2020年7月12日日曜日

12- 「検査体制確立は急務」 増田民医連会長(しんぶん赤旗)

 いま国(や都)が大至急行うべきことはコロナの検査をすぐに受けられる体制を確立することです。検査数を増やすことで出来るだけ早く感染者を見つけて隔離することしか感染の拡大を防止する方法はありません。そのことが何故分かっていないのか不思議です。
 西村コロナ担当相はかつて「世界に冠たるクラスター対策班」と述べましたが、それで感染の拡大が防止できると考えているのであれば大間違いです。
 感染研の「クラスター対策班」が最初に登場したのは北海道でしたが、そのとき彼らは道の職員にPCR検査の範囲を広げないことを実質的に指導したといわれます(道の職員たちは当然違和感を持ちました)。
 そんなことがあり見掛け上は比較的早々に感染拡大は収まったのですが、間もなく当時「第2波か」といわれた感染拡大が再び起きました。徹底的に根絶やしをしなかったのだから時間の経過とともにそうなるのは当然のことでした。

 目下東京都で感染が増加しているのに「夜の街」が大きく関与しているのは事実ですが、それでも11日の段階で経路不明が49%もいます(朝日デジタル最終版)。クラスターの追跡は勿論重要ですが、それだけに特化するのではなく並行して幅広く検査を進めることが必須です。もしも西村氏が、そうしたごく当たり前の考え方が出来ないのであれば政治家として失格です。

 全日本民医連の増田剛会長は、「経路不明の感染者が増えた段階では、検査数を増やし、感染者を明らかにした上で自宅待機なり、入院なり対策をとらなければなりません。検査をすぐに受けられる体制を確立することが本当に求められています」と強調しています

 また456月の3カ月間で、多くの病院は年度決算でもなかなか見ないような大赤字を抱えたので「金銭面でも治療面でも安心して取り組めるよう、国の補償が絶対に必要です」とも述べました

 しんぶん赤旗が伝えました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
検査体制確立は急務 東京での感染拡大 増田民医連会長に聞く
しんぶん赤旗 2020年7月11日
 東京での新型コロナウイルス感染拡大をうけ全日本民医連の増田剛会長に聞きました。

 若い人にPCR検査を広げれば、感染者数は増えると言われていました。東京都のホームページを見ると、入院先等を調整中の感染者が300人近く居るとされています。新型コロナウイルス感染者用の病床占床率は上がっていることが予想されますが、現在、都が確保している病床数、空きベッド数がリアルタイムに明らかにされないと、都民だけでなく、周辺の県民も不安を抱えてしまいます。

 私の勤務する埼玉県でも陽性者は毎日のように出ています。無症状の感染者や陽性者が他の病気で受診、入院することは十分あり得ることであり、院内感染の危険が増していると感じています。感染経路不明の感染者が増えた段階では、検査数を増やし、感染者を明らかにした上で自宅待機なり、入院なり対策をとらなければなりません。検査をすぐに受けられる体制を確立することが本当に求められています

 各病院が思い切ってコロナ対策に打ち込めるような財政支援も必要です。4、5、6月の3カ月間で、多くの病院は(新型コロナウイルス感染症に対応した病院も対応しなかった病院も)年度決算でもなかなか見ないような大赤字を抱えました。金銭面でも治療面でも安心して取り組めるよう、国の補償が絶対に必要です。

 介護施設内で、もし認知症を持つ感染者が発生したら、その施設内感染拡大リスクは一気に大きくなると思います。介護現場での感染拡大を防ぐために、入所者への必要な検査と十分な感染防護具の確保が重要です。