2015年11月19日木曜日

米韓FTAで韓国はボロボロに 米でもTPP反対集会 日本でも

 米韓FTA反対運動を主導する韓国弁護団長によれば、FTA発効から1年で韓国の畜産業の7割が廃業となり、14年の米国からの農畜産物輸入額(穀物を除く)は72.3%も増加しました。しかし例えば24%の関税が撤廃された米国産チェリーは、関税分の利ざやは輸入業者の懐に入り流通価格はほとんど変動していないということです(国内生産の壊滅が原因)
 薬価では、先発薬特許を持つ米製薬会社が利益確保を主張して、安価な後発薬の発売に待ったをかけるケースが相次いでいます。
 ISD条項対策として韓国は75以上の国内法を改正しましたが、それでも米の企業から約5800億円の賠償が請求されています。
 
 アメリカでは、かつてカナダ・メキシコと結んだ北米自由貿易協定(NAFTA)によって大企業とは違って痛い目に遭った国民が16日、TPPに反対する集会き、その後「医薬品特許の保護期間の長期化で安価な薬を買えなくなる」「企業の利益より人間を」などと書いたプラカードを持って市内をデモ行進しました
 「国の主権、国民の自由、雇用、食の安全まであらゆることが危険にさらされる協定」を議会で何とかストップさせたいとしています
 
 日本でもようやく渋谷駅前で、「TPPからの撤退」を訴える街宣行動が行われるようになりました。
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韓国弁護団が批判「米韓FTAは大失敗」 日本もTPPで二の舞必至
日刊ゲンダイ 2015年11月18日
 安倍自民が臨時国会の開催を拒否し、たった2日間の閉会中審査で押し切ろうとしたワケだ。
 
 TPPのモデルとなった米韓FTA(自由貿易協定)を批准した韓国は、発効から3年でボロボロになっているという。16日に行われたTPP交渉差し止め・違憲訴訟の第2回口頭弁論に合わせ、米韓FTA反対運動を主導する韓国弁護団が来日。団長のソン・キホ弁護士による講演でその惨状が明かされた。
 
「第3の開国」「“経済領土”が拡大する」――。どこかで聞いたようなフレーズを掲げた韓国政府は2012年、本会議場に催涙弾が飛び交う中、FTA批准案を強行採決した。農畜産業が壊滅的な打撃を受けるという国民の不安は現実となり、発効から1年で畜産業の7割が廃業。14年の米国からの農畜産物輸入額(穀物を除く)はFTA発効前と比べて72.3%も増加した。それで輸入品が安くなり、消費者が多少なりとも恩恵を受けているならまだしも、24%の関税が撤廃された米国産チェリーの流通価格はほとんど変動していないという。
 ソン氏はこう話した。
 
「競合のないモノは売り手の言い値が通る。関税分の利ざやは業者の懐に入り、政府は税収を失い、国民に増税負担がのしかかるという構図なのです。その上、輸出額は10カ月連続で下げ続け、今年10月は前年同月比15.8%も減少した。この6年2カ月で最悪の数字で、リーマン・ショック以降で最大の下落幅です。対米輸出額も4月以降、下げ幅が拡大している。米国の景気は回復しているのにヒドイありさまなのです。韓米FTAはひと言で言うと大失敗。韓国政府が喧伝した目標はことごとく挫折しています」
 
 薬価にも影響が広がる。韓国では先発薬が後発薬より30%割高。そのため、特許を持つ米製薬会社が後発薬発売に待ったをかけるケースが相次いでいるという。
 
 トドメは国家の主権を奪うISD条項だ。米企業から利益逸失などをタテに訴えられるのを避けるため、少なくとも75の国内法改正が実施される。米投資ファンドのローンスターは韓国政府に約47億ドル(約5800億円)の賠償を求めて係争中だ。
 
 安倍首相は「成長戦略の柱」とかうそぶいているが、デタラメだ。TPPを批准したら、この国は本当に終わる。 
 
 
TPP 議会は承認拒否を 米ワシントンで集会・デモ
しんぶん赤旗 2015年11月18日
【ワシントン=島田峰隆】米国の首都ワシントンで16日、日米など12カ国が大筋合意した環太平洋連携協定(TPP)に反対する集会が開かれました。参加者は集会後、市内をデモ行進し、米議会がTPPを承認しないよう訴えました。
 
 環境団体や平和団体などが共同で呼び掛けました。14~18日に大企業の利益を優先する貿易協定に抗議する集会や議員要請などの一斉行動に取り組んでいます。
 米商工会議所前に集まった参加者は「医薬品特許の保護期間の長期化で安価な薬を買えなくなる」「国民が望む環境保護政策を取った国が大企業に訴えられるなんて民主主義じゃない」などと次々と発言。「議会はTPP拒否を」と声をあげました。
 
 映画監督のマイケル・ムーア氏が飛び入り参加し、「国民は北米自由貿易協定(NAFTA)の時に“自由貿易で生活が良くなる”と政府にだまされた。今度はそうはさせない。諦めずにたたかおう」と激励しました。
 デモ行進では「ストップTPP」「企業の利益より人間を」などと書いたプラカードを持って市内を歩きました。
 メリーランド州から来たキャサリン・ロメルさん(26)は「国の主権、国民の自由、雇用、食の安全まであらゆることが危険にさらされる協定だ。議会で何とかストップさせたい。議員に圧力をかけ続ける」と話していました。
 
 
TPP撤退 寸劇・コール 東京で宣伝 池内氏訴え
 しんぶん赤旗 2015年11月18日
「STOP TPP!! 官邸前アクション実行委員会」は17日、環太平洋連携協定(TPP)交渉内容の全面公開と秘密交渉からの即時撤退を求めて東京・渋谷駅前で街宣行動を行いました。
 
 参加者は、「TPP絶対反対」「『大筋合意』で終わりじゃないぞ」とコールを繰り返しました。日本の医療保険制度を守ろうと訴える寸劇などで、TPP反対を訴えました。
 『サルでもわかるTPP』の著者、安田美絵さんは、「『安い牛肉が入ってくる』と言うが、成長ホルモンを使った米国産牛肉の輸入が増えることになり、遺伝子組み換え食品の表示もなくすよう求められることは明らか」だと指摘。「食の安全、主権を奪うようなTPPに反対しましょう」と訴えました。
 
 日本共産党の池内さおり衆院議員がスピーチ。「地域経済や医療など生活に深く関わる問題です。党派や立場を超えた共同で、TPP交渉から撤退させよう」と呼びかけました。