2024年8月10日土曜日

不快な西洋エリート主義と現実世界からの乖離の象徴、パリ・オリンピック

「マスコミに載らない海外記事」に掲題の記事が載りました。
 記事は「セーヌ川から排出される悪臭は、おそらく世界最大の開放型下水道で、欧米の二枚舌と虚栄心に嘆き悲しむ現実の吐露だ」というセンテンスで始まり、開会式で演じられた「女装した男性たちに囲まれたイエス・キリストの冒涜的寸劇は、何十億人もキリスト(およびイスラム)教徒を怒らせた」と批判します。
 そして米と欧州が関与した多くの侵略戦争によって自分たちをオリンピック出場禁止にすることは一度もしないのに、ロシアとベラルーシにはオリンピック出場を禁止し、一方イスラエルの出場は容認するという二重基準を冒すなど、マクロンや欧米諸国政治指導者らは、自分たちが「自由民主主義」の崇高な価値観を代表しているという錯覚に陥っていると述べました。
 そして欧米諸国が容認したガザでの大量虐殺と、ウクライナに対するロシアの制裁に関して示された偽善は「議論の余地がない」として、冒頭のセンテンスを再び用いて記事を結んでいます。
 なお「世に倦む日々」氏も8月1日付の下記の記事で、パリ・オリンピックの開会式の在り方その他について痛烈な違和感を表明しています。
⇒「五輪憲章違反のパリ五輪開会式演出~」 https://note.com/yoniumuhibi/n/na41727536557
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不快な西洋エリート主義と現実世界からの乖離の象徴、パリ・オリンピック
                 マスコミに載らない海外記事 2024年8月 8日
             Strategic Culture Foundation 論説 2024年8月2日
 セーヌ川から排出される悪臭は、おそらく世界最大の開放型下水道で、欧米の二枚舌と虚栄心に嘆き悲しむ現実の吐露だ。

 パリ夏季オリンピックは先週金曜に開幕し、主催者はドラァグクイーン⇒女装した男性)に囲まれたイエス・キリスト(イスラム教で崇拝されている預言者)の冒涜的描写により、世界中の何十億ものキリスト教徒とイスラム教徒を怒らせたと非難され世界的論争を巻き起こした。
 ダヴィンチの有名な絵画「最後の晩餐」が不道徳に貶められただけではない。第33回オリンピック開会式全体が、安っぽいゲイ・プライド・イベントに成り下がったかのようなキッチュな見世物だった。パリ2024主催者は、テーマは「包括性」と人道的寛容さを伝えるためのものだと主張したが、後に主催者らは、過失があったことを示すかのように、不快な思いをさせたことに対し卑屈な謝罪を行った。

 論争は、このスポーツ大会最初の週も続き、セーヌ川でのトライアスロン水泳競技は当初、汚染レベルが危険だったため中止となり、その後、参加者の安全に対する懸念にもかかわらず実施するよう命じられた。広報上の大失敗でフランス主催者が面目を失うのを避けるため、下水とネズミがはびこる水中を泳ぐよう強制されたと選手たちは不満を述べた。
 この大気汚染の大失敗は、西側諸国のエリート政治家がいかに今日の世界の現実を見失っているかを示す比喩と言えるだろう。どれだけ高級なフランス製香水を使っても、オリンピックの安っぽい政治化の背後にある悪臭を隠すことはできない。
 浄化のため15億ドル以上を費やしたにもかかわらず、セーヌ川は、1世紀前に公衆浴場が禁止されて以来、汚染により有毒なままだ。
 同様に、欧米諸国の政治も自由主義の欺瞞的茶番劇とパロディになっている。西側諸国の首都から発せられる嘘と腐敗の膨大な残骸は、どんなにごまかしても隠すことはできない。一方、政治家たちは民主主義とルールに基づく秩序の崇高な価値について語り、他方で、弾頭に虹色の旗を描いて民間人に爆弾を投下する。あるいはゲイ・プライドのロゴを身につけたウクライナ・ネオナチ殺人犯を支援している。
 スポーツを通じて人類を団結させることは、フランス人ピエール・ド・クーベルタンの構想により1896年にギリシャで初めて開催された近代オリンピックの理念とされている。何十年にもわたり、世界最高峰のスポーツ大会は戦争や地政学的要因により混乱をきたしてきた。特に1980年と1984年にオリンピックがボイコットされた冷戦時代はそうだった。長年にわたる不安定さにもかかわらず国際政治において常に中立の姿勢が保たれていた。

 もはやそうではない。現在のパリオリンピックは、あからさまに政治化されている。欧米が主導する国際オリンピック委員会が「ウクライナとの連帯」を宣言した後、ロシアとベラルーシはウクライナ紛争のため参加禁止となった。
 これはIOCとオリンピックにとって完全なる不名誉だ。偽善はひどいものだ。アメリカとNATO同盟諸国が関与した多くの違法な戦争、イラクやアフガニスタンへの侵略と占領、その他の侵略行為を理由に、彼らを禁止することは一度も検討されなかった
 ウクライナ戦争は、アメリカとNATO同盟諸国がロシアに対して仕掛けた代理戦争だと言っても過言ではない。紛争の歴史は、欧米諸国の責任と計算された挑発を示している。紛争の原因を「ロシアの侵略」のみと定義するのは、疑わしい政治的立場で、欧米諸国が唱えているが、他の多くの国々はそうは考えていない。
 IOCがウクライナ戦争に関して党派的な立場を取るのは、その資格の濫用だ。
 イスラエルが公式の留保なしに自国代表団をオリンピックに派遣する自由があることを考えると、この二重基準は厚かましい。しかし、イスラエルのガザでの敵対行為は大量虐殺に当たるとの判決を国際司法裁判所は下した。イスラエル人選手が制限なく参加できる一方、同国は過去9か月の容赦ない暴力行為で4万人以上のパレスチナ人、主に女性と子どもを殺害しているのは、みっともない光景だ。欧米諸国の首都は、この大量虐殺を行うためイスラエル政権に外交的保護と重要な軍事支援を与えた。ガザの難民キャンプ爆破や冷酷な家族全員の虐殺など、オリンピックが世界中でテレビ中継される間も、恐ろしい虐殺は止むことなく続いている

 「多様性と寛容」を掲げるオリンピックの真っ最中に、欧米が許したガザでの蛮行が並置されているのは言葉では言い表せないほど不快で倒錯的だ。実際、ガザでの大量殺戮の忌まわしさを考えれば、パリ・オリンピックは道徳的に堕落していると何の疑いもなく言えるだろう。
 パリ大会主催者が、洗練された包摂と人道主義の見せかけで自分たちの行事を隠そうとしているのは二重に卑猥だ。道徳的退廃は、宗教的信仰に対する冒涜的侮辱に表れている。西洋エリート主義の観念以外に、神聖なものは何もないようだ。批判は、偏見と「トランスフォビア」⇒トランスジェンダーの否定という不機嫌な非難を招くことなく許されない。
 フランスのエマニュエル・マクロン大統領は、パリ大会は「クレイジーなアイデアが現実のものとなった」と自慢している。これをもう一度、完全な軽蔑をもって言うこともできる。
 マクロンや欧米諸国政治指導者連中は、自分たちが「自由民主主義」の崇高な価値観を代表しているという自己中心的考えにとらわれている
 マクロン大統領と欧米諸国のお仲間は、ウクライナとガザでの虐殺を無謀にも煽りながら、ロシアとベラルーシのオリンピック参加を禁止する厚かましさを見せている。
 オリンピックの啓発的概念は、西洋の美徳の見せかけ推進を目的とした派手なプロパガンダショーに堕落した。
 しかし、現実は、いわゆる寛容と包括性の実証ではなく、むしろ歪んだ西洋エリート・イデオロギーを人類の大多数に押し付けているに過ぎない。
 キリスト教とイスラム教に対する侮辱が、フランスの芸術的自由に対する不幸な誤った解釈であったかどうかについては議論の余地があるかもしれない。
 しかし、議論の余地がないのは、欧米諸国が容認したガザでの大量虐殺と、ウクライナに対するロシアの制裁に関して示された極悪非道な偽善だ。
 世界中の多くの人々が「オリンピック競技大会」への通常の関心を失っているのも不思議ではない。安っぽくて汚い政治化のせいで、パリ大会は地球上の多くの人々から疎んじられている。
 セーヌ川から排出される悪臭は、おそらく世界最大の開放型下水道で、西洋の二枚舌と虚栄心に嘆き悲しむ現実の吐露だ
記事原文のurl:https://strategic-culture.su/news/2024/08/02/paris-olympics-epitomize-toxic-western-elitism-and-disconnect-from-real-world/ 

10- イスラエルのガザ住民虐殺を批判した米下院議員がAIPACの資金力で落選

 櫻井ジャーナルが掲題の記事を出しました。
 ミズーリ州セントルイス出身のコリ・ブッシュ下院議員が民主党の予備選でライバルで親イスラエルの検察官、ウェズリー・ベルに敗れました。
 民主党の予備選で彼女を落選させるため、イスラエルのために活動しているロビー団体のAIPACがウェズリー・ベル900万ドル(約13億円)、DMFI(イスラエル民主党多数派)50万ドル(約7000万円)を渡しました(1ドル140円で換算)
 これまで彼女(コリ・ブッシュ)は貧困、医療、住宅などの問題、女性の権利に取り組んできた政治家で、イスラエルに弾圧されているパレスチナを支える発言を続けてきました。
 櫻井ジャーナルはアメリカは財力によって政策が決まる国で財力を持つ私的権力が支配していると述べています(フランクリン・ルーズベルトの定義によると「ファシズム国家」にほかならないとも)
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イスラエルのガザ住民虐殺を批判した米下院議員がAIPACの資金力で落選  
                         櫻井ジャーナル 2024.08.09
 ミズーリ州セントルイス出身のコリ・ブッシュ下院議員が民主党の予備選でライバルで親イスラエルの検察官、ウェズリー・ベルに敗れた。ブッシュを落選させるため、AIPACは民主党の予備選でライバルベルに資金面で圧倒されたのだ。ベルはAIPACから900万ドル、DMFI(イスラエル民主党多数派)から50万ドルを受け取っている。
 アメリカは財力によって政策が決まる国である。財力を持つ私的権力が支配しているのだ。フランクリン・ルーズベルトの定義によると、アメリカはファシズム国家にほかならない。
 AIPACがブッシュを落選させようと必死になったのは彼女の政治姿勢にあった。彼女は貧困、医療、住宅などの問題、女性の権利に取り組んできた政治家で、イスラエルに弾圧されているパレスチナを支える発言を続けてきた

 昨年10月7日、ハマスをはじめとするパレスチナの武装勢力はイスラエルを陸海空から奇襲攻撃した。数百人の戦闘員がイスラエル領へ侵入したほか、ガザからイスラエルに向かって5000発以上のロケット弾でテルアビブの北まで攻撃されている。「アル・アクサの洪水」だ。
 この作戦名になったアル・アクサ・モスクは「神殿の丘」にあるイスラムの聖地なのだが、昨年4月5日にはイスラエルの警官隊がモスク内へ突入、怒ったパレスチナ人はガザからロケット弾を発射し、イスラエルが報復としてガザを空爆するという事態に発展。「ラマダーン」を狙っての襲撃だったことから、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は新たな戦争を目論んでいるのではないかと言われていた
 ユダヤ教の「仮庵の祭り」に合わせて832人のイスラエル人が10月3日、イスラエル軍に保護されながらアル・アクサ・モスクに押し入っている。イスラエル軍は60歳未満のイスラム礼拝者がモスクへ入ることを禁じた。こうしたイスラエルのモスク冒涜に対する報復だということをハマスは作戦名で示したと言えるだろう。その攻撃の際、約1200名のイスラエル人が殺されたのだが、その大半がイスラエル軍に殺されたことをイスラエルのハーレツ紙が明らかにしている人質になる可能性があるイスラエル人は殺して構わないという「ハンニバル指令」が出されたのだという。

 その後、イスラエル軍はガザの住民を虐殺し始める。殺された住民は4万人に達したと報告されている。その約4割が子ども、女性を含めると約7割に達し、瓦礫の下には数千人、あるいはそれ以上の死体があると推測されている。しかもハマスなどの武装グループを制圧できないでいる。そうした状況を見たコリ・ブッシュは声を上げたのだ。
 戦闘が始まった9日後に下院で停戦決議を提出した彼女は、イスラエル支持決議に反対した9人の下院議員のひとりで、ネタニヤフ首相の議会における演説をボイコット、彼を「戦争犯罪者」と呼んでいる
 パレスチナを支援し、イスラエルを批判する政治家を許さない団体がアメリカには存在している。イスラエルのために活動しているロビー団体のAIPACだ。外国のために働いているのだが、アメリカの当局監視対象にしていない。
 このAIPACで2017年に講演したカマラ・ハリス2004年1月から11年1月までサンフランシスコ第27地区検事を、また11年1月から17年1月までカリフォルニア州司法長官を務めている。州司法長官時代のカマラは人びとを刑務所へ入れることに熱心で、不登校の子どもの親も刑務所へ送り込んでいた
 それ以上に批判されているのはケビン・クーパーという死刑囚に対する姿勢。クーバーは1983年に引き起こされた殺人事件で有罪となり、2004年2月10日に死刑が執行されることになっていた。逮捕されたときから彼は無罪を主張、DNAの検査をするように嘆願していたが、検事時代も州司法長官時代もカマラは拒否している。カマラはエリート一家の出身で、社会的な弱者には厳しい。クーパーに対する姿勢を変えたのは大統領選挙が視野に入り始めた2018年である。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は7月24日にアメリカの上下両院合同会議で演説したが、その際、議員たちは58回のスタンディング・オベーションで讃えた。ガザで住民を大量虐殺させている人物をアメリカの「選良」はほめたたえたのである。
 その後、7月31日にイスラエルはハマスの幹部でイスラエルとの首席交渉官を務めていたイスマイル・ハニエ、そしてヒズボラの最高幹部のひとりであるフア・シュクルを暗殺している。

2024年8月8日木曜日

08- 通信 平和の輪 第223号のPDF版を掲示します

 今月号のタイトルは、
無関心ではいられない!ー東電柏崎刈羽原発の再稼働問題
 地震や津波による過酷事故でも、
  テロや戦争による原発事故でも、
   破局的な事態に
です。

 中見出しは、
・「原発は自国に向けられた核兵器」= 片桐奈保美さん指摘
・能登半島地震から原発を考える
です。

 もう一つのタイトルは
実際どうなの? 「湯沢町と原発」
です。

※8月の例会は、8月18日(日)の「おしどりマコ・ケン トークライブ」に合流します。
    開場 13:00 開演 13:30
    場所 湯沢町公民館 3階「会議室1~2」

 2~3面には7月特別例会 報告が掲載されています。

「通信平和の輪」PDF版は、下のURLをクリックすると開きます。
 最初に1面が表示され、下にスクロールすると2面・3面が表示されます。
 1面は81%に縮小表示されているので、次の操作で適当に拡大してからお読みください。
 画面を大きくしたい場合にはPDF画面下端の( + )マークを小さくしたい場合は( ー )マークを必要回数クリックして下さい。

(通信 平和の輪 第223号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1Repmj7lu4WDIORi3hrx3gyKd381EUZ9p/view?usp=sharing 

(通信 平和の輪 第222号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1l_kn4VKLfQVgl6jK-JbULiuLtnvVhuc2/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第221号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1iSe4CLzD6lqbKvQf5SbGdx_dbpvj1lMM/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第220号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1MHfMr85AEnSPdqog3-OqbFYK91gDzydD/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第219号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/13SwbuVRl623dd-SPDAGpE2d0HHOdJlcl/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第218号 (1面2面)
https://drive.google.com/file/d/1ppS0gOXoskbmRyIf660tQCwS9Qx8dVrt/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第217号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1uxIN7fJmErj_6iRn9PzPNxQu2N38OaBJ/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第216号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1KKDiQTgjYWqscv6wVCu8UukQVM76k1AH/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第215号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1d8gVRthhKran4y2iEtIMmK8b-NLJvqIu/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第214号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1BaP-kjNkU15q5762STbAMycnOROwNZiN/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第213号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1K8PBMBkigUwwNK2hPlArSzW7lWiyaPe-/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第212号 (1面5面)
https://drive.google.com/file/d/1koVMym0_IiDJcAm-CDTehVNCya6eX6AC/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第211号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/189uBmjvecTnSeKDE7C9uxlRupi6AjZUA/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第210号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1llHKNmSVUnRLnpv2xDtTM30CTjt_z9Vq/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第209号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/19iBNxjGUk3sP17kiOdwIDMkFg1LlnnsV/view?usp=sharing
(通信 平和の輪 第208号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1ClLB7qOdOKW9MxEjKlrVgLlJboqZ1bPa/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第207号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1u--312_3O-siqJR2882o1k_lYGxx4gmX/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第206号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1mCx8KDZXV4ia2jmHf07C5QoLiEiYIC03/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第205号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1aq_s9vP7JThPD0Yfgmy3oeRiMknAEfLJ/view?usp=sharing 
(通信 平和の輪 第204号 (1面3面)
https://drive.google.com/file/d/1tw-4PgMjE6IwCrlhipyWVIyApc3NELwD/view?usp=sharing

通信 平和の輪 第159~203号のPDF版をご覧になりたい方は下記をクリックしてください。
https://yuzawaheiwa.blogspot.com/2023/01/159203pdf.html
通信 平和の輪 第158号以前のPDF版をご覧になりたい方は下記をクリックしてください。
https://yuzawaheiwa.blogspot.com/2019/05/158pdf.html 

2024年8月7日水曜日

広島で被爆79年目の平和記念式典

 米国による原爆投下の惨禍から79年を迎え広島は6日平和公園で平和記念式典が開かれました。
 この1年に死亡が確認された原爆死没者は5079人で、総数344306人となりました。広島・長崎で被爆し被爆者健康手帳を持つ人たちの平均年齢は85・6歳です
 核兵器禁止条約発効から3年が過ぎ、条約への批准は70カ国、署名は93カ国と国連加盟国の半数に迫りますが、日本は唯一の戦争被爆国でありながら、米国の核の傘を強調して加盟しようとしていません
 しんぶん赤旗の二つの記事を紹介します。「広島平和宣言2024」は広島市ホームページに拠りました。(関連して植草一秀氏のブログ「核廃絶言えない対米隷属の日本」を別掲します)
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広島 きょう被爆79
                         しんぶん赤旗 2024年8月6日
 広島は6日、米国による原爆投下の惨禍から79年を迎えます。広島市中区の平和公園では市主催の平和記念式典が開かれ、原爆投下時刻の午前8時15分に原爆死没者を追悼し、黙とうします。
 ウクライナ侵略を続けるロシアが核の威嚇を繰り返し、ガザ攻撃を激化させるイスラエルの閣僚が核使用を「選択肢」と発言するなど、世界は核兵器を巡り緊張を強いられています
 一方、核兵器禁止条約発効から3年が過ぎ、条約への批准は70カ国、署名は93カ国と国連加盟国(193)の半数に迫ります
 松井一実広島市長は昨年の平和宣言で、核抑止力論からの脱却を主張しましたが、核抑止に固執する岸田政権に同調する動きに被爆者や市民から、不安の声が上がっています。
 昨年から第2次「黒い雨」訴訟が始まりました。2021年、広島高裁判決は幅広く被爆者と認めることを国に求めました。しかし、国は「新基準」をつくり、さまざまな口実で高齢化した「黒い雨」被害者を選別、被爆者健康手帳申請を却下しています。第2次原告はこの新基準の撤回を求めています。
 広島で被爆し、この1年に死亡が確認された原爆死没者は5079人で、合わせて34万4306人となりました。広島・長崎で被爆し、被爆者健康手帳を持つ人は3月末時点で全国に10万6825人。前年より6824人減りました。平均年齢は85・58歳です。


主張 広島原爆投下79年 「核抑止」許さぬ被爆者の訴え
                         しんぶん赤旗 2024年8月6日
 アメリカが広島に原爆を投下してからきょうで79年です。被爆者は「ヒロシマ・ナガサキを繰り返すな」「一刻も早く核兵器の廃絶を」と訴え続けてきました。ロシアのプーチン政権が核で威嚇し、各国が核戦力を強化するなか、いまこそ、被爆者の声に耳を傾け、核兵器の使用が招く究極の非人道的状況を世界に発信しなければなりません。

■核禁止条約に結実
 原水爆禁止日本協議会(原水協)顧問で物理学者の沢田昭二さんは中学2年の時に広島で被爆、爆心地から1・4キロの自宅で家の下敷きになりました。はい出したものの、梁(はり)に体を挟まれた母親を助けられないまま火が迫ってきました。「早く逃げなさい」「おまえは生き残って立派な人間になりなさい」という母親の声を背に、火事嵐のなか「お母さんごめんなさい」と言って逃げました。
 日本原水爆被害者団体協議会(被団協)事務局次長の児玉三智子さんは7歳で被爆しました。焼けただれた皮膚がぶら下がった人、真っ黒い炭のようになった赤ちゃんを抱いた母親、内臓や眼球が飛び出し逃げ惑う人を見ました。父母、弟だけでなく、決断して産んだ娘をがんで亡くしました。

 被爆者が高齢化するなか被爆の実相を語り継ぎ伝え続けることが求められています。広島の基町(もとまち)高校の生徒は被爆者の話を何度も聞き資料にあたりながら絵を描きました。広島の原爆資料館に所蔵されているその絵をパネルにした展示会がいま、全国で開かれています。各地の高校で展示する試みも広がっています。
 核兵器を二度と使ってはならない。自らの尊厳をかけて声をあげた被爆者を先頭にした草の根の運動がいま、核兵器禁止条約に実っています

■「核の傘」脱却せよ
 日本政府に核禁条約への参加・署名・批准を求める意見書決議は683自治体(7月4日現在)と、全国の市町村の4割に広がっています。政府は、思想・信条を超えたこの声にこたえるべきです。
 岸田文雄首相はこれまでに「核兵器による威嚇も使用もあってはならない」「核兵器の使用がもたらす惨禍、非人道性を世界に訴えていく」「広島、長崎の惨禍は決して繰り返してはならない」などとのべています。
 ところが、岸田政権は7月28日に東京で行われた日米安全保障協議委員会(2プラス2)に合わせて、米国による「核抑止」を強化するための閣僚会合を初開催し、核戦争体制づくりの議論の継続を確認しました。広島・長崎の非人道的な惨禍の再現を前提に核で威嚇するのが「核抑止」論であり、首相の言明とまったく矛盾する行いです。
 唯一の戦争被爆国・日本は最も説得力を持って核兵器廃絶を訴えられる国です。その国の政府が核禁条約や核兵器廃絶の世界の流れに背を向け、核禁条約の締約国会議にオブザーバー参加すらせず米国言いなりを続ける姿は異常です。
 ただちに「核の傘」のくびきから脱却し、核兵器禁止条約に参加すべきです。
 ヒロシマ・ナガサキから、核兵器は絶対悪だという声を世界に発信するとともに、核に固執する日本政府を包囲していこうではありませんか。


平和宣言  (広島平和宣言2024)

皆さん、自国の安全保障のためには核戦力の強化が必要だという考え方をどう思われますか。また、他国より優位に立ち続けるために繰り広げられている軍備拡大競争についてどう思いますか。ロシアによるウクライナ侵攻の長期化やイスラエル・パレスチナ情勢の悪化により、罪もない多くの人々の命や日常生活が奪われています。こうした世界情勢は、国家間の疑心暗鬼をますます深め、世論において、国際問題を解決するためには拒否すべき武力に頼らざるを得ないという考えが強まっていないでしょうか。こうした状況の中で市民社会の安全・安心を保つことができますか。不可能ではないでしょうか。

平和記念資料館を通して望む原爆死没者慰霊碑、そこで祈りを捧げる人々の視線の先にある原爆ドーム、これらを南北の軸線上に配置したここ平和記念公園は、施行から今日で75年を迎える広島平和記念都市建設法を基に、広島市民を始めとする平和を願う多くの人々によって創られ、犠牲者を慰霊し、平和を思い、語り合い、誓い合う場となっています。

戦後、我が国が平和憲法をないがしろにし、軍備の増強に注力していたとしたら、現在の平和都市広島は実現していなかったのです。この地に立てば、平和を愛する世界中の人々の公正と信義を信頼し、再び戦争の惨禍が起こることのないようにするという先人の決意を感じることができるはずです。

また、そうした決意の下でヒロシマの心を発信し続けた被爆者がいました。「私たちは、いまこそ、過去の憎しみを乗り越え、人種、国境の別なく連帯し、不信を信頼へ、憎悪を和解へ、分裂を融和へと、歴史の潮流を転換させなければなりません。」これは、全身焼けただれた母親のそばで、皮膚がむけて赤身が出ている赤ん坊、内臓が破裂して地面に出ている死体…生き地獄さながらの光景を目の当たりにした当時14歳の男性の平和への願いです。

1989年、民主化に向けた市民運動の高まりによって、東西冷戦の象徴だったベルリンの壁が崩壊しました。かつてゴルバチョフ元大統領は、「われわれには平和が必要であり、軍備競争を停止し、核の恐怖を止め、核兵器を根絶し、地域紛争の政治的解決を執拗に追求する」という決意を表明し、レーガン元大統領との対話を行うことで共に冷戦を終結に導き、米ソ間の戦略兵器削減条約の締結を実現しました。このことは、為政者が断固とした決意で対話をするならば、危機的な状況を打破できることを示しています。

皆さん、混迷を極めている世界情勢をただ悲観するのではなく、こうした先人たちと同様に決意し、希望を胸に心を一つにして行動を起こしましょう。そうすれば、核抑止力に依存する為政者に政策転換を促すことができるはずです。必ずできます。

争いを生み出す疑心暗鬼を消し去るために、今こそ市民社会が起こすべき行動は、他者を思いやる気持ちを持って交流し対話することで「信頼の輪」を育み、日常生活の中で実感できる「安心の輪」を、国境を越えて広めていくことです。そこで重要になるのは、音楽や美術、スポーツなどを通じた交流によって他者の経験や価値観を共有し、共感し合うことです。こうした活動を通じて「平和文化」を共有できる世界を創っていきましょう。特に次代を担う若い世代の皆さんには、広島を訪れ、この地で感じたことを心に留め、幅広い年代の人たちと「友好の輪」を創り、今自分たちにできることは何かを考え、共に行動し、「希望の輪」を広げていただきたい。広島市は、世界166か国・地域の8,400を超える平和首長会議の加盟都市と共に、市民社会の行動を後押しし、平和意識の醸成に一層取り組んでいきます。

昨年度、平和記念資料館には世界中から過去最多となる約198万人の人が訪れました。これは、かつてないほど、被爆地広島への関心、平和への意識が高まっていることの証しとも言えます。世界の為政者には、広島を訪れ、そうした市民社会の思いを共有していただきたい。そして、被爆の実相を深く理解し、被爆者の「こんな思いは他の誰にもさせてはならない」という平和への願いを受け止め、核兵器廃絶へのゆるぎない決意を、この地から発信していただきたい。

NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議が過去2回続けて最終文書を採択できなかったことは、各国の核兵器を巡る考え方に大きな隔たりがあるという厳しい現実を突き付けています。同条約を国際的な核軍縮・不拡散体制の礎石として重視する日本政府には、各国が立場を超えて建設的な対話を重ね、信頼関係を築くことができるよう強いリーダーシップを発揮していただきたい。さらに、核兵器のない世界の実現に向けた現実的な取組として、まずは来年3月に開催される核兵器禁止条約の第3回締約国会議にオブザーバー参加し、一刻も早く締約国となっていただきたい。また、平均年齢が85歳を超え、心身に悪影響を及ぼす放射線により、様々な苦しみを抱える多くの被爆者の苦悩に寄り添い、在外被爆者を含む被爆者支援策を充実することを強く求めます。

本日、被爆79周年の平和記念式典に当たり、原爆犠牲者の御霊に心から哀悼の誠を捧げるとともに、核兵器廃絶とその先にある世界恒久平和の実現に向け、改めて被爆者の懸命な努力を受け止め、被爆地長崎、そして思いを同じくする世界の人々と共に力を尽くすことを誓います。皆さん、希望を胸に、広島と共に明日の平和への一歩を踏み出しましょう。
                         令和6年(2024年)8月6日

                               広島市長 松井 一實