The Huffington Post 2016年7月14日
天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子さまに譲る「生前退位」の意向を示したことが7月13日、明らかになった。海外メディアも相次いで速報した。
アメリカのニューヨーク・タイムズ(電子版)は13日、「生前退位したのは、1817年の光格天皇を最後に、現代の天皇ではいない」などと解説しながら報じた。
さらに「天皇は政治的な権限を全く持っていないが、皇太子さまは安倍首相の目標(憲法改正)とは対照的な考え方を示すかもしれない」とし、「皇太子は(日本の)平和主義の憲法を繰り返し称賛してきた。2015年の55歳の誕生日に『平和の貴重さを精神に刻み付けたいと語った』と述べた」と伝えた。
ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)は「天皇陛下は公務をとても大事にしている。すべての公務を確実に進めていくために生前退位を希望したとすれば驚きではない」と報じた。またAP通信は「年齢にもかかわらず、陛下は忙しいスケジュールをこなし、式典に出席し、外国からの来賓をねぎらい、震災の被災地を訪れ被災者を慰問している」と伝えた。
王室を持つイギリス。BBCは「日本では今まで考えられなかったことだ」と報じた。さらに「第2次世界大戦の愛国主義とは距離を置く姿勢を取り、讃えられてきた」と記した。ロイター通信は「現代日本では前例がないことだ」と指摘した。
韓国の通信社・聯合ニュースは13日、速報で伝えた。日本の共同通信は「韓国では日本の植民地支配の記憶から天皇制には否定的な見方が根強いが、陛下は平和主義者と受け止められており、関心が高まりそうだ」と分析している。
このほか、中国国営の新華社通信、台湾の大手通信社・中央通信も、それぞれNHKの報道を引用する形で伝えた。