2016年7月23日土曜日

23- 東村高江ヘリパッド 機動隊が反対派を強制排除して着工

 ヘリコプターの着陸帯「ヘリパッド」は沖縄県東村高江の米軍北部訓練場6つ設置する計画で、以前に2つまで完成しましたが、近くの住民はオスプレイなどの強烈な爆音で生活ができなくなるからとして、数10台の自動車でピケットを張るなどして座り込み、残りの4つの着工を阻止して来ました。
 しかし政府は参院選の終わるのを待っていたかのように22日朝数百人の機動隊を投入して、自動車を排除し、座り込んだ住民をごぼう抜きにし、さらに2台の街宣車の屋根の上にいた10人ほどの住民に襲い掛かり突き落とさんばかりにして暴力的に排除しました。
 
 ブログ:「まるこ姫の独り言」は、「参議院選挙が終わって、また沖縄虐めが始まった」と書きました。
 フリージャーナリストの田中龍作氏は、自ら街宣車の屋根に乗って、住民たちが機動隊に暴力的に排除される様子をリアルに報じました。
 日本テレビは、22日、数百人の機動隊が住民を暴力的に排除する様子を映しました。
 しんぶん赤旗は、21日に軍北部訓練場N1地区ゲート前で開かれた「米軍ヘリパッド建設強行阻止緊急集会」について伝えました。
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参議院選挙が終わって、また沖縄虐めが始まった
まるこ姫の独り言 2016年7月22日
参議院選挙が終わった途端、また沖縄への圧力が始まった。
 
<沖縄ヘリパッド>政府、移設工事を再開 現場は大混乱
               毎日新聞7月22日(金)
 政府は22日早朝、米軍北部訓練場(沖縄県東村、国頭村)の約半分の返還に伴うヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)の移設工事を再開した。
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 新たなヘリパッドは東村高江の集落を取り囲むように計画されていることから、住民らは騒音などを訴えて反対運動を展開。
 移設工事は2007年に着工し、6カ所のうち2カ所が完成したが、4カ所は着工できていない。危険性が指摘される米軍輸送機オスプレイが運用されることからも、住民らはヘリパッドの移設に反対している。
 
せっかく国と県の和解が成立したのに、成立してわずか4カ月余り、参議院選挙の時は何を潜めていたが、島尻愛子が大差で敗れたと同時に、工事を再開している。
問題解決に向けた話し合いをすると言いながらのこの、沖縄に対しての無慈悲な扱いは、本当に腹立たしい。
沖縄に対しては、何かあると常に機動隊配備。これが、国民に寄り添うと言った、安倍首相の仕打ちか。それとも、沖縄県民は日本国民にあらずという所か。
 
裁判所の和解勧告の勧告文には
 >本来あるべき姿としては、沖縄を含めオールジャパンで最善の解決策を合意して、米国に協力を求めるべきだ。とある。
 
まったく裁判所の勧告文の通りだ。この国の政府は沖縄を都合のよいように利用してきた歴史がある。
この期に及んでも、沖縄に寄り添って解決策を話し合うなどとの発想は全くないらしい。
なぜ、沖縄の民意を汲んでアメリカに協力を求めようとしないのか。例え相手が飲まなくても、粘り強く交渉するのが、”国民の生命財産を守る義務がある”と声高に言う首相の責務じゃないか。いつもアメリカの意向ばかり汲んで、沖縄の民意は汲まない。
予算を大幅に削減するなど嫌がらせをせずに、腹を割って話し合う事こそ、安倍首相がやるべき仕事じゃないのか?
沖縄には機動隊投入で流血騒ぎになっているのに、安倍首相はのんきにゴルフ三昧。今年も8月が来て、広島・長崎で記念式典が行われ、安倍首相は、例のごとく、誰かが書いた、まったく心に響かない作文を使いまわしするのだろう。
 
 
【沖縄・高江発】山城議長「これ以上機動隊の暴力に晒されたくない」
田中龍作ジャーナル 2016年7月22日
 夜がやっと白み始めた午前5時30分。機動隊の第一陣がゲート前になだれ込んで来た。あれよあれよ という間に増派されていき、30分も経たぬうちに300人位にまで膨らんだ
機動隊は座り込んでピケを張る反対派住民を次々とゴボウ抜きしていった。住民の次はゲート周辺に停めているマイカーの排除だ。機動隊はマイカーをジャッキ付きの荷車に乗せて一台一台移動させていった。
 援軍が駆け付けようにも不可能だ。警察はゲートの4㎞手前から道路封鎖した。タクシーさえも通れない。すべての交通を遮断した。反対派住民は孤立無援となった。
  反対派の街宣車2台が10年前からゲートに横付けされヘリパッド建設資材・機材の搬入を阻んでいた。反対派にとって最重要の砦だ。だが砦をガードしていたマイカーも住民も排除された。
 
 砦は裸同然となった。2台の街宣車の屋根に乗る反対派は、合わせて約10人。彼らはロープで自らの体と街宣車をつないだ。田中は一緒に街宣車の屋根に乗った。
 機動隊は間髪を入れず攻め込んだ。街宣車の屋根によじ登り反対派の排除にかかった。高さ2メートル以上ある街宣車の屋根から落ちれば大ケガは免れない。
 「危ないから止めて」。屋根から逆さに落とされそうになった女性が悲鳴をあげた。機動隊は一向に気に留めなかった。首を絞められる男性もいた。
 午前10時20分。反対派のリーダーである山城博治・沖縄平和運動センター議長がマイクを握った。山城議長は「これ以上機動隊の暴力に晒されたくない。今日は これで ここを 出る」と一時撤退を宣言した。辺りは静まりかえった。
 
 反対派弁護士の小口幸人氏は「法律がないのに警察は思うがままにしている。戒厳(※)と同じ。県はこんなことをする気がないのに」と指摘した。
 現場の道路は県道70号線で管理者は沖縄県だ。街宣車を停めているのは道路から外れた路肩だった。県道封鎖についても正当な法的根拠はない
 「警察の上(官邸)が命令を出せばそれがルールになる。治安維持のためならそれがルールになると思っている」。小口弁護士は喝破した。
 
 治安維持のためなら首相に大権が与えられ、個人の権利を制約できる。道路封鎖を決めたのは官邸だという。
 「(強制排除について)一切説明はなかった。問答無用の安倍政権を象徴している」。山城議長の言葉が事態を的確に表していた。
(※戒厳:戦時・事変に際し、立法・行政・司法の事務の全部または一部を軍の機関に委ねること。通常、人権の広範な制限がなされる。戒厳令:戒厳を布告する命令。)
~終わり~
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反対派を強制排除 政府が沖縄で工事再開
日本テレビ 2016年7月22日
 政府は22日朝、沖縄県東村のアメリカ軍北部訓練場で、中断していたヘリコプターの着陸帯「ヘリパッド」の移設工事を再開した。警察は工事を止めようと座り込んでいた市民を排除し、激しいもみあいとなった。
 政府は22日朝から、沖縄県東村でヘリパッドの移設工事を再開した。これに先だってヘリパッド予定地に続く県道では、移設に反対する市民ら100人以上が、工事の再開を止めようと座り込み、数十台の車で県道をふさいだ。しかし、午前5時半ごろ、全国から派遣された数百人の機動隊員が出動し、市民の排除やふさいでいた車の撤去などを進め、激しいもみあいとなり、ケガ人も出た。
 沖縄県・翁長雄志知事「政府が警察力をもちいて住民を強制的に排除する事態が生じていることは、県民に大きな衝撃と不安を与えるものであり、誠に残念であります。強硬に工事に着手する政府の姿勢は到底容認できるものではなく、強く抗議致します」
 ヘリパッドの移設は、アメリカ軍北部訓練場の約半分を返還する見返りとして進められたが、移設先近くの住民らが騒音が激しくなるなどとして反発し、工事が遅れていた。
 一方、政府は普天間基地の辺野古への移設問題で、国は指示をした「埋め立て承認取り消しの撤回」を行わないのは違法だとして、沖縄県を再び提訴した。
 
 
米軍ヘリパッド建設強行阻止へ緊急集会 沖縄の怒り結集
東村高江 「森を守れ」県民ら声
しんぶん赤旗 2016年7月22日
 米軍ヘリパッド(着陸帯)の建設が狙われる沖縄県東村高江の米軍北部訓練場「N1地区」ゲート前で21日、基地の県内移設に反対する県民会議などの主催で「オスプレイパッド建設阻止緊急抗議集会」が開かれました。
 県内各地から大型バスに乗り合わせるなどして1600人が参加。開始前から「ヘリパッドいらない」「森を守れ」とコールし、気持ちを一つにしました。
 
 集会では「高江ヘリパッド反対現地行動連絡会」の間島孝彦共同代表が「沖縄の怒りがここに結集しています。これから始まる安倍政権の横暴に大きな力でたたかっていきたい」と決意を述べると、高江で6人の子どもを育てる「ヘリパッドいらない住民の会」の安次嶺雪音(あしみねゆきね)さん(45)は「この3週間、毎晩のようにオスプレイが自宅の真上を低空で飛び、生活ができない状態になっています。自然が豊かな森の中で暮らしたいだけなのに、国はどうして私たちを苦しめるのか」と訴えました。
 日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は「沖縄県民が団結すれば、安倍内閣がどんな強硬な手段をとっても(団結を)阻むことはできない」と強調し、高江在住の伊佐真次・党東村議は「高江の座り込みは10年目に入りましたが、ヘリパッドは六つのうち二つしか完成していません。あとの四つをつくらせないため、一緒に頑張りましょう」と呼びかけました。
 
 10日の参院選で初当選した伊波洋一さんも「北部訓練場の一部返還は当たり前で、返還にともなってヘリパッドをつくる必要はない」と力を込めました。
 機動隊が22日早朝から一帯の道路を封鎖し、ゲート前で座り込む市民や車両などを排除することが検討されていると伝えられると「今夜は帰らない」との声も上がりました。