お友達人事しか出来ない人間にまともな政治が出来る筈がありません。
戦後の義務教育に道徳教育を復活させた人物こそ道徳から最も遠い人間でした。
不正は本来隠れて行うものですが、それがバレても決して認めず訴追の惧れが出てくると今度は検察に手を回そうとする・・・まことに合理的ですが、そこには古来の美徳「恥」が欠落しています。それに対して保守派からも批判がないということは、いまや「保守派」も従来のそれではなくなったということでしょうか。
この7年半で日本は隅々まで大きく狂いました。
何か最近は体調が不良のため国会出席の要求にも応じられないということなので、いまこそ退陣の潮時ではないでしょうか。
NEWSポストセブンが「女性セブン」の記事を報じました。
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安倍政権のお友達人事がもたらした不祥事、歪んだ一強体制
NEWSポストセブン 2020/07/12
※女性セブン2020年7月23日号
第1次内閣の約1年間を合わせた「首相在職期間」が戦前戦後を通じて歴代1位の安倍晋三首相。今年8月24日には、2度目に首相になってからの「連続在職記録」でも現在1位である大叔父の佐藤栄作元首相(安倍首相の祖父・岸信介元首相の実弟)の7年8か月の記録を抜く。
しかし、現在の支持率は低迷中。新型コロナウイルス対策への失望感、検察庁法改案に対する反発、森友問題など、いくつもの問題を抱えており、国民の不信感も爆発寸前だ――。
そんな安倍政権を象徴するのが人事だ。安倍首相は人事でも能力主義や信賞必罰ではなく、自分の親しい政治家だけを重用する“お友達人事”を徹底し、自分に批判的な政治家を排除していく。
首相のいちばんの“お気に入り”とされる稲田朋美氏は防衛大臣時代に虚偽答弁や不祥事で与党内からも批判を浴びて辞任したが、いまや幹事長代行に抜擢されて復権し、首相のバックアップで“初の女性総理”を目指している。
「首相の盟友」の甘利明氏も経済再生大臣時代に口利き疑惑で辞任に追い込まれながら、自民党内で“影の財務大臣”と呼ばれる重要ポストの党税制調査会長に起用されている。
逆に、自分に逆らった政治家は自民党議員であっても容赦せずに議席を奪う。
東京地検特捜部に逮捕された河井克行・前法相と妻の案里・参院議員の選挙買収問題も、背景には安倍首相が自分に従わない自民党の大物参院議員の追い落としをはかったことがある。
その人物とは溝手顕正・元自民党参院議員会長。かつて安倍首相を「過去の人」と呼ぶなど批判的な発言を繰り返してきたことで知られる。安倍首相はその恨みを忘れておらず、権力を握ると溝手氏を参院議員会長から更迭(2016年)したうえ、2019年の参院選では広島選挙区から出馬した溝手氏に自民党から2人目の候補をぶつけた。その“刺客”に選ばれたのが案里氏だった。首相は案里氏の応援に自分の秘書4人を派遣したほか、自民党本部も河井夫妻に異例の1億5000万円を渡し、金権選挙が展開され、溝手氏は落選の憂き目にあう。
安倍首相の「お気に入りは出世させ、意向に従わない者は切る」という方針は官僚人事にも適用された。霞が関の各省庁の幹部たちは出世のために首相やその取り巻きの顔色をうかがうようになり、政策は首相の意向を忖度して決められるようになった。
こうして誰も安倍首相に逆らえない「一強」体制が確立し、長期政権につながったのである。安倍一強の長期政権は行政の大きなゆがみをもたらし、数々の政権スキャンダルが噴出する。
特に安倍首相と昭恵夫人がかかわったのが森友学園への国有地格安払い下げ疑惑と、首相の友人が経営する加計学園の獣医学部新設認可問題、そして桜を見る会疑惑だ。
「私や妻が関係していたということになれば、それはもう間違いなく総理大臣も国会議員も辞める」
森友疑惑では、首相のこの一言が財務省による文書改ざんを招き、財務省職員が自殺する悲劇まで生んだ。それにもかかわらず、安倍政権は数々の不祥事を封じ込めてきた。
しかし、コロナ危機で状況は一変する。検察庁法改正案への反対を訴える〈#検察庁法改正案に抗議します〉のハッシュタグが約900万リツイートされた“ツイッターデモ”に象徴されるように、国民がコロナの苦しみの中で政治のあり方に正面から目を向けるようになり、安倍政治の本質に気づいたからだ。
◆「貴族内閣」「下心政治」
経済ジャーナリストの荻原博子さんはそれを「貴族内閣」と呼ぶ。
「安倍さんがアップした星野源さんの曲に合わせてくつろぐ動画には、“あなたは貴族か”と驚いた。国民の自粛の中で花見や旅行を楽しむ昭恵夫人はさしずめマリー・アントワネットでしょう。安倍首相だけでなくお友達の大臣も貴族内閣なんです。庶民の生活がわからないから、対策もわからない。だから側近に『全国民に布マスクを配れば不安はパッと消えますよ』なんて言われて何百億円もかけてアベノマスクを配ってしまう。
自粛で国民がいちばん困っているときに政府が組んだ一次補正予算には、アルバイトで学費が稼げずに困っている学生への支援はたった7億円で、さあ旅行に行こうというGo Toキャンペーンに1.7兆円ですよ。自粛で出歩くなといって、さあ旅行なんておかしいでしょう。カナダは学生支援に7000億円くらい予算を組んでいる。日本は政治家が誰が本当に困っているかわからない貴族だからこんな対策になる」
経済評論家で同志社大学大学院教授の浜矩子さんは「下心政治」と名づけた。
「政府が傷んでいる国民の生活を支え、命を守ろうと本当に思っているのであれば、持続化給付金(自営業者に100万円、中小企業に200万円)の丸投げなどしないでしょう。しかも相手は電通。過労死問題を起こしたブラック企業じゃないですか。コロナ対策と称してそういう企業が儲かるように外注するおかしさ。私は安倍政権の本質は、不純な動機で政策にあたっている下心政治だと思います」
危機にあたって、以前は見過ごされ、うやむやになっていたスキャンダルや不祥事がいかに異常だったかも見えるようになってきた。
「桜を見る会だって、森友も加計学園もおかしい。みんな安倍さんのお友達から始まってるじゃないですか。でも、問題が浮上したときは、まさか日本の総理が平気で嘘をつくとか、文書が改ざんされているなんて思いたくなかった人も多いと思う。だって道徳教育を学校の教科にしたのは安倍さんですよ。
道徳の授業では“善悪の判断”とか、“正直さ”や“責任感”を培うようになっている。そういうことを学びなさいという安倍総理自身がまさか嘘をついて、責任も取らないなんて思いたくなかった。それが今回のコロナの対応で、10万円の給付金の遅れとか、持続化給付金の中抜き問題とか身近なところで安倍政権のお粗末さが露呈して、やっぱり森友も加計も桜を見る会もそうだったのかとわかって多くの人が唖然となった」(荻原さん)
長い間政治に裏切られていたことに国民が気づいたことで、社会全体に「もう安倍さんの時代ではない」という意識の変化が生まれている。
※女性セブン2020年7月23日号