2015年11月16日月曜日

TPP 知事・市町村長レベルでは反対が37% 賛成が23%

 政府が10月に大筋合意したというTPPについて、共同通信社は14日、全国知事・市区町村長へのアンケート結果をまとめました。
 それによると反対が37%と賛成の23%を大きく上回り、どちらともいえない」は40でした。
 これは時事通信が行った世論調査に結果:TPPが日本経済にどのような影響を与えるかについて、「良い影響」とみる人21%、「悪い影響」とみる16%、「どちらとも言えない」55%、に比べると大いに健全です。
 
 しかし、どちらもいわゆる関税撤廃ないし税率減少に関心が留まっていて、多国籍企業の真の狙いを見据えてのものではないのでは・・・というもどかしさがあります。
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TPP「反対」37% 6割「自給率低下」
東京新聞 2015年11月15日
 政府が十月に大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)で、共同通信社は十四日、全国知事・市区町村長に賛否を問うアンケート結果をまとめた。反対が36・9%と賛成の23・0%を大きく上回り、農林水産業の盛んな北海道や東北、九州での反発が目立った。一次産業からの離職や後継者不足に拍車を掛け、自治体「崩壊」や地域経済「衰退」につながりかねないとの懸念のほか、政府が掲げる地方創生に逆行するとの声が出ている。 
 
 賛否について「どちらともいえない」も39・5%に上り、商工業と農林水産業を抱え、全体的な影響が読みにくくなっていることもうかがわせた。政府は、将来の見通しを示して丁寧に説明するとともに、地域の不安を解消する対策を打ち出す必要がありそうだ。
 
 アンケートは十月十五日から四十七都道府県知事と千七百四十一市区町村長に調査票を送り、十一月十一日までに96・9%に当たる千七百三十二自治体から回答があった。
 都道府県ごとに自治体の賛否を見ると、76・6%が反対した北海道をはじめ、東北、九州を中心に十五道県で反対が多数を占めた。賛成が多かったのは奈良など四県にとどまった。
 
 全体での反対理由は「農家が立ち行かず食料自給率が低下する」が約六割を占め、最も多い。コメなど重要五項目を関税撤廃の対象から外すよう求める国会決議が「順守されない恐れ」と続き、影響分析などが不十分で大筋合意は「時期尚早」との回答も多かった。
 
 賛成理由は「貿易の自由化は世界の潮流」が最多。
 各自治体がTPPの対象品目から選んだ、マイナスの影響を受けやすい重要産品として、乳製品や牛肉、豚肉が挙がっており、コメとともに輸入拡大によるダメージを警戒している。
 共同通信が十月に実施した世論調査は、TPP大筋合意について「よかった」が58%で「よくなかった」32・2%を上回った
 
 
TPP「反対」福島県内首長5割 農業への影響を懸念
福島民友 2015年11月15日
 政府が10月に大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)の内容について、県と県内59市町村の首長のうち、「反対」と「どちらかというと反対」が半数超の計31人(51.7%)に上ったことが14日、共同通信社の全国首長アンケートで分かった。本県の基幹産業の農業への影響を懸念、米価下落で離農者が増加することで地域衰退が進むなどし、地方創生に逆行するとの声が出た。
 アンケートは47都道府県知事と1741市区町村長を対象に行い、県内は内堀雅雄知事と56市町村長が回答した。
 賛否について、「反対」が6人(10%)、「どちらかというと反対」が25人(41.7%)だった。理由は「農家の経営が立ち行かず食料自給率が低下する」が約6割を占めた。
 賛成意見としては、「輸出、国内総生産(GDP)拡大」や「貿易自由化は世界の潮流」を理由に、4人(6.7%)が「どちらかというと賛成」とするにとどまった。
 また、「どちらともいえない」も22人(36.7%)に上り、商工業と農林水産業を抱え、全体的な影響が読みにくくなっていることもうかがわせた。
 
 TPPが各市町村に与える影響については、「プラスとマイナスそれぞれの影響がある」が28人(46.7%)、「マイナスの影響がある」が23人(38.4%)、「分からない」が5人(8.4%)だったが、「米価など農産物の価格下落が予想され、離農による耕作放棄地の増加が地域へ及ぼす影響は大きい」(福島市)など多くの首長が懸念する。