ロシアのシリア内ISへの空爆や砲撃が開始されてから、ロシアの戦闘機の性能や、特に巡航ミサイルの正確さが明らかになって、欧米が衝撃を受けていると伝えられています。そういう面ではロシアは久しく沈黙を守ってきましたので、満を持して行った巡航ミサイルによる攻撃が正確で緻密であったとすれば、米などの受けた衝撃はさもありなんというところでしょう。
それより先の9月、米の有力軍事シンクタンクが中国のミサイル能力は急速に高まっていて、「中国の近くに配置された米軍の固定基地は、防御し切れなくなる」とする報告書を発表しました。
中国から至近距離にある沖縄に米軍基地が集中しすぎていて問題だということは、米軍は早くから自覚していましたが、それがより切実性を持って指摘されたわけです。
仮に辺野古基地の建設が高裁で認められたとしても、それが完成して使えるようになるのは10年後だといわれています。そのときには更に中国のミサイルは性能をアップしているので、沖縄の基地の脅威は中国にとっては更に小さいものになっていることでしょう。
話は違いますが、その頃には日本の原発などは軒並み撃破できる能力を持っている筈です。
もともと沖縄に海兵隊の基地をおく必要性はなく、以前に米軍はグアム島に集結させようとしたのですが、日本の「安保で食う人たち」が大金を献上することで引きとめたうえ、国内的には「地政学的に」沖縄に置かなくてはならないなどとデタラメを述べ立てたのが、今日の辺野古問題の根源です。
中国のミサイル能力についての新たな知見に基いて、米軍は本来のグアム集結の構想に戻るべきです。
それとは別に、米連邦議員らに辺野古への新基地建設計画に反対する沖縄の民意を伝え、計画の見直しを要請する沖縄の島ぐるみ会議の訪米団が15日、米国へと出発しました。
訪米団は21日まで米国に滞在し、連邦議員約40人の事務所を訪問し、またホワイトハウス前での抗議デモなども行うということです。
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中国ミサイル能力向上で在沖基地防御不利に 米研究所が報告書
琉球新報 2015年11月16日
米有力軍事シンクタンクランド研究所は9月に公表した報告書で、中国のミサイル能力が急速に高まっていると指摘し「中国の近くに配置された米軍の固定基地は、防御を賄えなくなるだろう」と分析した。最前線にある対中主力基地の米空軍嘉手納飛行場がミサイル攻撃で機能停止する筋書きを示し、アラスカやグアムなど遠方からも戦闘機を運用する必要性に触れたほか、フィリピンやベトナムなどを挙げ「太平洋、東南アジアの国々で米軍が基地を利用する権利を拡大することが必要だ」と提言した。沖縄に集中する米軍の固定基地が「脆弱(ぜいじゃく)になった」(ジョセフ・ナイ元国防次官補)といった指摘が裏付けられ、沖縄の「地理的優位性」が乏しいことをあらためて示した。
報告書は1996年から2017年までの米中の軍事力を予測データを交えて比較した。太平洋の米軍基地に対する中国からのミサイル攻撃については、03年までは米側が「大きく優位」に立っていたが、10年には「ほぼ同位」となり、17年には「不利」に転じると評価している。
中国が1400発保有する短距離弾道ミサイルの射程距離内には沖縄も入っており、射的精度も「誤差5~10メートル程度」になったとした上で、嘉手納基地は「比較的少ない数のミサイル攻撃でも運用機能を数日間ほど停止されかねず、集中攻撃を受ければ数週間にわたって閉鎖を余儀なくされる」と指摘した。
報告書は台湾海峡へ無給油で飛べる地域に米軍は二つしか飛行場を有していないが、中国は台湾の半径800キロに39の飛行場を有していることを紹介した。その上で「うち一つである海兵隊普天間飛行場はインフラも限られ、任務の大部分は海兵隊の陸上部隊の支援を志向しており、制空権争いには限定的だ」と記しており、対中作戦で重要視される制空権争いでは十分な機能を果たせないとの評価を示した。
嘉手納がミサイル攻撃を受けた場合、沖縄で「追加的に使える滑走路」があれば、機能回復への日数を短縮できると記し、日米防衛協力の強化で米軍が自衛隊基地や日本の民間空港を使用すれば、補完機能に使えるとの分析も記した。一方、「中国のミサイル能力向上は今後も続き、これら施設での作戦も妨げられるだろう」としている。
こうした状況から報告書は遠方にバックアップ体制を築く必要を挙げ「米軍は高い脅威の環境下で、どう空軍作戦を展開するか創造的に考えなくてはならない」と指摘した。(島袋良太)
島ぐるみ訪米団が出発 辺野古見直し直接訴え
琉球新報 2015年11月16日
沖縄「建白書」を実現し未来を拓(ひら)く島ぐるみ会議の訪米団が15日、米国へと出発した。同日午前、那覇空港で出発式が開かれた。訪米団は21日までの日程で米国に滞在し、米カリフォルニア州と首都ワシントンを訪ね、米国の連邦議員らに米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古への新基地建設計画に反対する沖縄の民意を伝え、計画見直しを要請する。
出発式で呉屋守将団長(金秀グループ会長)は「民主主義を掲げる米国に対し、沖縄における民主主義の在り方を突き付ける」と抱負を述べた。
訪米団は県議会や市町村議会、経済界、労働組合、学生などの代表26人で構成されている。
ワシントンでは連邦議員約40人の事務所を訪問し、一斉に要請行動する。米国の労働組合や市民団体とも協力し、ホワイトハウス前での抗議デモなども行う。