2015年11月20日金曜日

南シナ海への自衛隊派遣の検討を公約 日米首脳会談

 今度のAPEC首脳会議でオバマ大統領が、TPPの合意に文字通り滅私奉公した日本を高く評価したということですが、アメリカ(の大企業)のために国を売ったのですからそれくらいのねぎらいは当然のことで名誉どころか恥辱的な話です。
 
 しかし安倍首相にはそんな自覚は全くないのでしょう。それどころか今度は日米首脳会談南シナ海への自衛隊派遣の可能性にあえて言及したということです。
 これまでも日本側は機会があるごとに日米首脳会談を懇請してきたものの、それが実現するのは数回に1回程度でした。一体そんな阿諛追従がしたくて首脳会談を望んだのでしょうか。
 
 これまでの経過から安倍氏ならば機会があればそう言うであろうことは容易に想像できたことですが、本来であれば仮にアメリカから要求されたとしても、「日本が直接的な被害を受けているわけではないし、何よりも隣国であるから」と断るべきものです。
 前にも書いたことですが、世界の警察官を任じているアメリカには「領海でない所に12カイリを設定するのは認められない」ことを実証する必要性があるのかも知れませんが、日本がそれに追随するというのは全く筋違いなことです。笑止なこととも言えます。
 
 その12カイリ内をアメリカ艦にくっついて巡航すれば、アメリカに尻尾を振ることも出来るし、念願の臨戦態勢も体験できるという思いなのでしょうか。
 隣国との間に無用な対立を生じさせることに何の躊躇もしないという、子供じみた軽薄さです。
 やはり安倍氏はリーダー欠格者です。 
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自衛隊活動拡大に反発も=首相、派遣検討を「公約」-日米首脳会談
時事通信 2015年11月19日
 安倍晋三首相は19日の日米首脳会談で、南シナ海への自衛隊派遣の可能性にあえて言及した。一方的な行動をエスカレートさせる中国に対し、日米同盟の盤石さを示して自制を促した形だ。ただ、自衛隊の活動拡大に、国民の不安や懸念は根強い。首相の「前のめり」とも言える姿勢に対しては、国内の強い反発も予想される。
 
 首相は今月11日の参院予算委員会でも、南シナ海への自衛隊派遣について「わが国の安全保障に与える影響を注視しつつ、今後とも十分に検討を行っていく課題だ」と述べていた。今回、中国と領有権を争うフィリピン国内で、オバマ米大統領に直接表明することで「国際公約」に踏み込んだと言える。今後、米軍の「航行の自由作戦」を自衛隊が支援する余地を残した格好だ。
 現状でも、自衛隊による公海上での警戒監視活動は可能だ。今年4月に再改定された日米防衛協力の指針(ガイドライン)は、平時の協力として「海洋秩序の維持」を明記している。
 
 9月に成立した安全保障関連法が施行されれば、日米の協力関係は一層強化される。日本の平和と安全に影響を及ぼす「重要影響事態」と政府が認定すれば、自衛隊は地理的制約なしに、米軍など他国軍を後方支援できると定めているためだ。
 とはいえ、安保関連法の国会審議で示された通り、国民の間では自衛隊の活動が際限なく広がり、「米国の戦争に巻き込まれる」ことへの懸念は消えていない。中国との軍事衝突を含む不測の事態を招きかねないとの指摘は根強い。首相は危機を強調するだけでなく、自らの考えを丁寧に説明し、国民の不安を解消する姿勢が求められる。