2022年5月10日火曜日

岸田内閣「支持」55% 「不支持」23% NHK世論調査

 NHKがゴールデンウィーク中に行った世論調査によると、岸田内閣を「支持する」と答えた人は、先月より2ポイント上がって55%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は、先月と変わらず23%でした。

 新型コロナウイルスをめぐる政府のこれまでの対応を、どの程度評価するかについては、「大いに評価する」が11%、「ある程度評価する」が49%でした。これは調査時にコロナが落ち着く方向に向かっていたことが背景にあるのでしょう。
 防衛費をどのようにすべきかについては、「大幅に増やすべき」が14%、「ある程度増やすべき」が38%で合せて52%に達し、自民党が、敵のミサイル発射基地や指揮統制機能などを破壊する「反撃能力」を持つべきだとしていることに「賛成」が55%と、いずれも半数以上に上ったのは残念なことでした。

 また、沖縄が本土に復帰してから今月15日で50年になるのにあたり、NHKが2月から3月にかけて、沖縄県と全国の18歳以上の、それぞれ1800人を対象に行った世論調査では、在日アメリカ軍の専用施設のうち、およそ70%が沖縄にあることについて「おかしいと思う」と回答した割合が、沖縄では8割を超え、全国でもおよそ8割に上りました。
 復帰後も、沖縄に残っているアメリカ軍の基地については、「日本の安全にとって、必要だ」が沖縄では11%、全国では12%「日本の安全にとって、やむをえない」が沖縄では51%、全国では68%でした。
 この結果について、沖縄の近現代史が専門の櫻澤誠准教授は「戦争に巻き込まれたりする可能性や危険性について、沖縄のほうが全国よりも敏感で割合が若干高まることと『基地があることがやむをえない』と感じる割合が高くなっていることがリンクしているのだろう」と指摘しました。
 NHKの2つの世論調査の結果を紹介します。
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岸田内閣「支持」55% 「不支持」23% NHK世論調査
                     NHK NEWS WEB 2022年5月9日
NHKの世論調査によりますと、岸田内閣を「支持する」と答えた人は、先月より2ポイント上がって55%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は、先月と変わらず23%でした。
NHKは、5月6日から3日間、全国の18歳以上を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。
調査の対象となったのは2191人で、55%にあたる1214人から回答を得ました。

岸田内閣を「支持する」と答えた人は先月より2ポイント上がって55%だったのに対し、「支持しない」と答えた人は、先月と変わらず23%でした。
支持する理由では、「他の内閣より良さそうだから」が43%、「支持する政党の内閣だから」が21%、「人柄が信頼できるから」が18%などとなりました。
支持しない理由では、「政策に期待が持てないから」が37%、「実行力がないから」が27%、「支持する政党の内閣でないから」が18%などでした。

ロシアのウクライナへの軍事侵攻に対する日本政府のこれまでの対応をどの程度評価するか聞きました。
「大いに評価する」が8%、「ある程度評価する」が60%、「あまり評価しない」が20%、「まったく評価しない」が4%でした。
ロシアに対する制裁措置として、政府が、日本に駐在するロシア大使館の外交官など8人を国外に追放したことについて、「大いに評価する」が18%、「ある程度評価する」が45%、「あまり評価しない」が21%、「まったく評価しない」が6%でした。

ウクライナ情勢にともなう物価の上昇を受けて、政府は石油元売り業者への補助金の拡充や低所得の子育て世帯への給付金の支給などを盛り込んだ緊急対策を決定しました。これらの対策をどの程度評価するか聞きました。
「大いに評価する」が11%、「ある程度評価する」が46%、「あまり評価しない」が28%、「まったく評価しない」が7%でした。

新型コロナウイルスをめぐる政府のこれまでの対応を、どの程度評価するか尋ねたところ、「大いに評価する」が11%、「ある程度評価する」が49%、「あまり評価しない」が28%、「まったく評価しない」が5%でした。
新型コロナウイルスの対策で、今、政府に優先して取り組んでほしいのは「感染拡大の防止」か、「経済活動の回復」かを聞いたところ、「感染拡大の防止」が38%、「経済活動の回復」が51%でした。

防衛費をどのようにすべきか尋ねたところ、「大幅に増やすべき」が14%、「ある程度増やすべき」が38%、「今のままでよい」が29%、「ある程度減らすべき」が4%、「大幅に減らすべき」が3%でした。

弾道ミサイルなどによる攻撃に対処するため、自民党は、日本が敵のミサイル発射基地や指揮統制機能などを破壊する「反撃能力」を持つべきだとしています
こうした能力を持つことについて、「賛成」が55%、「反対」が29%、「わからない、無回答」が16%でした。


在日米軍施設の約70%が沖縄 8割がおかしいと回答 NHK世論調査
                     NHK NEWS WEB 2022年5月10日
沖縄が本土に復帰してから、今月15日で50年になります。
NHKの世論調査で、在日アメリカ軍の専用施設のうち、およそ70%が沖縄にあることについてどう思うか聞いたところ「おかしいと思う」と回答した割合が、沖縄では8割を超え、全国でもおよそ8割に上りました

NHKは、沖縄が本土に復帰して50年になる、ことし2月から3月にかけて、沖縄県と全国の18歳以上の、それぞれ1800人を対象に郵送法で世論調査を行い、沖縄県では45.1%に当たる812人から、全国では61.9%に当たる1115人から回答を得ました。

世論調査では、在日アメリカ軍の専用施設のうち、およそ70%が沖縄にあることについてどう思うか聞いたところ
▽「おかしいと思う」が沖縄で56%、全国で24%
▽「どちらかといえば、おかしいと思う」が沖縄で28%、全国で55%
▽「どちらかといえば、おかしいとは思わない」が沖縄で8%、全国で13%
▽「おかしいとは思わない」が沖縄で5%、全国で7%でした。

「おかしいと思う」「どちらかといえば、おかしいと思う」を合わせると沖縄では8割を超え、全国でもおよそ8割に上りました。

復帰後も残る米軍基地「やむをえない」が沖縄で51% 全国は68% 
一方、復帰後も、沖縄に残っているアメリカ軍の基地についてどう思うか聞いた質問です。

▽「日本の安全にとって、必要だ」が沖縄では11%、全国では12%。
▽「日本の安全にとって、やむをえない」が沖縄では51%、全国では68%。
▽「日本の安全にとって、必要ではない」が沖縄では19%、全国では14%。
▽「日本の安全にとって、かえって危険だ」が沖縄では17%、全国では5%でした。

調査結果について専門家は
今回の調査結果について、沖縄の近現代史が専門の大阪教育大学の櫻澤誠 准教授は「世界情勢の中で、戦争に巻き込まれたりするような可能性や危険性がどの程度あるかということについて、沖縄のほうが全国よりも敏感で割合が若干高まることと『基地があることがやむをえない』と感じる割合が高くなっていることが、おそらくリンクしているのだろう」と指摘しました。
そのうえで「沖縄にだけ基地が集中していることに対しての違和感や整理縮小が進まないことに対する不信感はありながらも、一方で、特にアジア地域における国家間の対立の中で、ある程度、基地があることについてはやむをえないのではないかという感覚もある。この30年ぐらいを見た中で、冷戦終結以降、徐々に緊張が高まっているという点で、調査結果は2022年、現時点での数字になっている」と分析しました。