が低いのは、政治への期待や信頼が薄れているからかもしれません。僕も20代、何も考えず投票していました。でも、それは自分の首を絞める行為だ。特に若い世代。経済にしても社会保障にしても、この国の負を最も多く背負うのは若い人たちです。 
 自分の人生を守るんだ、選ぶんだ、決めるんだ、作るんだ−−という強い気持ちで行動してほしい。自分の気持ちを乗せられる候補や政党の名を書いてもらいたいと思います。 
 
 どうせ何も変わらんだろうと思っても、投票しないと本当に何も変わらない。僕も死ぬ直前まであきらめずに投票に行くつもりだ。暮らしやすい日本にするために1票は必要です。政治に興味を持つことは、自分の生活に興味を持つこと。新聞を開き、興味があるところからちょっとずつ読み始めてほしい。 
 今回の選挙で憲法に注目しています。生活に大きくかかわってくる。昔は「僕のような中卒の元プロレスラーが政治の話なんて」と思っていたが、憲法改正は日本のかたちを変える大問題です。前文や9条など重要なところだけでもよいので読んでほしい
 18歳、19歳が新鮮な気持ちで投票に行ってくれることを期待しています。投票所に出てこいや! 【聞き手・野原大輔】 
 
◇高田延彦(たかだ・のぶひこ)◇ 
 1962年横浜市生まれ。81年にマット界にデビューして人気を博す。今はタレントとして活躍する一方、格闘技の「高田道場」を主宰する。
 
 
石田純一だけじゃない! 高田延彦も自民党の参院選“改憲隠し”を徹底批判! 対案は? にも「対案は現行憲法だ」と一喝
LITERA 2016年7月9日
 昨日、石田純一が都知事選会見で安倍首相の参院選の争点隠しを批判、“参院選の争点は憲法改正”とマスコミに向かって訴えた。石田は自分が芸能人であるという“発信力の高さ”を自覚し、それをいかんなく発揮した格好だったが、参院選に向けて憲法改正の恐ろしさを懸命に発信している芸能人は石田だけではない。
 
 まず、その筆頭に挙げられるのが、元格闘家でタレントの高田延彦だ。高田は昨年の安保法制をめぐる議論でも積極的にその危険性を訴えていたが、現在、高田が危機感を募らせているのは、もちろん自民党による憲法改正だ。
 たとえば高田は、安倍政権がアベノミクスによって改憲を選挙の争点から隠そうとしていることを、一貫して広めてきた
〈自民党公約には憲法改正が末尾にサクッと足してある程度、政権発足から首相が何に最大力点を置いてきたか?秘密保護法に手を付けたあたりから鮮明でした、安倍さんの本丸は間違いなく憲法改正だね、大事なアベノミクス&経済対策も本丸の隠れ蓑かな?〉
 〈参院選、政権与党のアベノミクスやら経済争点はカムフラージュ、当然経済重要だが本丸は圧倒的に憲法改正、安保法改正!第二次安倍政権を振り返れば分かりきっている選挙戦略の常套やり口、現政権での緊急事態条項なんて想像もしたく無い悪夢だよ。〉
 
 また、高田は、弁護士の伊藤真氏が上梓した『赤ペンチェック 自民党憲法改正草案』(大月書店)を読んで、自民党の改憲草案を勉強。同書を推薦した上で、〈投票前に開いて見てください、特に文、9条戦争放棄、12条国民の義務と権利、98条緊急事態、100条改正、101条最高法規、この6つで国が、、〉と、改憲草案のどこが危険なのかを具体的に指摘している。
今回の参院選で選挙権を得た若い人たちへ、現行憲法を自民党草案と比較してみてください、天と地がひっくり返るような、とんでもない変更を勝手にしています。恐ろしい行為だ。
 〈いい加減国民を舐めくさるなよ!です。〉
 
 さらに高田は、安倍首相をはじめとする「改憲反対ばっかり言わずに対案を出せよ」と言う連中にも、きっぱり〈対案は現行憲法だよ〉と突きつけている。
自民党憲法草案の対案は『現行の日本国憲法』の他ありません。当たり前のお話です (^○^) 
 このほかにも高田は、沖縄の問題についても〈『沖縄県民に寄り添って、国民に寄り添って』で肝心要は茶を濁す安倍政権。言葉に魂があれば、本気ならば、まずは遮二無二でも日米地位協定改定に手を付けるだろ!?ホント情けな。〉と批判したり、礒崎陽輔元首相補佐官が「岡田氏は言うことも顔も共産党になってきた」と野党共闘を下品な発言で貶めたときも、〈人の顔がどうだこうだと小僧レベルのくだらねえ発想を口にする元首相補佐官とやら。情けないわ!〉と真っ当な感想を投稿している。
 
 このように、高田の訴えはつねに市民の目線から発せられており、だからこそ支持を集めているのだろう。しかし高田本人は、7月1日付けの日刊スポーツのインタビューで、「私みたいな中卒の元プロレスラーが、政治ネタでインタビューなんてノコノコ出たくないよ、本当はね」と言い、なぜ政治的発言を行うようになったのか、その理由を明かしている。
「私が政治に興味を持ったきっかけは憲法改正問題。このままでは我々が生きてきた時代と変わる。3、4年前から、いてもたってもいられなくなった。私なりに注目するジャンルを新聞やテレビ、本などで少しずつ判断材料を積み重ねて54歳で初めて憲法の条文を読みました」
 しっかり現行憲法を読み、かつ改憲草案と比較し、その上で危険を周知させようと“草の根”運動をつづける──。この姿勢には頭が下がるが、同じように“自分にできる運動”を展開してきた芸能人がいる。
 
 それは、女優の松田美由紀も同じ。故・松田優作の最後の伴侶であり、同じように役者として活躍する松田龍平・翔太の母としても有名な彼女だが、女優としての活動の一方で、音楽プロデューサーの小林武史や映画監督の岩井俊二らとともに「69(ロック)の会」を結成。先月も改憲による緊急事態条項導入を阻止するイベントを開催した。
 もちろん、松田はSNSでもメディアが伝えない“参院選の重要性”を強調する。
〈いま、大切なの都知事選じゃない。報道にごまかされないで。7月10日の参議院選は本当に、歴史が変わる大切な大切な選挙。平和と戦争、表現の自由と規制。緊急事態条項なんか決まったら、安倍さんの独裁になるよ。投票に行こう!
 〈みんな、勝手にふあんがって自主規制してる時間ないよね?緊急事態条項が決まったら、政府が私たちの人権をぜんぶ奪っちゃうんです。まずはしって?誰も教えてくれないよ。だってすごい静かに進めてるんだもん。選挙にいこう。〉
 
 そして、松田は〈平和になりたいと願う一市民〉として、こう声をあげている。
〈みなさん。これが(緊急事態条項)、次の選挙で決まるかもなんですよ。本当に歴史が変えられようとしてる。敵がせめてきたら?のいわれのない不安感にだまされませんよーに。 恐怖を煽るのは、戦争したい人達の、戦争でお金持ちになれる人達の、やり方です。〉
 〈次の選挙が終わったら、必死な平和活動は止めて自分のお仕事に専念しようと思っております。平和になりたいと願う一市民のお願いです。いろいろ惑わされない様に。緊急事態条項を入れようとしてる、自民党さんだけはやめてね。とにかく選挙で次世代の子供をまもろう。〉
 
 また、松田と同じように参院選のテレビ報道における欺瞞の核心をついたのは、タレントの松尾貴史だ。
〈テレビが自民党の都知事候補選びの一見ドタバタを克明に逐一、多くの時間を割いて報じるのはなぜか。参院選についてもっと知らせ、議論を盛り上げなければいけない時に、そのムードを希釈させようという誰かの思惑すら「忖度」しているのか〉
 くわえて松尾は、自民党の“嘘八百”テレビCMにも、〈対抗する側を「後退」とレッテル貼り。「前進か後退か」ということは、やはり「この道しかない!」という発想ですね。〉〈平和へ前進か。戦前へ後退か。〉と論評。〈年金消失も憲法争点も隠して投票が終われば「信任を得た」と好き放題という筋書きは姑息、狡猾、そして面妖。〉と、安倍首相の政治家としての資質を見抜いたツイートを行っている。
 
 なかでも、安倍首相の実相を見事に暴いているのは、こんな一文だ。テレビでの党首討論を視聴した感想を、松尾は毎日新聞のコラムでこう綴る。
〈こういう時に人柄が出てしまうのはこのメディアの怖いところだ。時間の管理がなっていないなどと不平を言い、「今は私に対する質問ですから」と他者を制しておきつつ、まともに答えず自分の言いたいことだけを喋って時間を費やす様は非常に見苦しい
 さすがは“文化人ものまね”で磨いた観察眼をもつ松尾らしい批評だが、どうしてここまで参院選前に政治に言及するのか、松尾もまたTwitter上でこのように説明している。
〈選挙関連のツイートが目障りだと感じている方も少なくないと思います。楽しいことだけに目を向けていたいですよね。それは私も同じです。しかし、今は「楽しいことを享受すること自体が許されない国」になってしまう分岐点なのです。まさかと思う人も多いでしょうが、本当に危険なのです。必ず投票を!〉
 
 楽しいことを享受すること自体が許されない国になる──。高田延彦も松田美由紀も、そしてそのほかの多くのミュージシャン、映画監督、演劇人たちが憲法改正に危機感を示しているのも、同じ理由からだろう。
 参院選で自公、さらにおおさか維新の会などの改憲勢力が3分の2以上の議席を確保すれば、憲法改正によって表現の自由や人権の尊重、戦争放棄がこの国から奪われてしまう。そんな重要な争点で行われる選挙なのに、マスコミはダンマリを決め込んでいる。どうすれば、この恐ろしい現実をひとりでも多くの人に知ってもらうことができるか……。そう考えて、芸能人である発信力を活かして、“仕事相手”であるテレビへの批判も怯むことなく行っているのだ。
 
 タレントの政治的発言に眉をひそめる人が多いこの国で、しかも“空気を読め”という同調圧力が強い芸能の世界にいながら、干される覚悟で身を挺して安倍政権に警鐘を鳴らしつづける。そうした良心ある人びとの存在には勇気づけられるが、問題は無論、明日の参院選だ。
 憲法が改正されれば、わたしたちの生活は一体どうなるのか。高田の、松田の、松尾の言葉をしっかりと心に止めて、どうかより多くの人びとに、いまこそ拡散してほしいと思う。 (水井多賀子)