4日の厚労省の発表によると、派遣など正社員以外の労働者の割合は、昨年10月1日時点で40・0%で、前回2010年調査の38・7%からさらに上昇しました。
高齢者の再雇用やパート労働者が増えたことが原因で、1987年の調査開始以来、初めて4割に達しました。
これは日本の勤労者の格差の深化と総体としての貧困化を示すもので、5日の下記の記事で嶋矢志郎氏が指摘した、「98年からの右肩下がりのマイナス成長」の渦中にあるということです。同氏は、為政者にその認識がなければそこから脱却して景気を上向かせることなど出来る筈がないと述べています。
極めて当然の話で、国民の貧困化を放置したままでいくら大企業や富裕層に空前の大儲けをもたらしたところで、日本の経済が改善される筈もありません。その認識のない安倍政権に舵取りを任せていては、日本は早晩沈没することになります。
(関係記事)
11月5日 アベノミクスが的外れな「本当の理由」
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非正規社員が初の4割 高齢者再雇用、パート増加
東京新聞 2015年11月5日
厚生労働省が四日に発表した就業形態の多様化に関する調査によると、派遣など正社員以外の労働者の割合は、昨年十月一日時点で40・0%で、前回二〇一〇年調査の38・7%から上昇した。高齢者の再雇用やパート労働者が増えたことが要因で、一九八七年の調査開始以来、初めて四割に達した。
調査の対象は、従業員五人以上の民間企業のほか、今回から公立の学校や病院なども加わった。約一万一千事業所と、そこで働く約三万四千人から有効回答を得た。この調査では出向社員を「正社員以外」に位置付けているため、毎月実施されている総務省労働力調査の非正規雇用の分類とはやや異なる。
パートは全体の23・2%で契約社員は3・5%、定年後の再雇用2・7%、派遣2・6%などだった。
一一年時点と比べた正社員数は、27・2%の事業所が減少し、増加の20・6%を上回った。正社員以外が占める割合は14・1%が増加、14・2%が減少でほぼ同じだった。
正社員以外を雇用する理由(複数回答)は、「賃金の節約」(38・6%)が最も多く、「仕事の繁閑に対応」、「即戦力、能力のある人材を確保」が続いた。
パートや派遣などで働く理由(複数回答)は「自分の都合のよい時間に働ける」(37・9%)が最多だった。