2020年11月26日木曜日

26- 学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック 2(しんぶん赤旗)

  日本学術会議会員任命拒否問題に関する菅政権の答弁についての「ファクトチェック」2を紹介します(今回で終了です)

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学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック
「任命しなかったことと学問の自由は関係ない」
誹謗中傷や萎縮の事態
                      しんぶん赤旗 2020年11月23日
 「任命権の行使が(学術会議)会員個人の学問の自由、会議の独立性を侵害するとは考えていない」と衆院本会議で答弁した菅義偉首相。日本共産党の志位和夫委員長は、任命拒否された教授や指導されている学生が誹謗(ひぼう)中傷されているというNHK番組の内容を取り上げ「現実に学問の自由が脅かされている」「あってはならないことだとは思わないか」とただしました。
 番組は任命拒否によって学問の世界に萎縮や自主規制の事態が生じていると報じました。これらは学術会議の推薦通りに105人全員が任命されれば起きなかったことです。
 菅首相は「学生を傷つけたり就職で不利になるようなことがあってはならないが、採用されない理由を公表はできない」と人ごとのような態度に終始。「任命しなかったことと学問の自由とは関係ない。丁寧に説明したい」といい放ちました。
 説明したいといっても、報道された事実さえ認めず「関係ない」と切り捨ててしまえば、議論は成り立たなくなります一方的に答弁書の読み上げを繰り返すことを「説明」とは呼べません。首相には人事介入で起きた弊害を直視し、任命拒否の理由をまともに説明する責任があります。


学術会議問題 菅首相答弁ファクトチェック
「推薦前の調整が働かず、結果として任命に至らなかった者が生じた」
政治介入の本音を吐露
                      しんぶん赤旗 2020年11月24日
 菅首相は5日の参院予算委員会で「以前は推薦名簿の提出前に内閣府と学術会議会長との間で一定の調整があった」と主張。「今回の任命にあたっては推薦前の調整が働かず、結果として推薦された者の中に任命に至らなかった者が生じた」と任命拒否を正当化しました。
 2017年まで6年間、学術会議会長を務めた大西隆氏は、官邸側と事前に「調整」して推薦名簿を変更した事実はないと否定今年9月に退任した山極寿一前会長も人事をめぐる事前調整はなかったとメディアの取材に答えています。
 16年と18年の補充人事に際しては、官邸側が事前に推薦名簿の提示を要求し、名簿の変更を求めるなどしました。学術会議側は変更に応じず、会員は欠員のままとなりました。
 「調整」の内容について首相は「任命にあたっての考え方を申し上げ、意見交換した」と繰り返しました。任命前に推薦名簿に対して意向を反映させようとすること自体、学術会議の独立性を脅かす露骨な政治介入です。事前の「調整」がなかったから6人を任命しなかったという答弁は、政権の意に沿わない人事をいくらでも拒否するという首相の本音が表れたものです。