ウクライナ戦争は収束には向かわずに、西側諸国は「負けてはならない」として戦争の長期化に向けて万全の体制を整えようとしています。ゼレンスキーからは国民の苦難に終止符を打とうとする発言は聞かれません。
植草一秀氏が「戦乱収束でなく拡大長期化狙う米国」という記事を出しました。米国の狙いはこれを機会に米国の産軍複合体に大儲けをさせようというもので、多くの人が指摘しています。
植草氏は記事の中で、長崎医科大学で被爆して重傷を負いながら医師として被災者の救護に奔走し、「長崎の鐘」などの著書を通じて、原子爆弾の恐ろしさを広く伝えた永井隆博士が、二人のおさなごに残した名作「いとし子よ」を「一部抜粋」で紹介しました。
その中で
「私たち日本国民は憲法において戦争をしないことに決めた。どんなに難しくても、これは良い憲法だから、実行せねばならぬ。~ これこそ戦争の惨禍に目覚めた本当の日本人の声なのだよ」と前置きし、「しかし理屈はなんとでも付き、世論はどちらへもなびくものである」として、次のように述べています。
〝日本をめぐる国際情勢次第では、日本人の中から、「憲法を改めて戦争放棄の条項を削れ」と叫ぶ声が出ないとも限らない。
そしてその叫びにいかにももっともらしい理屈をつけて、世論を日本の再武装に引き付けるかもしれない。
もしも日本が再武装するような時代になったら、その時こそ、誠一よ、かやのよ。
たとえ最後の二人となっても、どんなののしりや暴力を受けても、きっぱりと戦争絶対反対を叫び続け、叫び通しておくれ。”
まさに「70数年後の日本を見越していた」ことに驚きます。
以下に紹介します。
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戦乱収束でなく拡大長期化狙う米国
植草一秀の「知られざる真実」 2022年4月30日
「戦争に勝ちも負けもない。あるのは滅びだけである」
これは長崎医科大学で被爆して重傷を負いながら、医師として被災者の救護に奔走し、「原子病」に苦しみつつ「長崎の鐘」などの著書を通じて、原子爆弾の恐ろしさを広く伝えた永井隆博士の言葉(「花咲く丘」)。
永井氏は1945年8月9日午前11時2分、米軍機から投下された原爆によって被曝した。
永井氏は爆心地からわずか700メートルしか離れていない長崎医科大学付属医院の研究室にいた。
妻は自宅の台所で死亡した。
永井夫妻には誠一(まこと)と茅乃(かやの)という二人の子供がいた。
子供たちは疎開先で原爆の難をのがれた。
永井氏は、母親を失い、白血病と原子病のために父親を失い、早晩孤児となる二人の運命を案じた。
その思いと愛が数々の名作を生み出す原動力になった。
「いとし子よ」もそのひとつ。
永井氏は二人の子に次の思いを託した(一部抜粋)。
いとし子よ。 |
ウクライナの戦乱で何よりも大事なことは、一刻も早い停戦の実現。
ところが、米国が停戦を嫌っている。ウクライナに無制限、無尽蔵の武器を提供して、ウクライナの国民が最後の一人まで戦い抜くことを推奨している。
戦火が米国に及ぶことはない。戦争の拡大、長期化は米国の軍事産業にとっての福音。
ロシアの殲滅につなげることも可能になるかも知れない。
戦争の拡大と長期化を目論む米国に日本政府は隷従している。
日本が提供するドローンがウクライナの兵器として活用されることは明白だ。
日本政府も戦争の拡大、長期化に加担している。
いまこそ、平和憲法を保持する日本国民は声高に叫ぶべきだ。
追求するべきは戦乱の拡大と長期化ではなく、戦乱の収束であることを。
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