2020年11月27日金曜日

「Go To 4000万人中、感染者180人」菅首相のデタラメ答弁

 25日に開かれた衆参両院の予算委員会では、観光や飲食を支援する政府の「Go To」事業と新型コロナウイルス流行との関連性指摘され、事業の抜本的な見直しを求める意見が野党から相次ぎました。しかし菅首相はその因果関係を否定し、経済対策としての必要性を重ねて強調しました

 その中で菅首相が繰り返し強調したのは「Go To利用者4000万人中、感染者は約180に過ぎないことで、Go Toが感染拡大の原因だとは絶対に認めようとしませんでした。
 しかしそれはGo Toトラベル利用者の全員」を調査したものではなく、観光庁によれば、感染者180人とは、旅行中や旅行後に感染が分かったGo Tトラベル利用客の感染者数で、感染した本人や宿泊施設、旅行会社による自主的な感染報告を集約したものに過ぎません(ホテルで働く人やツアーガイド、利用客がうつした感染者は)。それに4000万人という母数も、実は4000万「泊」の意味だということです。そんなものを「Go To」がコロナ感染の主要因ではないことを証明するエビデンスとでも思っているのでしょうか。普通の判断力を持っていればそんな異常なことを軽々しく口には出来ないものです。

 昨日の全国の感染者数は2500人/日を超えました。もしも菅氏のいうとおりであるとするならば、いまこそ国民がGo Toに専念すれば簡単に鎮静させることが出来てしまうことになります。^^)

 そんなデタラメを国のトップが軽々しく口にすべきではありません。
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菅首相のGo To“鉄板答弁”破綻「4000万人中、感染者180人」
                           日刊ゲンダイ 11月27日
 大阪市と札幌市でついにGo Toトラベルの一時停止が決まった。ところが菅首相は「利用者4000万人中、感染者は約180人」と繰り返し、Go Toが感染拡大の原因だとは絶対に認めようとしないGo Toトラベルは、官房長官時代から主導してきた肝いり政策。事業が始まってから1カ月が経った8月21日には、「やらなかったことを考えたら大変なことになっていた」と自画自賛していたほどだ。
 しかし、首相の主張はとっくに破綻している。
 野党は25日の国会で、「感染者全員に対しGo Toトラベルの利用の有無を確認したのか」と追及。担当の赤羽国交大臣は「利用者全員に検温を実施しておりますし、その後、全てフォローしている」などと的外れの答弁を繰り返すだけで、最後まで“Go Toと感染拡大は無関係”と納得させる答えはなかった
 観光庁によれば、そもそも感染者180人とは、旅行中や旅行後に感染が分かったGo Tトラベル利用客の感染者数を示している。ホテルで働く人やツアーガイド、利用客がうつした感染者は含まれていない。また、感染した本人や宿泊施設、旅行会社による自主的な感染報告に頼っているため、観光庁は正確な数字を集められていないのが実態だ。
 さらに、4000万人という母数にも問題がある。4000万人とは、利用人数ではなく、4000万「泊」分の宿泊数を指している。つまり、1人が連泊したり、何度も旅行したりすると、実際の分母は4000万人よりも少なくなる。

 さらに、西武学園医学技術専門学校東京校校長の中原英臣氏(感染症学)はこう指摘する。
そもそも、4000万人を検査したわけではないのに、あのような表現をするのは誤りです。分母を示せない統計は有効ではありません。首相は、Go Toトラベルが感染拡大を招いていないと裏付けられるエビデンスを出さねばなりません」
 菅首相は苦し紛れの答弁をいつまで続けるつもりだろうか。


「4000万人中180人」 コロナ流行とGo Toの因果関係、野党の指摘を首相否定
                                                    東京新聞 2020年11月26日
 25日に開かれた衆参両院の予算委員会では、観光や飲食を支援する政府の「Go To」事業と新型コロナウイルス流行との関連性を指摘し、事業の抜本的な見直しを求める意見が野党から相次いだ。政府は因果関係を否定し、菅義偉首相は経済対策としての必要性を重ねて強調した。(井上峻輔、市川千晴)

◆枝野氏「あぶ蜂取らずだ」
 「Go Toトラベルが感染拡大を助長したのではないか。この春先、人の接触を7、8割減らすよう求めたのは間違いだったのか」
 立憲民主党の枝野幸男代表は衆院予算委で、政府による観光支援が再流行を招いたとの見方を示した。
 飲食業を支える「Go Toイート」も含め「移動が活発になれば感染が広がる。政府がキャンペーンを始めたから、安心して旅行や会食していいというメッセージになった」と指摘。経済と感染対策の二兎を追う政策を「あぶ蜂取らずだ」と批判した。対案として予備費を活用した事業者への財政支援と、コロナ感染の徹底した検査を提案した。

 政府はこれまで一貫してGo To事業の見直しに消極的だったが、感染拡大に危機感を募らせた専門家からの求めに応じ、先週末の3連休が始まった直後に再検討を開始。24日にはトラベル事業の対象から札幌、大阪の2市を一時除外する決定に踏み切った。
 これに対し、共産党の宮本徹氏は「中途半端なやり方では感染拡大は一層加速する」と反発。参院予算委でも立民の福山哲郎幹事長が観光支援に対する「アクセルかブレーキか分からない」と対応を疑問視した。

◆譲らない首相「経済の支えに」
 それでも、首相は事業継続にこだわった。トラベルについて「今日まで4000万人が利用しているが、コロナ陽性になったのは180人だ」と繰り返し「地域経済を支える中で極めて有力」と譲らなかった。
 質問を終えた枝野氏は記者団に対し、首相の姿勢について「危機意識が全く感じられない。Go Toに対する異常なこだわりを感じた」と語った。