2020年11月1日日曜日

説明つかず矛盾拡大 任命拒否 首相答弁に小池書記局長

  共産党の小池晃書記局長は30日、記者会見し、同日の参院本会議で代表質問への答弁で、学術会議会員に「偏りがみられる」として、旧帝国大所属の会員が多く、私立大学所属が少ないことを挙げたことに「驚がくした」「説明すればするほど矛盾が拡大している述べました

 会員推薦の基準は、「各分野ごとに優れた研究、または、業績を持つ人たちの中から選ぶ」となっていて、それ以外のものではありません。旧帝国大学云々 などは全く別の話で、その基準を逸脱しない範囲でそうしたことに配慮するのはあり得るにしても、国のトップなら何でも思い通りになると考えるのは大間違いです。
 そもそも「政府の方針に反対した人だから任命を拒否した」とは言えないから、別の理由をひねりだそうとしていること自体が間違っていてどんどん深みにはまっています。かつて安倍首相が桜を見る会の前夜祭開催の主体について、ウソにウソを重ねた結果動きが取れなくなっていった「愚」の再現です。
 また菅首相は、憲法第15条第1項云々は適用出来ないと衆院本会議で批判されたにもかかわらず、参院でも“壊れたレコーダー”のようにそれを適用したと3回も繰り返したということです。それではどうにもなりません。「人事に関することなので詳細は語れない」云々についても、小池氏は37年間やらなかった任命拒否をやった以上、その理由を国民が納得いくように説明をするのは最低限の責任だ」と強調し、民主主義と法治国家に反する首相の姿勢浮き彫りになったとしました。

 沖縄の辺野古米軍新基地建設のための埋め立て用土砂に沖縄戦激戦地の戦没者の遺骨が含まれた土砂が使われたことを死者への冒とくだ”との声が上がっている問題についても、菅首相「関係法令で認められた採石場から調達されると承知している」と冷たく言い放つなど全体として人間味のない、心の通わない冷たい答弁ばかりだった」と述べました。
 しんぶん赤旗の記事を紹介します。
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説明つかず矛盾拡大 任命拒否 首相答弁に小池書記局長
                       しんぶん赤旗 2020年10月31日
 日本共産党の小池晃書記局長は30日、国会内で記者会見し、同日の参院本会議で自身が行った代表質問への菅義偉首相の答弁で、日本学術会議会員に「偏りがみられる」として、旧帝国大の7国立大所属の会員が多く、私立大学所属が少ないことを挙げたことに「驚がくした」「説明すればするほど矛盾がどんどん拡大している。過ちを認め、任命拒否は撤回すべきだ」「予算委での一問一答の質疑で徹底的にただしていく」と表明しました。
 小池氏は、首相が旧帝国大の7国立大に所属する会員が45%を占め、615の私大に所属する会員は24%にとどまると強調したが、任命拒否した6氏のうち3氏は私大所属だと指摘。人文科学系の学者だけ任命を拒否しながら、「特定の分野の研究者であることをもって任命を判断したことはない」などと答弁した矛盾を示し、「任命拒否の理由が“安保法制に反対した”などとは言えないから、理由を一生懸命ひねりだそうとして、どんどん矛盾が深まっているのではないか」と述べました。

 また、前日の衆院本会議での答弁と同様、憲法第15条第1項を踏まえ、「必ず推薦の通りに任命しなければならないわけではないと3回も“壊れたテープレコーダー”のように繰り返した」と指摘。新型コロナウイルス感染症対策など他の質問への答弁も含め、「同じことをどの党の質問にも繰り返し、その中身は所信表明演説で言ったことから一歩も出ない」と批判しました。
 菅首相が任命拒否の理由は「個別の人事」だと説明を拒否したことについて、「37年間やらなかった任命拒否をやった以上、その理由を国民が納得いくように説明をするのは、総理大臣としての最低限の責任だ」と強調。「民主主義と法治国家のあり方に対する菅総理の姿勢の問題点が浮き彫りになった」と述べました。

 沖縄県名護市の辺野古米軍新基地建設のための埋め立て用土砂に糸満市など沖縄戦激戦地の戦没者の遺骨が含まれた土砂が使われ、“遺骨を軍事基地の埋め立てに使うのは冒とくだ”と怒りの声が上がっている問題をただしたのに対し、菅首相が「関係法令で認められた採石場から調達されると承知している」と冷たく言い放ったことに言及。「沖縄の人々に寄り添う姿勢とはとても言えないのではないか。全体として人間味のない、心の通わない冷たい答弁ばかりだった」と述べました。
 性犯罪被害に関連し、「女性はいくらでもうそをつける」との暴言を放った杉田水脈衆院議員を辞職させるよう求めたのに対し、菅首相が「政府の立場で個別の国会議員の発言等についてコメントは差し控えたい」と答弁したのに対し、「私は『自民党総裁として』と注釈を付けて見解を求めたはずだ」と強調。首相が他党の改憲を求める質問には「自民党の総裁」として答弁したと指摘し、「都合の悪いことは答えないという姿勢がはっきりした」と批判しました。