週刊FLASHによれば、総裁4選が不可能なことは安倍首相も分かっていて、いまは退陣後の不安にさいなまれているということです。それはこれまでの言動が法律に違反していることの自覚があることを示すもので、それ自体はむしろ正常な感覚と言えます。首相は、今井補佐官らがとりなしても虚ろな目をしていることが多いということです(^○^)。
以前、9月ごろの内閣改造で菅官房長官と二階幹事長が切られるという話が首相に近いグループから流されましたが、そう簡単には行きません。“菅外し”は“公明・学会外し”も同然なので、2人を切っての選挙では自民党は持ちません。公明・学会の支持を失えば、自民党は100議席を失なうと言われています(鈴木哲夫氏)。そもそも新型コロナ対策の給付金をめぐる件で首相が公明党に屈したのは、学会とのルートがある菅氏を政策決定の場から排除していたために、山口委員長が連立離脱をほのめかして直に首相と対決したためでした。
後継者と考えていた岸田文雄氏が、一連のコロナ対応でその器でないことが明らかになったことで、安倍首相は「次は麻生さんでいく」と周囲に胸の内を明かし、俄かに「第2次麻生政権」説が浮上したということです。
このところしばしば安倍・麻生の密談が行われていることが話題になっています。
当初は、安倍首相政権が党内の求心力を保持するために秋の解散断行を目指したようですが、いまは麻生氏への禅譲を目指したものに変わりつつあるようです。少し前に、あるブログに、麻生氏が「安倍首相は9月に入院する」と語ったとかと載っていました。まんざらあり得ないことではありません。
しかし(安倍氏と同様)国民の声にまったく反応できていない麻生氏が再登板したところで何の代わり映えもありません。その辺が結局 安倍政権の限界なのでしょう。
それとは別に、6月下旬に自民党が極秘裏に行った次期衆院選の情勢調査で、「現時点で総選挙を行った場合、同党は66議席失う」との結果が出たたため、それを下村選対委員長が報告すると安倍首相は青ざめたということです。
66議席減らせば自民党は218議席となり、単独過半数の233を大きく割り込むし、連立を組む公明党の約30議席と合わせても過半数がやっとで議席の3分の2(310議席)にも遠く及ばないので当然のことです。
日刊ゲンダイが伝えました。
NEWSポストセブンが、「公明党が安倍政権に強い姿勢、連立解消で自民100議席失うか」という記事を出しましたので、併せて紹介します。
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安倍首相「もう疲れた…」9月解散説で浮上する「麻生再登板」
FLASH YAHOO NEWS 2020/6/29
週刊FLASH 2020年7月7日号
「最近、総理が『もう、疲れたよ』とつぶやくのを聞いた官邸関係者が多くなっています」
そう語るのは、菅義偉官房長官の側近議員だ。無理もない。東京高検の黒川弘務前検事長をめぐる問題や、河井克行・案里夫妻の逮捕で、内閣支持率は急降下中だからだ。
安倍晋三首相(65)は、「今井尚哉補佐官らがとりなしても、聞いているのかいないのか、うつろな目をしていることも多い」(同前)という。自民党最大派閥である細田派の中堅議員は、こう話す。
「総裁4選が不可能なことは、総理もわかっている。いま総理は、退陣後の不安にさいなまれている。政権を岸田文雄党政調会長に禅譲するつもりだったが、新型コロナ対策の給付金をめぐるゴタゴタで、岸田氏は政局勘の鈍さを露呈した。それを見て、安倍総理の不安が増しているようだ」
そこで急浮上しているのが、「第2次麻生政権」だという。伏線となるのが、6月10日、官邸で1時間にわたっておこなわれた、麻生太郎副総理兼財務相(79)と安倍首相との “サシ” 会談だ。
「9月の解散総選挙を進言した麻生さんに、安倍総理から “ポスト安倍” について、なんらかの意思確認があったとみられています。
この会談後、安倍総理が周辺に『次は麻生さんでいく』と、胸の内を明かしたといわれているのです。それは、もし内閣支持率がさらに低下して、政権を維持できない状況になったら、そのときは安倍総理が退き、悩ましい決定を下す際に、ずっと相談相手としてきた麻生さんに引き継ぎたいということ。
総理にとって麻生さんは、政界でいちばん信頼できる政治家なんです」(自民党関係者)
背景には、ポスト安倍をめぐる激しい駆け引きがある。
「二階俊博幹事長は、とにかく自身の幹事長続投が最優先。それが危うくなれば、無派閥議員を率いる菅官房長官と組んで、石破茂元幹事長を担ぐといわれている。そうなれば、自民党は真っ二つに分裂する」(政治部デスク)
そんななか、6月19日夜に安倍首相、麻生氏、菅氏、甘利明党税調会長が顔を合わせる4者会談が開かれた。
「石破氏を担ぐ “二階・菅連合” を組ませないようにするため、総理と今井補佐官が呼びかけてセットされた。“本音” が出るような話し合いはなかったようだ」(政治部記者)
首相経験者なのに、浮世離れした失言や放言で、国民からの批判はおろか、外交問題になりかけたこともしばしばある麻生氏。だが本人は、まんざらでもないようだ。
「麻生さんは以前から、『安倍がやれるなら、俺もやれるだろ』と言っている。千賀子夫人から政界引退をすすめられても、麻生さんは、『何言ってんだ。あと1期』と返したそうだ。まだ退く気はない」(自民党幹部)
政治ジャーナリストの角谷浩一氏は、こう憤る。
「麻生氏は、“古い政治家” の最後の生き残り。約束を守り、周囲を守るから安心感を与える。
ただ、コロナ対策で財政出動に最後まで反対し、森友問題の再調査を求める35万筆の署名を無視するなど、国民の声にまったく反応できていない。再登板など、国民無視もはなはだしい」
政権を私物化する「麻生再登板」論は、国民にとって覚めない悪夢だ。
解散総選挙「自民66議席減」の衝撃メモ 首相は青ざめた?
日刊ゲンダイ 2020/07/03
いま総選挙をすれば66議席減――。安倍首相が解散・総選挙に打って出るとの観測が広がる中、政府高官の発言とされるメモが出回り、自民党内に衝撃が走っている。
メモはこんな内容だ。
「6月下旬に自民党が極秘裏に行った次期衆院選の情勢調査で、現時点で総選挙を行った場合、同党は66議席失うとの結果が出た。この結果を下村選対委員長が報告すると、安倍首相も青ざめた」
自民党が現有284議席から66議席減らせば218議席となり、単独過半数の233を大きく割り込む。連立を組む公明党の約30議席と合わせても過半数がやっとで、憲法改正の発議に必要な3分の2(310議席)には遠く及ばなくなる。
「出回っているメモは数パターンあり、自民党が65議席減というものや、結果を聞いた安倍総理が『じゃあ、解散風を吹かせるか』と言ったという内容のものもあった。ここまでの議席減が予想されると、解散なんて絶対にダメだという声が党内で大きくなるでしょう」(自民党中堅議員)
解散なんて打てっこない
いずれも出所不明の怪しいメモではあるが、いま選挙をやれば、自民党が議席を大きく減らすことは間違いない。
政治評論家の野上忠興氏が言う。
「自民党が情勢調査をかけたことは事実のようです。野党が統一候補を立てれば、66議席減では済まない可能性もある。とても解散なんて打てる状況ではないということです。それなのに、秋に解散があるように見せているのは、党内を引き締め、政権の求心力を保つためでしょう。解散を打てないからこそ、解散風を吹かせているのです。ただ、風を吹かせ過ぎて、すでに走り出している若手議員もいるので、少しブレーキをかける意味もあって、あえて議席激減のメモを官邸筋がバラまいたのではないか。あるいは、情報戦で野党を撹乱させる目的かもしれません」
2017年の前回選挙から、政権が窮地に陥るたびに解散風が吹いたものだが、結局は“やるやる詐欺”に終わっている。
今回の解散風もカラ吹かしなのか。むしろ、風がやんだ時の方が危ないと警戒すべきかもしれない。
来年秋までには確実に解散・総選挙が行われる。野党はいつでも受けて立てる態勢を早く整えることだ。
公明党が安倍政権に強い姿勢、連立解消で自民100議席失うか
NEWSポストセブン 2020.07.02
週刊ポスト2020年7月10・17日号
河井克行・前法相と妻で参院議員の案里氏が選挙違反容疑で東京地検特捜部に逮捕されると、斉藤鉄夫・公明党幹事長は「政権にとって大きな打撃。総理の任命責任はある」と強い言葉で安倍晋三首相の責任に言及した。ベテラン学会員が語る。
「昨年の参院選で公明党広島県本部や地元の学会組織は案里ではなく、落選した自民党長老の溝手顕正氏を重点的に応援していた。しかし、選挙終盤、創価学会中央から、案里を応援するように指示が出された。
広島の学会や公明党の地方議員には案里の評判は悪かったから不満は強かったが、渋々案里に票を投じた人が多い。それだけに今回の逮捕で裏切られたと怒りが増している」
新型コロナ経済対策でも、公明党が安倍首相の方針をひっくり返す場面が目立っている。山口那津男・代表が安倍首相と直談判して国民一律10万円給付を飲ませたのを皮切りに、中小企業や自営業者への持続化給付金をめぐる経産省の委託業者の“中抜き”疑惑が発覚すると、公明党の赤羽一嘉・国土交通相は国民に旅行クーポンなどを配布する観光振興(Go Toキャンペーン)で、官邸が決めた発注方法を見直すといち早く表明した。
公明党を動かしたのが“下からの突き上げ”だ。元公明党代議士の二見伸明・元運輸相が語る。
「創価学会の活動を支える熱心な学会員には商店主や自営業者などが多く、今回のコロナ自粛で経営や生活を直撃されている層に重なる。特別給付金や持続化給付金がなかなか届かない政府の対応に非常に不満が強い。そのため学会員たちが、特別給付金は国民一律でなければ困ると学会の上層部を突き上げたわけです。
すると山口代表が安倍総理に迫って10万円支給が実現した。末端の学会員たちは自分たちで政治を動かせるとわかったんです」
公称827万世帯の創価学会員たちが「安倍離れ」を起こし、“安倍べったり”だった公明党執行部や創価学会上層部は安倍政権に強い姿勢を取らざるを得なくなった。
安倍首相側は創価学会をコントロールする“頼みの綱”を失っている。官邸でこれまで創価学会との交渉を一手に担ってきたのが菅義偉・官房長官。安倍首相には学会と個人的なパイプがないのに対し、「菅さんは学会首脳部の信頼が厚く、公明党を通さずに直接政治向きの交渉ができる」(菅側近議員)といわれる。
ところが、首相はコロナ対策の政策決定から菅氏を実質的に外している。これによって安倍政権と創価学会は意思疎通ができなくなった。そのことが前述の10万円給付金問題で露呈した。政治ジャーナリストの柿崎明二氏は、創価学会側は最初に菅氏を頼ろうとしたと指摘する。
「学会幹部が菅氏に、減収世帯への30万円給付を一律10万円給付にするよう修正を求めた。それに対して菅氏が自分が経済対策を主導していないことを説明すると、学会幹部は菅ルートでの決着を断念し、公明党の山口代表を突き上げた。そこで山口氏が安倍首相と直談判し、連立離脱までちらつかせて一律10万円給付に持ち込んだ」
“私に言われても何もできない”と菅氏は調整役を投げ出したのだ。すると創価学会と公明党は首相に牙をむいて“抜き身”で給付金のバラマキを迫るようになった。
「自民党はもう公明党の協力がなければ選挙を戦えない。私は連立解消になれば自民は100議席は減ると思う。安倍首相に近いグループは“9月ごろに内閣・党改造人事をやって、菅官房長官と二階俊博・幹事長を切って総選挙”という構想を話していた。
でも“菅外し”は“公明・学会外し”も同然で、学会とパイプがある2人を切って選挙では自民党がもたない。もともと公明党は『自公連立を維持していく』気はありますが、『安倍首相個人を守る』わけではない。公明・学会の支持を失えば、安倍政権にとって致命傷です」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)