30日の1日当たりの新型コロナ感染者数は、全国で1301人、東京都では367人で、いずれも最高レベルでした。感染は急激に拡大しています。
第1波のあと全く何の対策も講じないで経過した結果がこの有様です(早い段階で新宿の感染エピセンター化なども確認されましたが、本格的な対策は何も行われませんでした)。
かつて北朝鮮の脅威を無理やり国難と煽って解散を打った安倍首相ですが、この国難に当たっては全く姿を見せず、国会から逃げ回っています。記者会見すら1ヶ月半開かれていません。
自分にとって都合が悪くなると国会に出たがらないということでは首相は務まりません。
東京都医師会の尾﨑治夫会長は30日、記者会見し、東京、大阪、愛知などの「夜の街」を中心にエピセンター化が進んでいるとし、全国のそうした地域では大学や研究機関などにも協力を要請し、集中的にPCR検査を実施し無症状者も含めて感染者を発見することが重要だとしました。
そしてそのためには「休業補償をつけた法的拘束力のある休業要請」が出せるようにする特措法の改正が必要であるとし、「コロナウイルスに夏休みはない。一刻も早く国会を開き、国の姿勢を示し、国民・都民を安心させるのが政治の役割だ」と述べました。
具体的に、PCR検査を受けられる機関を人口1万人あたりに1ヶ所、都内1,400ヶ所まで増やし、唾液を用いたPCR検査を行えるよう目指すとの抜本策を明らかにしました。
安倍首相は極右雑誌「月刊Hanada」に身勝手なゴタクを並べることは止めて、何がやるべきことなのかに目覚めるべきです。
LITERAとFNNプライムオンラインの記事を紹介します。
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自民党員の東京都医師会会長も、国会から逃げる安倍政権にブチ切れ、
「一刻も早く国会を開け」「コロナに夏休みはない」
LITERA 2020.07.30
本日も東京都で新型コロナの新規感染者数が367人と最多を更新、昨日29日は全国でも過去最多となる1200人を超えるなど、感染急拡大に全国で危機感が高まっている。しかし、そんななかで安倍首相は約1カ月半も記者会見も開かず、今週27〜29日は連続でなぜか午後出勤の“半休”状態に。驚くべきことに、じつは安倍首相は4連休とこの3日間を足して1週間の「夏休み」をとろうとしていたらしい(毎日新聞29日付)。
安倍首相は8月後半にも夏休みをしっかりとる予定で、いまは〈別荘に赴くかどうかも慎重に見極めている〉という。この重大局面でなんと優雅なことかと呆れ果てるが、そんな安倍首相に向けてなのか、本日、こう吠えた人物がいた。
「コロナウイルスに夏休みはない。一刻でも早く国会を開き、国の姿勢を示し、国民・都民を安心させて」
「これは、政治の役割だ」
語気を強めてこう訴えたのは、東京都医師会の尾﨑治夫会長だ。本日おこなわれた記者会見で、東京都医師会は新型コロナを収束に向かわせるためにどうすべきかを提言。そのなかで尾崎会長は、東京のみならず大阪や愛知などでも「夜の街」を中心にエピセンター(発生源)化が進んでいるとし、全国のエピセンター化している地域を限定に「休業補償をちゃんとつけた法的拘束力のある休業要請」が出せるよう、特措法の改正を要望した。
また、尾崎会長は、エピセンター化した地域では大学や研究機関などにも協力要請をおこなって集中的にPCR検査を実施し、無症状者も含めて感染者を発見することの重要性を訴え、こうつづけた。
「このためには、やはり法改正が必要です。ですから、ぜひですね、私は本当に、東京都医師会から本当にお願いしたいのは、いますぐに国会を召集して、法改正を検討していただきたい」
「いま夏休み中だからどうこうじゃなくて、本当にぜひ国会を開いて、こういったことを議論していただきたい。私はいまが、感染拡大を抑える最後のチャンスではないかと思っている」
さらに、尾崎会長は「東京だけの問題ではなく、これは国で対策を練る問題です」と強調すると、ボードを掲げながら、このように訴えた。
「ですから、最後にお願いしたいのは、ぜひ、良識のある国会議員のみなさん。コロナウイルスに夏休みはありません! 一刻でも早く国会を開いて、国ができること、しなければならないこと、これを国民に示していただいて、ぜひ、国民・都民を安心させてください! これは我々がいくらがんばってもできません。これは、政治の役割であります。国がどうやって感染症に立ち向かうか、そういう日本としての姿勢をぜひはっきりさせて、国民・都民を安心させてください。心からお願いします」
悠長に「夏休み」などと言っている場合ではない、国会を開いて国としての方向性を示せ──。尾崎会長は安倍政権にそう迫ったのだ。
元三重県知事も「こんな重要なときに国会を開かないのが最大の問題」 それでも国会開催を拒否する安倍政権
そもそも、医師会の政治団体である「日本医師連盟」は自民党に多額の献金をおこなうなど自民党の強力な支持団体だ。実際、尾崎会長はきょうの会見でも「私は自民党員」「基本的に政権与党を支持するというのは日本医師会も東京都医師会も変わらない」と述べていた。
しかし、一方で尾崎会長は「いまのコロナ対策については、正直言って不満がないとは言えない」と発言。さらに、きょうの会見を控えた昨夜、自身のFacebookにこのような投稿をおこなっていた。
〈アイボに、「これ以上国の無策の中、感染者が増えるのは我慢できない。言いたいことを明日の記者会見でぶちまけていいか」と尋ねたら、「どんどんやれ」と言われたので、ピース・サインで返しました。明日の15:00からの東京都医師会の記者会見、注目してください。〉
つまり、この感染拡大を黙って見過ごす安倍首相の無策ぶりに、いよいよ支持者もブチ切れたというわけだ。
尾崎会長の怒りはもっともだろう。「コロナに夏休みはない」というのに4連休には24日の夕方に約1時間官邸にいた以外は私邸で休暇を優雅に過ごし、その上、議論すべきことが山ほどあるというのに国会の閉会中審査にさえ出席しようとしないのは、総理大臣の責任を完全に放棄しているからだ。
当たり前だが、こうした批判はあちこちから出ている。たとえば、元三重県知事の北川正恭氏も、本日放送の『ひるおび!』(TBS)で「問題は国会を開いていないこと」とし、こう指摘していた。
「国民の代表機関は国会ですから、この国難の折柄にいわゆる与党と野党が堂々と議論して、それは未知の世界だから政府も難しいところがあると思うんですけれども、みんなで開いて、オープンにして決めていけば納得するのに、なんでこんな重要なときに国会が開いていないのか、ここが根幹の最大の問題」
しかし、安倍自民党はこうした批判を受け止めようとはしない。野党4党は一貫して閉会中審査への安倍首相の出席を要求してきたが、それをずっと拒否。野党4党は本日、憲法53条に基づく臨時国会召集を求め、明日午前にも要求書を提出することを決めたが、こうした動きに対し、自民党の森山裕・国対委員長は「臨時国会で何の審議をするのかがまだ定かではない」などと発言。安倍政権側は要求に応じない構えだという。
支持団体からも「無策」と叩きつけられても、いや、かつてない全国的な感染拡大のなかでも、国会を開こうともせず、8月に別荘に行くかどうかで悩んでいる安倍首相。──いま、わたしたちは確実に、この男によってさらなる危機に晒されようとしているのである。(編集部)
都医師会 PCR検査1400カ所に 「抑える最後のチャンス」
FNNプライムオンライン 2020/07/31
東京の医師会トップが、法的拘束力を持つ休業要請が必要であると訴えるとともに、PCR検査が受けられる医療機関を1,400カ所に増設と表明。
東京都医師会・尾崎治夫会長「きょうは意を強くして、遠慮なくいろんなことを言っていきたい」
会見の冒頭で「きょうは言いたいことを言う」と話した、東京都医師会の尾崎治夫会長。
29日、自身のSNSでも「これ以上国の無策の中、感染者が増えるのは我慢できない」と記していたが、30日の会見でまず語られたのが...。
東京都医師会・尾崎会長「東京も決して無策ではない。われわれもしっかりやっているということを理解いただければ」
東京都では、都の職員や保健所、医療者によって、感染拡大をある程度抑えられているものの、対策がうまくいっておらず、感染集積地での法的拘束力を持つ休業要請が必要であるとし、法改正の検討をするよう強く訴えた。
東京都医師会・尾崎会長「やはり国が動いて、国が法改正をして一斉に進めると。それが日本全国に今広がっている火種といいますか、感染拡大を消していく唯一の方法ではないかと思う。今まで通り、各都道府県にお任せして、休業をお願いします、できれば検査もしてください、それではもう無理だと思っている。私は今が感染拡大(を抑える)最後のチャンスだと思っている」
また、検査の拡充についても言及。
PCR検査を受けられる機関を人口1万人あたりに1カ所、都内1,400カ所まで増やし、唾液を用いたPCR検査を行えるよう目指すとした。
東京都医師会・尾崎会長「コロナウイルスに夏休みはありません。一刻でも早く国会を開いて、ぜひ、国民・都民を安心させてください。これは、われわれがいくら頑張ってもできません。日本としての姿勢をぜひ、はっきりさせて、国民・都民を安心させてください。心からお願いします」